Thunderbird 60.9.0 がリリースされた
Mozilla は米国時間 2019 年 9 月 6 日、Thunderbird 60.8.0 リリース後に明らかとなった不具合を修正した Thunderbird 60.9.0 をリリースした。
本バージョンのリリースに先立ちメジャーアップデート版である Thunderbird 68.0 がリリースされているが、バージョン 68.0 は thunderbird.net からの直接ダウンロードによってのみ提供され、Thunderbird 60 およびそれ以前のバージョンからの自動アップグレードは行われない (自動アップグレードでの提供はバージョン 68.1 からの予定)。Thunderbird 60.x 系列は、68.x 系列からサポートされなくなった古い形式のアドオンを利用可能なバージョンとして継続して提供されている。そのため、Thunderbird 60 およびそれ以前のバージョンからの自動アップデートには本バージョンが提供される。
Thunderbird 60.9.0 での改良点は次のとおり。
新機能及び改良点
- 新機能
- Office 365 の Exchange アカウントへの接続。このアカウントタイプにはサードパーティー製のアドオンが必要となる。代替として IMAP での接続も変わらず可能である
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 7 件、重要度区分において 高 6 件、中 1 件が修正されている。
- CVE-2019-11739
- Covert Content Attack on S/MIME encryption using a crafted multipart/alternative message
- CVE-2019-11746
- Use-after-free while manipulating video
- CVE-2019-11744
- XSS by breaking out of title and textarea elements using innerHTML
- CVE-2019-11742
- Same-origin policy violation with SVG filters and canvas to steal cross-origin images
- CVE-2019-11752
- Use-after-free while extracting a key value in IndexedDB
- CVE-2019-11743
- Cross-origin access to unload event attributes
- CVE-2019-11740
- Memory safety bugs fixed in Firefox 69, Firefox ESR 68.1, Firefox ESR 60.9, Thunderbird 68.1, and Thunderbird 60.9
既知の問題
- 未解決
- Mozilla プラットフォームの変更により、Windows のネットワーク共有においてドライブレターが割り当てられていたプロファイルは、UNC で認識される
- 未解決
- チャット: Twitter.com での API の変更により、Twitter が機能しない
Thunderbird 60.9.0 についての一般的な情報は Thunderbird 60.9.0 リリースノート を参照いただきたい。
Thunderbird 60.9.0 は Windows, Mac, Linux 版が用意され、Mozilla ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、50 以上の言語に対応した各国語版は 各国語版のダウンロード よりダウンロードできる。既存の Thunderbird 5 以降のユーザには自動アップデート経由で通知されるが、ヘルプメニューの “Thunderbird について” より手動でアップデートすることも可能だ。
- ダウンロード:
- thunderbird.net
- リリースノート:
- Thunderbird 60.9.0 リリースノート
- セキュリティアドバイザリ:
- MFSA 2019-29
- 修正されたバグ:
- Bug Fixes (英語)