Firefox, Thunderbird の法人向け延長サポート版の提供が開始された
Mozilla は米国時間 2012 年 1 月 31 日、法人向けの Firefox および Thunderbird の延長サポート版 (ESR: Extended Support Release) の提供を開始した。
これは、Firefox の導入を集中管理している企業や公共機関、大学、その他法人などにおいて、Firefox 5, Thunderbird 5 以降の高速サイクルリリースに伴う検証の負担の軽減を目的としたものである。これまでは Firefox 3.6, Thunderbird 3.1 のサポートの例外的な延長によってこれに対応していたが、Firefox 10, Thunderbird 10 のリリースに合わせ、正式に延長サポート版の提供が開始された。
延長サポート版では、通常版の高速リリースサイクル (6 週間ごとのメジャーアップデート) とは異なり、通常版をベースとし、Web やアドオンの互換性を維持したままセキュリティ問題の修正を含むマイナーアップデートを 6 週間ごとに 8 回行い、54 週間のサポートとする。また、新バージョンの導入前に検証を行えるよう、新バージョンの公開から旧バージョンのサポート終了まで 2 サイクル (12 週間) の重複期間を設けている。
延長サポート版の目的は互換性の維持であるため、マイナーアップデートでは、リスクが高いか影響が大きいセキュリティ問題の修正のみが行われる。また、ゼロデイ脆弱性を解決するために定例外の緊急リリースを行う可能性もある。また、通常版に提供される機能改善、安定性向上などは延長サポート版には提供されない。
Firefox, Thunderbird の延長サポート版は Windows, Mac, Linux 版が用意され (Android 版は提供されない)、Mozilla Japan の法人向け情報 よりダウンロード可能となっている。対応言語およびシステム要件はベースとなる通常版に準じる。延長サポート版はあくまでも長期サポートを必要とする法人向けであり、個人利用には通常版の利用が推奨されている。
延長サポート版の提供開始に伴い、これまでサポートを延長して提供されてきた Firefox3.6 および Thunderbird 3.1 は、延長リリース版の提供開始から 12 週間後の 2012 年 4 月 24 日にサポートが終了する予定である。