Mozilla は米国時間 2021 年 8 月 11 日、新機能の追加及び安定性の問題を修正した Thunderbird のメジャーアップデート版である Thunderbird 91.0 をリリースした。
Thunderbird 91.0 は Firefox 91 と同じレンダリングエンジンを搭載しており、バックエンドも Firefox ESR 91 相当となっている。
テスト目的での利用ではないユーザーは、現時点では Thunderbird 91 へ更新するべきではない。Thunderbird 91 は、thunderbird.net からの直接ダウンロードによってのみ提供され、Thunderbird 78 およびそれ以前のバージョンからの自動アップグレードは行われない。今後リリースされるバージョンにおいて、自動アップグレードが行われる予定である。
Thunderbird 91.0 での新機能や改良点は次のとおり。
新機能及び改良点
- 新機能
- アップルシリコン CPU 搭載 macOS デバイスをネイティブサポート
- 新機能
- マルチプロセスモード (e10s) を既定で有効化
- 新機能
- ラトビア語をサポート
- 新機能
- ファイル添付の新しいインターフェイス
- 新機能
- メッセージのリダイレクトをサポート
- 新機能
- UI 上でアカウントの並び替えを行えるようになった
- 新機能
- メッセージ作成ウインドウにおいて、空の CC/BCC 欄を表示できるようになった
- 新機能
- “noreply@example.com” のような存在しないアドレスへの返信を行おうとすると警告ポップアップが表示されるようになった
- 新機能
- 公開の宛先の数が閾値を越えると警告ポップアップが表示されるようになった
- 新機能
- “X-Unsent: 1” ヘッダーをサポート。これにより、保存されたメッセージをメッセージ編集ウインドウで開いて編集することが可能となった
- 新機能
- 非 ASCII 文字を含む宛先アドレスをサポート
- 新機能
- メッセージ作成ウインドウにおいて、メッセージ一覧から宛先を追加できるコンテキストメニューを追加
- 新機能
- クイック検索が複数メッセージビュー (スレッド要約) で利用可能となった
- 新機能
- メッセージ作成ウインドウにおいて To/CC/BCC 欄にアクセスするためのキーボードショートカットを追加
- 新機能
- フォルダーペインにおいてピン留めをサポート
- 新機能
- 言語パックおよび辞書が about:support で表示されるようになった
- 新機能
- PDF.js ビューアーを追加
- 新機能
- OpenPGP: 鍵管理マネージャーコンテキストメニューに “鍵 ID をコピー” を追加
- 新機能
- OpenPGP: 下書きの暗号化を無効化するオプションを追加
- 新機能
- BCC 受信者向けに暗号化されたメッセージ (暗号化のための鍵の一覧から宛先の情報が明らかになることについての警告を表示)
- 新機能
- CardDAV 形式のアドレス帳をサポート
- 新機能
- ユーザー情報に基づいて CardDAV 形式のアドレス帳を自動的に検出
- 新機能
- Outlook の連絡先へのアクセス;
ldap_2.servers.outlook.dirType を 3 にセットすることで有効化できる。これを有効化することで、起動時に遅延を生じる可能性がある
- 新機能
- 開発終了した、あるいは互換性のないアドオンの代替を提案
- 新機能
- チャット: Matrix サーバーをサポート (ベータ版レベルでのサポート。
chat.prpls.prpl-matrix.disable を false にセットすることで有効化できる)
- 新機能
- カレンダー: リモートカレンダーを自動的に検出
- 新機能
- カレンダー: カレンダーとカテゴリの色がドロップダウンメニューに表示されるようになった
- 新機能
- カレンダー: コンテキストメニューに “編集” を追加
- 新機能
- カレンダー: ダブルクリックで .ics ファイルを開けるようになった
- 新機能
- カレンダー: webcal: URL を利用可能であることを OS に提示するようになった
- 新機能
- カレンダー: インポートダイアログにおいて、インポートするアイテムのフィルターと並び替えをサポート
- 新機能
- 予定の招待者一覧にマッチする差出人が存在しない場合、どのカレンダーに招待を受け入れるか選択できるようになった
- 新機能
- カレンダーの予定ダイアログにおいて、関連リンクとして mid: URL スキームをサポート
- 新機能
- Gmail アカウントの設定時に、カレンダーとアドレス帳へのアクセスを要求するようになった。これにより、カレンダーとアドレス帳へのアクセスが必要となったときに再度の認証を求められることがなくなる (詳細)
- 新機能
- カレンダー: イベントごとのアラームに加え、カレンダーごと、およびグローバルでの通知設定
- 新機能
- タスク: 予定、タスクの作成、削除における取り消し/やり直しをサポート
- 変更
- “マスターパスワード” を “プライマリーパスワード” に変更 (英語版を含む複数の言語版。日本語版は対象外)
- 変更
- “アドオン” を “アドオンとテーマ” に、”オプション” を “設定” に変更
- 変更
- アカウントのセットアップをタブに移動
- 変更
- アドレス帳に存在しない宛先を赤色で表示することをやめ、不正なアドレスを赤色で表示するようになった
- 変更
- 選択済みの宛先一覧をクリックすると、アドレスを編集できるようになった
- 変更
- フォルダーペインの色スキームが一新され、可読性が向上
- 変更
- メッセージ送信のバックエンド、SMTP および LDAP プロトコルを JavScript で再実装
