Thunderbird 78.5.1 がリリースされた
Mozilla は米国時間 2020 年 12 月 2 日、新機能の追加及び安定性の問題を修正した Thunderbird のマイナーアップデート版である Thunderbird 78.5.1 をリリースした。
Thunderbird 78.5.1 は Firefox ESR 78 と同じレンダリングエンジンを搭載しており、バックエンドも Firefox ESR 78.5 相当となっている。
Thunderbird 78.0 より、アドオンのサポートについて大きな変更が行われている。Firefox と同様、旧式のアドオンのサポートが終了し、MailExtension 形式のみのサポートとなる。現在利用中のアドオンが更新されているか確認されたい。
Thunderbird 78.5.1 での新機能や改良点は次のとおり。
新機能及び改良点
- 新機能
- OpenPGP: 件名の暗号化を無効化する設定を追加 (
mail.identity.default.protectSubject
およびmail.identity.idXX.protectSubject
) - 変更
- OpenPGP 公開鍵のインポートにおいて、複数ファイルの選択とインポートした鍵の包括的な受け入れをサポート
- 変更
- MailExtensions: getComposeDetails が “compose-editor-ready” イベントを待つようになった
- 修正
- 終了時に、新着メッセージのアイコンがシステムトレイから除去されない問題を修正
- 修正
- “リストに返信” において “返信元のメッセージを同じフォルダーに返信を保存する” 設定が機能しない問題を修正
- 修正
- メッセージの検索において “サーバー上のメッセージを検索する” オプションが機能しない問題を修正
- 修正
- ダークテーマにおいて、未読メッセージがあるフォルダーのハイライト表示の色が見えない問題を修正
- 修正
- OpenPGP: 鍵マネージャー上で鍵が見えない問題を修正
- 修正
- OpenPGP: クリップボードからの鍵のインポートが無効化されていた問題を修正
- 修正
- Filelink の設定が済んでいない状態において、サイズの大きなファイルの添付の “リンク共有” ボタンをクリックしても設定画面の Filelink セクションを開くことができない問題を修正
- 修正
- アドレス帳: リストの一覧の印刷結果が正しくない問題を修正
- 修正
- 自己署名 SSL 証明書を利用する LDAP サーバーへ接続できない問題を修正
- 修正
- LDAP 経由での Autoconfig が予期した通りに機能しない問題を修正
- 修正
- カレンダー: 新しい予定のダイアログで Ctrl-Enter を入力すると重複した予定を作成する問題を修正
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 1 件、重要度区分において 高 1 件が修正されている。
Thunderbird 78.5.1 で修正された全ての問題は Mozilla.org bugs fixes (英語) を参照されたい。
その他、Thunderbird 78.5.1 についての一般的な情報は Thunderbird 78.5.1 リリースノート を参照いただきたい。
アップデート及びシステム要件
Thunderbird 78.5.1 は Windows, Mac, Linux 版が用意され、Mozilla ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、50 以上の言語に対応した各国語版は 各国語版のダウンロード よりダウンロードできる。既存の Thunderbird 68 以降のユーザには自動アップデート経由で通知されるが、ヘルプメニューの “Thunderbird について” より手動でアップデートすることも可能だ。
Thunderbird 78.5.1 の利用に必要なシステム要件については、Thunderbird 78.5.1 システム要件 を参照されたい。Firefox 78 と同様 Linux における最低システム要件が変更されており、GNU libc 2.17, libstdc++ 4.8.1, GTK+ 3.14 以降が必要となる (バージョン 68 までは GNU libc 2.17, libstdc++ 4.7 以降であった)。
- ダウンロード:
- Mozilla
- リリースノート:
- Thunderbird 78.5.1 リリースノート
- セキュリティアドバイザリ:
- MFSA 2020-53
- 修正されたバグ:
- Bug Fixes (英語)