Thunderbird 78.1.1 がリリースされた
Mozilla は米国時間 2020 年 8 月 6 日、新機能の追加及び安定性の問題を修正した Thunderbird のマイナーアップデート版である Thunderbird 78.1.1 をリリースした。
Thunderbird 78.1.1 は Firefox ESR 78 と同じレンダリングエンジンを搭載しており、バックエンドも Firefox ESR 78.1 相当となっている。
Thunderbird 78.1.1 は、thunderbird.net からの直接ダウンロードによってのみ提供され、Thunderbird 68 およびそれ以前のバージョンからの自動アップグレードは行われない。今後リリースされるバージョンにおいて、自動アップグレードが行われる予定である。
Thunderbird 78.0 より、アドオンのサポートについて大きな変更が行われている。Firefox と同様、旧式のアドオンのサポートが終了し、MailExtension 形式のみのサポートとなる。現在利用中のアドオンが更新されているか確認されたい。
Enigmail を利用中のユーザーは、現時点では Thunderbird 78.1 へ更新するべきではない。Thunderbird 78.1 において OpenPGP 機能の実装は完了したが、さらなるテスト・修正・ローカライズのため、バージョン 78.1.1 の時点では既定では無効化されている。自動アップグレードの開始までは、68.x 系列の利用を継続することが推奨される。テスト目的での OpenPGP 機能の有効化については こちらの記事 を参照されたい。
Thunderbird 78.1.1 での新機能や改良点は次のとおり。
新機能及び改良点
- 変更
- システムライブラリにリンクした OpenPGP 共有ライブラリのビルドをサポート
- 変更
- MailExtension のエラーが開発ツールのコンソールに表示されるようになった
- 変更
- MailExtensions: カレンダープロバイダーの動的な登録をサポート
- 修正
- OpenPGP 実装の改良
- 修正
- Thunderbird 68 からのアップグレード後、メッセージのプレビューが空白になることがある問題を修正
- 修正
- リモートコンテンツのホワイトリストに追加したメールアドレスが設定に表示されない問題を修正
- 修正
- SeaMonkey からのデータのインポートが機能しない問題を修正
- 修正
- メールリストの改名がサイドバーに反映されない問題を修正
- 修正
- MailExtensions: messenger.* 名前空間が定義されていない問題を修正
既知の問題
- 未解決
- メールヘッダーのツールバー (返信、転送、アーカイブ、迷惑メールのボタン) がカスタマイズできない
- 未解決
- メッセージ作成ウインドウで固定幅フォントを利用できない
Thunderbird 78.1.1 で修正された全ての問題は Mozilla.org bugs fixes (英語) を参照されたい。
その他、Thunderbird 78.1.1 についての一般的な情報は Thunderbird 78.1.1 リリースノート を参照いただきたい。
アップデート及びシステム要件
Thunderbird 78.1.1 は Windows, Mac, Linux 版が用意され、Mozilla ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、50 以上の言語に対応した各国語版は 各国語版のダウンロード よりダウンロードできる。
Thunderbird 78.1.1 の利用に必要なシステム要件については、Thunderbird 78.1.1 システム要件 を参照されたい。Firefox 78 と同様 Linux における最低システム要件が変更されており、GNU libc 2.17, libstdc++ 4.8.1, GTK+ 3.14 以降が必要となる (バージョン 68 までは GNU libc 2.17, libstdc++ 4.7 以降であった)。
- ダウンロード:
- Mozilla
- リリースノート:
- Thunderbird 78.1.1 リリースノート
- 修正されたバグ:
- Bug Fixes (英語)