- 変更
- メッセージ送信のバックエンド、SMTP および IMAP プロトコルが UTF-8 モードのみをサポートするようになった
- 変更
- SMTP サーバーにおいてすべての宛先を拒絶された場合、メッセージ送信を失敗とするようになった
- 変更
- SMTP サーバーからのエラーメッセージをユーザーに表示するようになった
- 変更
- UI のカスタマイズが表示メニューに移動
- 変更
- 暗号化を設定していない場合、エンドツーエンド暗号化の “詳細設定” を無効化
- 変更
- Movemail のサポートを除去
- 変更
- WeTransfer FileLink プロバイダーを除去
- 変更
- エンタープライズ向けポリシーを更新
- 変更
- 印刷 UI を更新
- 変更
- LDAP ディレクトリからの自動補完が、前方一致から部分文字列検索に変更された
- 変更
- Thunderbird の起動速度の改善のため、チャットのモジュールとカスタムウィジェットが遅延読み込みとなった
- 変更
- 新規のチャットアカウントの既定の IRC サーバーが “libera.chat” に変更された
- 変更
- チャット: 画像ベースのエモーションを Unicode に変更
- 変更
- カレンダー: 既存の予定を開くと要約ダイアログが開くようになった
- 変更
- カレンダー: サーバーがサポートする場合、CalDAV を既定とするようになった
- 修正
- IMAP サーバーの自己署名証明書を正しく扱えない問題を修正
- 修正
- 特に Gmail における、IMAP のフォルダー名の特別な非 ASCII 文字に関する問題を修正
- 修正
- ドラッグ & ドロップ操作が新着メッセージの通知を阻害することがある問題を修正
- 修正
- 認証済みの IMAP サーバーから認証されていないサーバーでフォルダーを移動しようとすると失敗する問題を修正
- 修正
- POP3 サーバーからの一時的なエラーによって、Thunderbird を再起動するまでメッセージをダウンロードしなくなる問題を修正
- 修正
- Thunderbird を再起動するとお気に入りフォルダービューの UI が維持されない問題を修正
- 修正
- Thunderbird を再起動すると保存された検索フォルダーが維持されない問題を修正
- 修正
- フォルダーを削除するときに、影響を受けるフィルターについて正しく警告されない問題を修正
- 修正
- maildir 形式のフォルダーにおいてフィルターの手動実行が機能しない問題を修正
- 修正
- 部分的にダウンロードされたメッセージがウインドウに表示されている状態で残りのメッセージをダウンロードしても表示が更新されない問題を修正
- 修正
- S/MIME 署名済みメッセージを表示した後、メッセージのプレビューに “Sender” ヘッダーが誤って表示されることがある問題を修正
- 修正
- メッセージ作成ウインドウを閉じた後、それに関連する一時ファイルが自動的に削除されない問題を修正
- 修正
- NNTP アカウントからメッセージのアーカイブ化を行うと、ターゲットとしたフォルダーが利用できなくなる問題を修正
- 修正
- メッセージ作成ウインドウ: ユーザーが設定した引用スタイルが適用されない問題を修正
- 修正
- メッセージ作成ウインドウにおいて宛先を追加したとき、メッセージヘッダーが手動でのサイズ変更を受け付けない問題を修正
- 修正
- 新着メッセージ通知に関する多くの改善
- 修正
- アップデート後、Windows のタスクバーにピン留めされた Thunderbird アイコンが機能しないプレースホルダーになってしまう問題を修正
- 修正
- メッセージ作成ウインドウにおいて、宛先の選択に関する多くの改善
- 修正
- macOS: メッセージのセキュリティ情報へのキーボードショートカットが機能しない問題を修正
- 修正
- メッセージ一覧において、件名カラムに不正なメッセージヘッダーの内容が表示されることがある問題を修正
- 修正
- アカウント設定: 新規アカウントの作成時、入力済みの設定が詳細設定ダイアログにコピーされないことがある問題を修正
- 修正
- 連絡先サイドバーにおいて既定のアドレス帳の設定が適用されない問題を修正
- 修正
- CSV ファイルからのアドレス帳のインポートにおいて、利用可能なフィールドのすべてがインポートされないことがある問題を修正
- 修正
- LDAP アドレス帳において、複数の値を持つ属性が表示されない問題を修正
- 修正
- アドレス帳: LDAP の管理者権限を持つユーザーが LDAP アドレス帳のエントリを削除しようとしたときにアカウントを削除してしまうことがある問題を修正
- 修正
- アドレス帳を削除したときに、それに関連する設定が除去されない問題を修正
- 修正
- Linux: 詳細なアドレス帳検索へのショートカット (Ctrl+Shift+F) が機能しない問題を修正
- 修正
- アドレス帳の写真タブにおいてラジオボタンを選択できないことがある問題を修正
- 修正
- Windows アンインストーラーが Thunderbird のプログラムファイルのすべてを削除できないことがある問題を修正
- 修正
- チャット: 新規アカウント作成において、アカウントのタイプをダブルクリックしてもそれが選択されない問題を修正
- 修正
- チャットのアカウント設定が期待通りに保存されないことがある問題を修正
- 修正
- チャットのコンテンツにおいて、ユーザーニックネームの色が利用されない問題を修正
- 修正
- チャット: 複数のシステムメッセージが折りたたみ可能にならない問題を修正
- 修正
- カレンダー: 予定を開くと、リマインダーの詳細が編集可能に見える問題を修正
- 修正
