Firefox 137 がリリースされた
Mozilla は米国時間 2025 年 4 月 1 日、安定性及びセキュリティ問題の修正を含む Firefox のメジャーアップデート版である Firefox 137.0 をリリースした。延長サポート版である Firefox ESR もバージョン 128.9.0 および 115.22.0 がリリースされている。
Firefox 137.0 での新機能や改良点、セキュリティ修正、既知の問題は次のとおり。
新機能及び改良点
- 新機能
- タブグループ のロールアウト展開が開始された。関連のあるタブをグループ化することで、生産性と整理された状態を保つことができる。グループ化の簡単な方法は、タブを他のタブにドラッグしハイライト表示されるまで待つことである。グループには名前を付けたり色を指定することができ、そのまま保存される。グループを閉じ、また開くことも可能である
- 新機能
- Firefox アドレスバーの刷新 2025 – 新規、過去に閲覧したものの検索の新しい方法 – すべてをアドレスバーから:
機能
統合検索ボタン: アドレスバーに設置されたすぐにアクセスできる新しいボタンから、検索エンジン、検索モードを簡単に切り替えできる。この機能により、モバイル版のシンプルさをデスクトップ版でも実現できる
検索語句の保持: アドレスバー内で検索語句を修正すると、元の語句も保持されるようになる。検索クエリーを調整し、真に探しているものが何なのか見つけやすくなる
セカンダリアクションボタン: Firefoxの共通機能のサジェスト
文脈に応じた検索モード: 検索機能のあるウェブサイトを閲覧中であることを検出し、そのウェブサイトの検索エンジンでの検索をアドレスバーから直接実行できる。この機能を 2 回以上使うと、Firefox にその検索エンジンを追加するか提案される
文脈に応じた検索モードのオプション: 文脈に応じた検索モードを 2 回以上使うと、Firefox にその検索エンジンを追加するか提案される。エンジンを追加することで、いつでもその検索エンジンを利用することが可能となる
直感的な検索キーワード: 様々な検索モードに対して簡便かつ説明的なキーワードでアクセスできる (例: @bookmarks, @tabs, @history, @actions)
- 新機能
- PDF内のすべてのリンクを検出し、ハイパーリンクへ変換するようになった
- 新機能
- Linux: HEVC の再生をサポート
- 新機能
- Firefox から離脱することなく PDF に署名できるようになった。署名の再利用も可能である
- 新機能
- アドレスバーを計算機として使用できるようになった。計算式を入力だけでアドレスバーのドロップダウンに計算結果が表示される。結果をクリックすることでクリップボードにコピーされる
- Enterprise
- エンタープライズ用途向けの詳細は Firefox for Enterprise 137 リリースノート を参照されたい
- Developer
- インスペクターのフォントパネルに、フォントのバージョン、デザイナー、ベンダー、ライセンスなどのメタデータが表示されるようになった
- Developer
- ネットワークパネル内で、ローカルファイルによって ネットワークのリクエスト要求を上書き できるようになった
- Web Platform
- SVG 2 path API をサポート
- Web Platform
- hyphenate-limit-chars プロパティをサポート。自動ハイフネーションの挙動をウェブサイトの作者がよりコントロールできるようになる
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 8 件、重要度区分において 高 3 件、中 4 件、低 1 件が修正されている。
- CVE-2025-3028
- Use-after-free triggered by XSLTProcessor
- CVE-2025-3031
- JIT optimization bug with different stack slot sizes
- CVE-2025-3032
- Leaking file descriptors from the fork server
- CVE-2025-3029
- URL bar spoofing via non-BMP Unicode characters
- CVE-2025-3035
- Tab title disclosure across pages when using AI chatbot
- CVE-2025-3033
- Opening local .url files could lead to another file being opened
- CVE-2025-3030
- Memory safety bugs fixed in Firefox 137, Thunderbird 137, Firefox ESR 128.9, and Thunderbird 128.9
- CVE-2025-3034
- Memory safety bugs fixed in Firefox 137 and Thunderbird 137
既知の問題
- 未解決
- 以前のバージョンで、Firefox の終了時に「履歴」あるいは「サイトデータ」を削除するよう設定していた場合、アップデート後に「Cookie とサイトデータ」および「一時的にキャッシュされたファイルとページ」も削除されるよう設定が強制的に変更される
この問題で影響を受けるユーザーは、アップデート後に設定メニューの「プライバシーとセキュリティ」タブからこの 2 つのチェックを外す必要がある (Bug 1952564)
Firefox 137.0 についての一般的な情報は リリースノート を、開発者向けの情報は MDN および Mozilla Developer YouTube チャネル を参照されたい。
アップデート及びシステム要件
Firefox 137.0 は Windows, Mac そして Linux 版が用意され、Mozilla ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、80 以上の言語に対応した各国語版は 次世代ブラウザ Firefox – 各国語版のダウンロード よりダウンロード可能となっている。また、既存の Firefox 4 以降のユーザには自動アップデート経由で通知されるが、Firefox メニューの “Firefox について” より手動でアップデートすることも可能だ。
Firefox 137.0 の利用に必要なシステム要件については、Firefox 137 システム要件 を参照されたい。
- ダウンロード:
- 137.0, ESR 128.9.0, 115.22.0
- リリースノート:
- 137.0, ESR 128.9.0, ESR 115.22.0
- セキュリティアドバイザリ:
- MFSA 2025-20 (137.0), MFSA 2025-22 (ESR 128.9.0), MFSA 2025-21 (ESR 115.22.0)