SeaMonkey 2.7 がリリースされた
Mozilla Application Suite の開発をコミュニティベースで継続している The SeaMonkey® Project は、米国時間 2012 年 1 月 31 日、セキュリティ問題を修正した SeaMonkey 2.7 をリリースした。
SeaMonkey 2.7 は Firefox 10 と同じレンダリングエンジン Gecko 10 を搭載しており、バックエンドも Firefox 10/Thunderbird 10 相当となっている。アプリケーションの内容としては、これまで通りブラウザ、メール & ニュースクライアント、Chatzilla、Web 開発ツールを搭載したオールインワンパッケージとなっている。
SeaMonkey 2.7 での新機能や改良点、セキュリティ修正、既知の問題は次のとおり。
改良点
- アドオンの互換性確認をより柔軟にしたことで、ほとんどのアドオンが新バージョンでも引き続き利用可能となった
- WebGL のアンチエイリアスを実装した (Bug 615976)
- CSS3 の 3D トランスフォームを実装 (Bug 505115)
- 双方向テキストの分離を実現する HTML5 新要素
bdi
を、CSS プロパティとともに実装 (Bug 613149、Bug 662288) - 仕様との整合性を高めた IndexedDB API を実装
- いくつかの安定性に関わる問題を修正
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 8 件、重要度区分において最高 5 件、高 2 件、中 1 件が修正されている。
- MFSA 2012-09 「Firefox Recovery Key.html」が安全でない権限で保存される
- MFSA 2012-08 不正に埋め込まれた XSLT スタイルシートによるクラッシュ
- MFSA 2012-07 Ogg Vorbis ファイルデコード時の潜在的なメモリ破壊
- MFSA 2012-06 アイコン画像のエンコード時に追加される未初期化メモリによる情報の誤表示
- MFSA 2012-05 信頼できないオブジェクトを呼び出したフレームスクリプトがセキュリティチェックを迂回する
- MFSA 2012-04 nsDOMAttribute の子ノードを削除後も参照できてしまう
- MFSA 2012-03 iframe 要素が name 属性を通じて他ドメインから置き換えられる
- MFSA 2012-01 様々なメモリ安全性の問題 (rv:10.0/ 1.9.2.26)
その他 SeaMonkey 2.7 での修正は New Features and Fixes を参照されたい。
SeaMonkey 2.7 は Windows, Mac, Linux 版が用意され、SeaMonkey Project ウェブサイト より日本語を含む 24 言語に対応した各言語版がダウンロード可能である。既存の SeaMonkey ユーザには自動アップデート経由で通知されるが、手動でアップデートすることも可能だ。SeaMonkey 2.6 と同じく、Windows では Windows 95、98、Me、NT4 では動作しないほか、Mac OS X においては 10.4 (Tiger) のサポートが終了する他、 PowerPC 環境での Max OS X のサポートも終了する。
- ダウンロード:
- SeaMonkey® Project
- リリースノート:
- SeaMonkey 2.7 Release Notes