- カレンダー: 予定の詳細において HTML レンダリングが再び機能するようになった
- 修正
- カレンダー: 招待の詳細ダイアログのツールバーにテーマの色が適用されない問題を修正
- 修正
- カレンダー: ダイアログに関する多くの更新
- 修正
- カレンダー: CSV 形式でのインポート、エクスポートにおいて、日時の「年」が正しく処理されない問題を修正
- 修正
- カレンダー: クリックしても予定のボックスにフォーカスが移動しないことがある問題を修正
- 修正
- ICS ファイルを「今日」ペインにドラッグ & ドロップしても「新しい予定」ダイアログ が開かない問題を修正
- 修正
- カレンダー: 「今日」ペインでのフリッカー効果を削減
- 修正
- カレンダー: 日時インジケーターの「時間」が自動的に更新されない問題を修正
- 修正
- リモートカレンダー上の繰り返しの予定を編集しても、「場所」フィールドが変更されない問題を修正
- 修正
- 「月」「複数週」ビューにおいて「今日」を視覚的に捉えにくい問題を修正
- 修正
- 「今日」ペインのカラムのサイズを変更できない問題を修正
- 修正
- カレンダーの予定のテキストが予定のブロックの外にまで表示される問題を修正
- 修正
- 予定の日時と名前が縦方向にそろって表示されない問題を修正
- 修正
- Zoom の招待のような長いリンクを含む予定の詳細の表示を改善
- 修正
- 招待への出欠確認の返信が誤ったアドレスから送信されることがある問題を修正
- 修正
- 特にダークテーマにおける UI およびテーマの改善
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 9 件、重要度区分において 高 6 件、中 2 件、低 1 件が修正されている。
- CVE-2021-29986
- Race condition when resolving DNS names could have led to memory corruption
- CVE-2021-29981
- Live range splitting could have led to conflicting assignments in the JIT
- CVE-2021-29988
- Memory corruption as a result of incorrect style treatment
- CVE-2021-29984
- Incorrect instruction reordering during JIT optimization
- CVE-2021-29980
- Uninitialized memory in a canvas object could have led to memory corruption
- CVE-2021-29987
- Users could have been tricked into accepting unwanted permissions on Linux
- CVE-2021-29985
- Use-after-free media channels
- CVE-2021-29982
- Single bit data leak due to incorrect JIT optimization and type confusion
- CVE-2021-29989
- Memory safety bugs fixed in Thunderbird 91
既知の問題
- 未解決
- Windows 32 ビット版ビルドにおいてチャットの OTR 暗号化に失敗する
Thunderbird 91.0 で修正された全ての問題は Mozilla.org bugs fixes (英語) を参照されたい。
その他、Thunderbird 91.0 についての一般的な情報は Thunderbird 91.0 リリースノート を参照いただきたい。
アップデート及びシステム要件
Thunderbird 91.0 は Windows, Mac, Linux 版が用意され、Mozilla ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、50 以上の言語に対応した各国語版は 各国語版のダウンロード よりダウンロードできる。
Thunderbird 91.0 の利用に必要なシステム要件については、Thunderbird 91.0 システム要件 を参照されたい。
- ダウンロード:
- Mozilla
- リリースノート:
- Thunderbird 91.0 リリースノート
- セキュリティアドバイザリ:
- MFSA 2021-36
- 修正されたバグ:
- Bug Fixes (英語)
カテゴリ: MozillaZine, Thunderbird, リリース情報 | コメントなし
投稿日時:2021/08/12 木曜日 - 21:33:39 投稿者:Cai
Mozilla は米国時間 2021 年 8 月 10 日、新機能の追加及び安定性の問題を修正した Thunderbird のマイナーアップデート版である Thunderbird 78.13.0 をリリースした。
Thunderbird 78.13.0 は Firefox ESR 78 と同じレンダリングエンジンを搭載しており、バックエンドも Firefox ESR 78.13 相当となっている。
Thunderbird 78.0 より、アドオンのサポートについて大きな変更が行われている。Firefox と同様、旧式のアドオンのサポートが終了し、MailExtension 形式のみのサポートとなる。現在利用中のアドオンが更新されているか確認されたい。
Thunderbird 78.13.0 での新機能や改良点は次のとおり。
新機能及び改良点
- 変更
- WeTransfer FileLink プロバイダーを除去
- 変更
