Thunderbird 78.4.0 がリリースされた
Mozilla は米国時間 2020 年 10 月 20 日、新機能の追加及び安定性の問題を修正した Thunderbird のマイナーアップデート版である Thunderbird 78.4.0 をリリースした。
Thunderbird 78.4.0 は Firefox ESR 78 と同じレンダリングエンジンを搭載しており、バックエンドも Firefox ESR 78.4 相当となっている。
Thunderbird 78.0 より、アドオンのサポートについて大きな変更が行われている。Firefox と同様、旧式のアドオンのサポートが終了し、MailExtension 形式のみのサポートとなる。現在利用中のアドオンが更新されているか確認されたい。
Thunderbird 78.4.0 での新機能や改良点は次のとおり。
新機能及び改良点
- 新機能
- MailExtensions: browser.tabs.sendMessage API を追加
- 新機能
- MailExtensions: messageDisplayScripts API を追加
- 変更
- Yahoo、AOL のメールユーザーでパスワードによる認証を使用している場合、OAuth2 に移行されるようになった
- 変更
- MailExtensions: messageDisplay API が複数選択されたメッセージをサポートするようになった
- 変更
- MailExtensions: compose.begin 関数が添付ファイル付きでの新規メッセージ作成をサポートするようになった
- 修正
- グローバル検索のインデックスの更新時にフリーズすることがある問題を修正
- 修正
- 自己署名 SSL 証明書の取り扱いに関する複数の問題を修正
- 修正
- メッセージ作成ウインドウの宛先アドレスフィールドが利用可能な領域いっぱいに拡張されることがある問題を修正
- 修正
- メッセージ作成ウインドウにおいて絵文字を挿入すると予期せぬ動作を行う問題を修正
- 修正
- フォルダーアイコンの色を既定に戻すボタンにキーボードからアクセスできない問題を修正
- 修正
- キーボードナビゲーションに関する多くの問題を修正
- 修正
- テーマの色に関する多くの問題を修正
- 修正
- MailExtensions: onBeforeSend.addListener() による添付ファイルの更新が機能しない問題を修正
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 2 件、重要度区分において 高 2 件が修正されている。
- CVE-2020-15969
- Use-after-free in usersctp
- CVE-2020-15683
- Memory safety bugs fixed in Thunderbird 78.4
Thunderbird 78.4.0 で修正された全ての問題は Mozilla.org bugs fixes (英語) を参照されたい。
その他、Thunderbird 78.4.0 についての一般的な情報は Thunderbird 78.4.0 リリースノート を参照いただきたい。
アップデート及びシステム要件
Thunderbird 78.4.0 は Windows, Mac, Linux 版が用意され、Mozilla ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、50 以上の言語に対応した各国語版は 各国語版のダウンロード よりダウンロードできる。既存の Thunderbird 68 以降のユーザには自動アップデート経由で通知されるが、ヘルプメニューの “Thunderbird について” より手動でアップデートすることも可能だ。
Thunderbird 78.4.0 の利用に必要なシステム要件については、Thunderbird 78.4.0 システム要件 を参照されたい。Firefox 78 と同様 Linux における最低システム要件が変更されており、GNU libc 2.17, libstdc++ 4.8.1, GTK+ 3.14 以降が必要となる (バージョン 68 までは GNU libc 2.17, libstdc++ 4.7 以降であった)。
- ダウンロード:
- Mozilla
- リリースノート:
- Thunderbird 78.4.0 リリースノート
- セキュリティアドバイザリ:
- MFSA 2020-47
- 修正されたバグ:
- Bug Fixes (英語)