SeaMonkey 2.53.14 がリリースされた
Mozilla Application Suite の開発をコミュニティベースで継続している The SeaMonkey® Project は米国時間 2022 年 9 月 29 日、マイナーアップデート版である SeaMonkey 2.53.14 をリリースした。
SeaMonkey 2.53.14 は Firefox ESR 60.8 と同じレンダリングエンジン Gecko 60 を搭載しており、バックエンドも Firefox ESR 60.8/Thunderbird 60.8 相当となっている。アプリケーションの内容としては、これまで通りブラウザ、メール & ニュースクライアント、Web 開発ツールを搭載したオールインワンパッケージとなっている。
ユーザープロファイルの構成の変更に伴い、バージョン 2.49.5 以前からのアップグレードに際して以下の注意点がある。
- マスターパスワードを利用している場合にはバージョン 2.53.1 以降へのアップデートの前にこれを解除する必要がある。設定メニューの「マスターパスワードを変更」から、パスワード欄を空白にすることでマスターパスワードを解除できる。「パスワードのリセット」機能を使うと、保存されているすべてのログイン情報が削除されるため注意が必要である。
- アップデートの完了後には、プロファイルフォルダー内の key3.db および cert8.db の 2 つのファイルを削除する必要がある。これはログイン情報を含む古い形式のファイルである。
また、SeaMonkey 2.53.1 および 2.53.2 の言語パックをインストールしている場合には、アップデートの前にこれらをアンインストールしておく必要がある。 これらは SeaMonkey 2.53.x すべてに互換性があるとされているが、実際には異なるバージョンの SeaMonkey で使用すると問題が発生する。アップデート後に、バージョン 2.53.14 の言語パックをインストールする必要がある。
Chatzilla、DOM Inspector、Lightning に加え、SeaMonkey Debug and QA UI のベータ版が本リリースには同梱されている。
新機能及び改良点
- SeaMonkey
- 以下の DOM HTML 要素のインターフェイスを更新: Embed, Object, Anchor, Area, Button, Frame, Canvas, IFrame, Link, Image, MenuItem, TextArea, Source, Select, Option, Script, Html
- SeaMonkey
- ビルドシステムの Python 2 から Python 3 への移行を継続
- SeaMonkey
- デバッグ QA に ESR 102 へのリンクを追加 (bug 1779028)
- SeaMonkey
- ヘルプメニューからプラグインに関するものを除去 (bug 1779031)
- SeaMonkey
- URL ホワイトリストを除去 (bug 1779037)
- SeaMonkey
- cs_nav_prefs_advanced.xhtml 内のデッドリンクを除去 [en-US] (bug 1783558)
- SeaMonkey
- cs_nav_prefs_advanced.xhtml 内のデッドリンクを除去 (bug 1786030)
- SeaMonkey
- アドレス帳から廃止されたチャットサービスを除去 (bug 1779034)
- SeaMonkey
- アドレス帳: “地図を表示” ボタンが表示されない問題を修正 (bug 1779319)
- SeaMonkey
- Rust 1.63 への互換性を追加
セキュリティ修正
本項執筆時点で、新機能および改良点の詳細は公開されていないが、 Firefox ESR 60.8/Thunderbird 60.8 相当のセキュリティ修正に加え、Firefox ESR 91.11/Thunderbird 91.11 からのバックポートによるセキュリティ修正が行われている。
SeaMonkey 2.53.14 は Windows, Mac, Linux 版が用意され、SeaMonkey Project ウェブサイト より日本語を含む 23 言語に対応した各言語版がダウンロード可能である。本リリースでは、既存のバージョン 2.53 系列の SeaMonkey ユーザへの自動アップデートが提供されている。
- ダウンロード:
- SeaMonkey 2.53.14
- リリースノート:
- Release notes