- レグレッションのため、Thunderbird 78.12.0 で行われた bug 1707360 の修正を撤回
- 修正
- OpenPGP: M1 Mac において Homebrew 製 GPG スマートカードのライブラリが見つからない問題を修正
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 11 件、重要度区分において 高 4 件、中 1 件が修正されている。
- CVE-2021-29986
- Race condition when resolving DNS names could have led to memory corruption
- CVE-2021-29988
- Memory corruption as a result of incorrect style treatment
- CVE-2021-29984
- Incorrect instruction reordering during JIT optimization
- CVE-2021-29980
- Uninitialized memory in a canvas object could have led to memory corruption
- CVE-2021-29985
- Use-after-free media channels
- CVE-2021-29989
- Memory safety bugs fixed in Thunderbird 78.13
既知の問題
- 未解決
- URL 中にスペースがある HTML リンクを含む HTML メッセージを送信するとリンクが壊れることがある
Thunderbird 78.13.0 で修正された全ての問題は Mozilla.org bugs fixes (英語) を参照されたい。
その他、Thunderbird 78.13.0 についての一般的な情報は Thunderbird 78.13.0 リリースノート を参照いただきたい。
アップデート及びシステム要件
Thunderbird 78.13.0 は Windows, Mac, Linux 版が用意され、Mozilla ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、50 以上の言語に対応した各国語版は 各国語版のダウンロード よりダウンロードできる。既存の Thunderbird 68 以降のユーザには自動アップデート経由で通知されるが、ヘルプメニューの “Thunderbird について” より手動でアップデートすることも可能だ。
Thunderbird 78.13.0 の利用に必要なシステム要件については、Thunderbird 78.13.0 システム要件 を参照されたい。Firefox 78 と同様 Linux における最低システム要件が変更されており、GNU libc 2.17, libstdc++ 4.8.1, GTK+ 3.14 以降が必要となる (バージョン 68 までは GNU libc 2.17, libstdc++ 4.7 以降であった)。
- ダウンロード:
- Mozilla
- リリースノート:
- Thunderbird 78.13.0 リリースノート
- セキュリティアドバイザリ:
- MFSA 2021-35
- 修正されたバグ:
- Bug Fixes (英語)
カテゴリ: MozillaZine, Thunderbird, リリース情報 | コメントなし
投稿日時:2021/08/11 水曜日 - 01:05:48 投稿者:Cai
カテゴリ: Firefox for Android, MozillaZine, リリース情報 | コメントなし
投稿日時:2021/08/10 火曜日 - 23:57:31 投稿者:Cai
Mozilla は米国時間 2021 年 8 月 10 日、安定性及びセキュリティ問題の修正を含む Firefox のメジャーアップデート版である Firefox 91.0 をリリースした。延長サポート版である Firefox ESR もバージョン 78.13.0 にアップデートされているほか、ESR 91.0 もリリースされている。
Firefox 91 は macOS バージョン 10.9, 10.10, 10.11 をサポートしない。これらのバージョンの macOS を利用している場合には、延長サポート版 (ESR) 78.x が今年後半まで継続してリリースされるためそちらへ移行されたい。
Firefox 91.0 での新機能や改良点、セキュリティ修正、既知の問題は次のとおり。
新機能及び改良点
- 新機能
- Total Cookie Protection を強化。Cookie 削除のためにより包括的なロジックを追加することで、隠れてのデータ漏洩を阻止し、どのウェブサイトがローカルに情報を保存しているかを理解できるようになった (詳細)
- 新機能
- Microsoft アカウント、職場または学校アカウントでの Windows のシングルサインオンが利用可能となった (詳細)
- 新機能
- 印刷時の「ページの単純化」が再び利用可能となった (詳細)
- 新機能
- HTTPS-First ポリシー: プライベートブラウジングウインドウではすべての接続をセキュアなものとすることを優先し、ウェブサイトがサポートしない場合のみセキュアでない接続を行う (詳細)
- 新機能
- スコットランド語 (sco) ロケールを追加
- 新機能
- プライベートブラウジングウインドウにおいて、アドレスバーに「タブを表示」が示されるようになった
- 新機能
- macOS: 「コントラストを上げる」を有効にしていると自動的に高コントラストモードが有効化されるようになった
- 新機能
- ほぼすべてのユーザー操作について逐次描画を行うようになったことで、10 ~ 20% のレスポンス向上を実現
- Enterprise
- エンタープライズ用途向けの詳細は Firefox for Enterprise 91 リリースノート を参照されたい
- Web Platform
- デスクトッププラットフォームにおいて Visual Viewport API をサポート
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 11 件、重要度区分において 高 8 件、中 2 件、低 1 件が修正されている。
- CVE-2021-29986
- Race condition when resolving DNS names could have led to memory corruption
- CVE-2021-29981
- Live range splitting could have led to conflicting assignments in the JIT
- CVE-2021-29988
- Memory corruption as a result of incorrect style treatment
- CVE-2021-29983
- Firefox for Android could get stuck in fullscreen mode
- CVE-2021-29984
- Incorrect instruction reordering during JIT optimization
- CVE-2021-29980
- Uninitialized memory in a canvas object could have led to memory corruption
- CVE-2021-29987
- Users could have been tricked into accepting unwanted permissions on Linux
- CVE-2021-29985
- Use-after-free media channels
- CVE-2021-29982
- Single bit data leak due to incorrect JIT optimization and type confusion
- CVE-2021-29989
- Memory safety bugs fixed in Firefox 91 and Firefox ESR 78.13
- CVE-2021-29990
- Memory safety bugs fixed in Firefox 91
Firefox 91.0 で修正された全ての問題は Mozilla.org bugs fixes (英語) を、一般的な情報は リリースノート を、開発者向けの情報は MDN および Mozilla Developer YouTube チャネル を参照されたい。
アップデート及びシステム要件
Firefox 91.0 は Windows, Mac そして Linux 版が用意され、Mozilla ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、80 以上の言語に対応した各国語版は 次世代ブラウザ Firefox – 各国語版のダウンロード よりダウンロード可能となっている。また、既存の Firefox 4 以降のユーザには自動アップデート経由で通知されるが、Firefox メニューの “Firefox について” より手動でアップデートすることも可能だ。
Firefox 91.0 の利用に必要なシステム要件については、Firefox 91 システム要件 を参照されたい。macOS における OS 要件および Linux におけるシステム要件の変更に注意されたい。
- ダウンロード:
- 91.0, ESR 91.0, ESR 78.13.0
- リリースノート:
- 91.0, ESR 91.0, ESR 78.13.0
- セキュリティアドバイザリ:
- MFSA 2021-33 (91.0, ESR 91.0), MFSA 2021-34 (ESR 78.13.0)
- 修正されたバグ:
- 91.0, ESR 91.0, ESR 78.13.0 (英語)
カテゴリ: Firefox, MozillaZine, リリース情報 | コメントなし
投稿日時: - 23:49:44 投稿者:Cai
Mozilla Application Suite の開発をコミュニティベースで継続している The SeaMonkey® Project は米国時間 2021 年 7 月 22 日、マイナーアップデート版である SeaMonkey 2.53.8.1 をリリースした。
SeaMonkey 2.53.8.1 は Firefox ESR 60.8 と同じレンダリングエンジン Gecko 60 を搭載しており、バックエンドも Firefox ESR 60.8/Thunderbird 60.8 相当となっている。アプリケーションの内容としては、これまで通りブラウザ、メール & ニュースクライアント、Web 開発ツールを搭載したオールインワンパッケージとなっている。
ユーザープロファイルの構成の変更に伴い、バージョン 2.49.5 以前からのアップグレードに際して以下の注意点がある。
- マスターパスワードを利用している場合にはバージョン 2.53.1 以降へのアップデートの前にこれを解除する必要がある。設定メニューの「マスターパスワードを変更」から、パスワード欄を空白にすることでマスターパスワードを解除できる。「パスワードのリセット」機能を使うと、保存されているすべてのログイン情報が削除されるため注意が必要である。
- アップデートの完了後には、プロファイルフォルダー内の key3.db および cert8.db の 2 つのファイルを削除する必要がある。これはログイン情報を含む古い形式のファイルである。
また、SeaMonkey 2.53.1 および 2.53.2 の言語パックをインストールしている場合には、アップデートの前にこれらをアンインストールしておく必要がある。 これらは SeaMonkey 2.53.x すべてに互換性があるとされているが、実際には異なるバージョンの SeaMonkey で使用すると問題が発生する。アップデート後に、バージョン 2.53.8.1 の言語パックをインストールする必要がある。
Chatzilla、DOM Inspector、Lightning に加え、SeaMonkey Debug and QA UI のベータ版が本リリースには同梱されている。
新機能及び改良点
このアップデートでは、Firefox ESR 60.8/Thunderbird 60.8 相当の機能修正が行われているほか、以下の SeaMonkey 固有の修正が行われている。
- SeaMonkey
- メッセージのアーカイブ化操作が機能しない問題を修正 (bug 1718839)
- SeaMonkey
- フォルダー間でメッセージの移動、コピーを行うと offlineMsgSize パラメータが保存されない問題を修正 (bug 1720202, bug 1430480)
- SeaMonkey
- スレッドに関するコードを threadPane.js に移動し、messengerdnd.js を削除 (bug 515675)
セキュリティ修正
本項執筆時点で、新機能および改良点の詳細は公開されていないが、 Firefox ESR 60.8/Thunderbird 60.8 相当のセキュリティ修正に加え、Firefox ESR 78.12 系列からのバックポートによるセキュリティ修正が行われている。
SeaMonkey 2.53.8.1 は Windows, Mac, Linux 版が用意され、SeaMonkey Project ウェブサイト より日本語を含む 23 言語に対応した各言語版がダウンロード可能である。本リリースでは、既存のバージョン 2.53 系列の SeaMonkey ユーザへの自動アップデートが提供されている。
- ダウンロード:
- SeaMonkey 2.53.8.1
- リリースノート:
- Release notes
カテゴリ: MozillaZine, SeaMonkey, リリース情報 | コメントなし
投稿日時:2021/07/23 金曜日 - 10:43:01 投稿者:Cai
Mozilla は米国時間 2021 年 7 月 22 日、デスクトップ版バージョン 90.0 リリース後に明らかとなった不具合を修正した Firefox 90.0.2 をリリースした。Firefox ESR 78.12.0 および Firefox for Android 90 はこの問題の影響を受けない。
- 修正
- ページの印刷において、出力の一部が欠けることがある問題を修正 (bug 1720621)
- 修正
- 特定の Gtk テーマにおけるメニュースタイルを修正 (bug 1720441, bug 1720874)
- 変更
- カナダのユーザー向けに DNS over HTTPS (DoH) を順次有効化
Firefox 90.0.2 についての一般的な情報はリリースノートを参照されたい。
Firefox 90.0.2 は Windows, Mac, Linux 版が用意され、Mozilla ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、86 以上の言語に対応した各国語版は 次世代ブラウザ Firefox – 各国語版のダウンロード よりダウンロードできる。また、Windows、Mac OS X、Linux 版の既存の Firefox ユーザには自動アップデート経由でアップデートが提供されるが、手動でアップデートすることも可能だ。
- ダウンロード:
- Mozilla
- リリースノート:
- Firefox 90.0.2 リリースノート
- 修正されたバグ:
- Complete list of changes in the Firefox 90.0.2 (英語)
カテゴリ: Firefox, MozillaZine, リリース情報 | コメントなし
投稿日時: - 10:26:46 投稿者:Cai
Mozilla は米国時間 2021 年 7 月 19 日、デスクトップ版バージョン 90.0 リリース後に明らかとなった不具合を修正した Firefox 90.0.1 をリリースした。Firefox ESR 78.12.0 および Firefox for Android 90 はこの問題の影響を受けない。
- 修正
- Windows: 特定のアクセシビリティクライアントを使用しているとクラッシュする問題を修正 (bug 1720696)
- 修正
- 特定の HTTP3 応答において、ビジー状態でループする問題を修正 (bug 1720079)
- 修正
- 特定のスマートカードによる認証において一時的なエラーが発生する問題を修正 (bug 1715325)
- 修正
- 終了時にまれにクラッシュする問題を修正 (bug 1707057)
- 修正
- 更新後の起動時に競合が発生し、トラブルシューティング情報 (about:support) が空白となる問題を修正 (bug 1717894)
既知の問題
- 未解決
- 拡大/縮小したページの印刷において、出力の一部が欠けることがある (bug 1720621)
Firefox 90.0.1 についての一般的な情報はリリースノートを参照されたい。
Firefox 90.0.1 は Windows, Mac, Linux 版が用意され、Mozilla ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、86 以上の言語に対応した各国語版は 次世代ブラウザ Firefox – 各国語版のダウンロード よりダウンロードできる。また、Windows、Mac OS X、Linux 版の既存の Firefox ユーザには自動アップデート経由でアップデートが提供されるが、手動でアップデートすることも可能だ。
- ダウンロード:
- Mozilla
- リリースノート:
- Firefox 90.0.1 リリースノート
- 修正されたバグ:
- Complete list of changes in the Firefox 90.0.1 (英語)
カテゴリ: Firefox, MozillaZine, リリース情報 | コメントなし
投稿日時:2021/07/20 火曜日 - 12:34:55 投稿者:Cai
Mozilla は米国時間 2021 年 7 月 13 日、新機能の追加及び安定性の問題を修正した Thunderbird のマイナーアップデート版である Thunderbird 78.12.0 をリリースした。
Thunderbird 78.12.0 は Firefox ESR 78 と同じレンダリングエンジンを搭載しており、バックエンドも Firefox ESR 78.12 相当となっている。
Thunderbird 78.0 より、アドオンのサポートについて大きな変更が行われている。Firefox と同様、旧式のアドオンのサポートが終了し、MailExtension 形式のみのサポートとなる。現在利用中のアドオンが更新されているか確認されたい。
Thunderbird 78.12.0 での新機能や改良点は次のとおり。
新機能及び改良点
- 修正
- URL 中にスペースがある HTML リンクを含む HTML メッセージを送信するとリンクが壊れることがある問題を修正
- 修正
- macOS: フォルダーペインの表示に関するテーマ修正
- 修正
- チャットアカウントの設定が正しく保存されないことがある問題を修正
- 修正
- 購読した RSS フィードが消失することがある問題を修正
- 修正
- カレンダー: “DURATION” タイプのアラームトリガーのパースエラーにより、同期が失敗することがある問題を修正
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 4 件、重要度区分において 高 4 件が修正されている。
- CVE-2021-29969
- IMAP server responses sent by a MITM prior to STARTTLS could be processed
- CVE-2021-29970
- Use-after-free in accessibility features of a document
- CVE-2021-30547
- Out of bounds write in ANGLE
- CVE-2021-29976
- Memory safety bugs fixed in Thunderbird 78.12
Thunderbird 78.12.0 で修正された全ての問題は Mozilla.org bugs fixes (英語) を参照されたい。
その他、Thunderbird 78.12.0 についての一般的な情報は Thunderbird 78.12.0 リリースノート を参照いただきたい。
アップデート及びシステム要件
Thunderbird 78.12.0 は Windows, Mac, Linux 版が用意され、Mozilla ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、50 以上の言語に対応した各国語版は 各国語版のダウンロード よりダウンロードできる。既存の Thunderbird 68 以降のユーザには自動アップデート経由で通知されるが、ヘルプメニューの “Thunderbird について” より手動でアップデートすることも可能だ。
Thunderbird 78.12.0 の利用に必要なシステム要件については、Thunderbird 78.12.0 システム要件 を参照されたい。Firefox 78 と同様 Linux における最低システム要件が変更されており、GNU libc 2.17, libstdc++ 4.8.1, GTK+ 3.14 以降が必要となる (バージョン 68 までは GNU libc 2.17, libstdc++ 4.7 以降であった)。
- ダウンロード:
- Mozilla
- リリースノート:
- Thunderbird 78.12.0 リリースノート
- セキュリティアドバイザリ:
- MFSA 2021-30
- 修正されたバグ:
- Bug Fixes (英語)
カテゴリ: MozillaZine, Thunderbird, リリース情報 | コメントなし
投稿日時:2021/07/14 水曜日 - 09:56:00 投稿者:Cai
Mozilla は米国時間 2021 年 7 月 13 日、安定性及びセキュリティ問題の修正を含む Firefox のメジャーアップデート版である Firefox 90.0 をリリースした。延長サポート版である Firefox ESR もバージョン 78.12.0 にアップデートされている。
Firefox 90 は macOS バージョン 10.9, 10.10, 10.11 をサポートしない。これらのバージョンの macOS を利用している場合には、延長サポート版 (ESR) 78.x が今年後半まで継続してリリースされるためそちらへ移行されたい。
Firefox 90.0 での新機能や改良点、セキュリティ修正、既知の問題は次のとおり。
新機能及び改良点
- 新機能
- Windows: Firefox が起動していない状態でも バックグラウンドで更新が適用できるようになった (順次展開)
- 新機能
- Windows: 新しく導入された about:third-party ページから、互換性の問題の原因となるサードパーティ製モジュールの情報を確認できるようになった
- 新機能
- HTTPS-Only モードの例外 を設定ウインドウから管理できるようになった
- 新機能
- 「PDF に保存」において機能するハイパーリンクが生成されるようになった
- 新機能
- SmartBlock 機能のバージョン 2 によりプライバシーブラウジングが強化された。サードパーティ製の Facebook スクリプトはトラッキング防止のためにブロックされているが、「Facebook にログイン」を選択したときのみ「ジャストインタイムで」読み込まれるようになった
- 変更
- 「画像を新しいタグで開く」コンテキストメニューにおいて、既定では画像やメディアがバックグラウンドのタブで開かれるようになった (詳細)
- 変更
- WebRender に対してハードウェアアクセラレーションを利用できない環境のほとんどにおいて、ソフトウェア WebRender が使用されるようになった
- 変更
- ソフトウェア WebRender のパフォーマンス向上
- 変更
- FTP サポートを終了
- Enterprise
- エンタープライズ用途向けの詳細は Firefox for Enterprise 90 リリースノート を参照されたい
- 開発者
- 開発者ツールにおいて Private Fields (TC39 proposal, stage 3) をサポート。オブジェクトのインスペクション、自動入力、式の評価、ツールチップ、印刷が含まれる (bug 1650188)
- 開発者
- ネットワークパネルのレスポンスタブにおいて、フォントの HTTP リクエストのプレビューが表示されるようになった (bug 872078)
- Web Platform
- Fetch Metadata Request Headers をサポート。ウェブアプリケーションに対して、自身とユーザーに対するクロスオリジン攻撃からのより強力な保護を提供する
- Web Platform
- クライアント認証証明書をハードウェアトークンや OS ストレージに保存できるようになった
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 9 件、重要度区分において 高 5 件、中 4 件が修正されている。
- CVE-2021-29970
- Use-after-free in accessibility features of a document
- CVE-2021-29971
- Granted permissions only compared host; omitting scheme and port on Android
- CVE-2021-30547
- Out of bounds write in ANGLE
- CVE-2021-29971
- Use of out-of-date library included use-after-free vulnerability
- CVE-2021-29973
- Password autofill on HTTP websites was enabled without user interaction on Android
- CVE-2021-29974
- HSTS errors could be overridden when network partitioning was enabled
- CVE-2021-29975
- Text message could be overlaid on top of another website
- CVE-2021-29976
- Memory safety bugs fixed in Firefox 90 and Firefox ESR 78.12
- CVE-2021-29977
- Memory safety bugs fixed in Firefox 90
Firefox 90.0 で修正された全ての問題は Mozilla.org bugs fixes (英語) を、一般的な情報は リリースノート を、開発者向けの情報は MDN および Mozilla Developer YouTube チャネル を参照されたい。
アップデート及びシステム要件
Firefox 90.0 は Windows, Mac そして Linux 版が用意され、Mozilla ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、90 以上の言語に対応した各国語版は 次世代ブラウザ Firefox – 各国語版のダウンロード よりダウンロード可能となっている。また、既存の Firefox 4 以降のユーザには自動アップデート経由で通知されるが、Firefox メニューの “Firefox について” より手動でアップデートすることも可能だ。
Firefox 90.0 の利用に必要なシステム要件については、Firefox 90 システム要件 を参照されたい。macOS における OS 要件および Linux におけるシステム要件の変更に注意されたい。
- ダウンロード:
- 90.0, ESR 78.12.0
- リリースノート:
- 90.0, ESR 78.12.0
- セキュリティアドバイザリ:
- MFSA 2021-28 (90.0), MFSA 2021-29 (ESR 78.12.0)
- 修正されたバグ:
- 90.0, ESR 78.12.0 (英語)
カテゴリ: Firefox, MozillaZine, リリース情報 | コメントなし
投稿日時: - 09:32:12 投稿者:Cai