Firefox 55 がリリースされた
Mozilla は米国時間 2017 年 8 月 8 日、安定性及びセキュリティ問題の修正を含む Firefox のメジャーアップデート版である Firefox 55.0 をリリースした。延長サポート版 である Firefox ESR 52.3.0 も継続してリリースされている。
Firefox 55.0 での新機能や改良点、セキュリティ修正、既知の問題は次のとおり。
新機能及び改良点
- 新機能
- ウェブへ没入型体験をもたらす WebVR への対応を Windows 版へ追加 (Mozilla VR でサンプルを見て、実際に動くデモを試すことができる)
- 新機能
- ユーザーが最近のパフォーマンス改善を最適化できるオプションを追加
- Windows 10 Anniversary Edition 上で、動画再生時にバッテリー寿命を伸ばし CPU 使用率を下げられるよう、ハードウェア VP9 アクセラレーションを有効化する設定
- ページの読み込みを高速化し、タブ切り替えの応答性を高められる、同時使用コンテンツプロセス数を変更 する設定
- 新機能
- 合理化された Windows 版スタブインストーラーにより、インストール手順を簡素化
- 2 GB 以上の RAM を搭載した 64 ビットシステム上では、64 ビット版 Firefox を標準でインストール
- 高度なインストールオプションを備えた フルインストーラー も引き続き使用可能
- 新機能
- ロケーションバー機能を改善
- インストールされているワンクリック検索エンジンを使って、ロケーションバーから直接検索
- 検索候補の表示 (初期設定で有効)
- ホスト名 (例えば pinterest.com) 入力時に、可能な場合は安全でないバージョン (http://www.pinterest.com) の代わりに安全なバージョン (https://www.pinterest.com) のサイトを解決
- 新機能
- サイドバー (ブックマーク、履歴、同期したタブ) をウィンドウの左端から右端へ移動できるようになった
- 新機能
- WebRTC のステレオマイク対応を追加
- 新機能
- リーダーモードからの印刷を簡素化
- 新機能
- OS X および macOS 上で、システム環境設定を通じて Firefox のメニュー項目に 任意のキーボードショートカット を割り当てられるようになった
- 新機能
- ブラウジングセッションにタブが多数含まれていた場合にも、瞬時に復元されるよう、処理を見直し
- 新機能
- ウェブページの スクリーンショット を撮って、ローカルに保存するかクラウドへアップロードできるようになった (この機能はまだ A/B テスト中のため、すべてのユーザーには表示されない)
- 新機能
- ベラルーシ語 (be) ロケールを追加
- 変更
- アプリケーションの更新 UI を刷新し、あまり邪魔にならないようにするとともに、ブラウザーの他の UI との一貫性を見直し (更新をダウンロードしてから 8 日間ブラウザーを再起動していないユーザーや、自動更新を無効化しているユーザーのみ)
- 変更
- 過去のバージョンでは可能な場合もあったダウングレードへの対応を廃止 (Firefox 55 以上をインストールし、以前のバージョンへダウングレードした場合、不具合が生じる可能性がある)
- 変更
- Adobe Flash プラグインは初期設定でクリックによる有効化が必要となった。また、http:// や https:// URL スキーマ以外からの読み込みを禁止 (この変更は順次展開されるため、すべてのユーザーへすぐには反映されない。詳細は Firefox のプラグインロードマップ を参照されたい)
- 開発者
- 安全でないサイトは Geolocation API を使用してユーザーの物理的な位置情報を取得できなくなった
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 29 件、重要度区分において 最高 5 件、高 11 件、中 7 件、低 6 件が修正されている。
- CVE-2017-7798
- XUL injection in the style editor in devtools
- CVE-2017-7800
- Use-after-free in WebSockets during disconnection
- CVE-2017-7801
- Use-after-free with marquee during window resizing
- CVE-2017-7809
- Use-after-free while deleting attached editor DOM node
- CVE-2017-7784
- Use-after-free with image observers
- CVE-2017-7802
- Use-after-free resizing image elements
- CVE-2017-7785
- Buffer overflow manipulating ARIA attributes in DOM
- CVE-2017-7786
- Buffer overflow while painting non-displayable SVG
- CVE-2017-7806
- Use-after-free in layer manager with SVG
- CVE-2017-7753
- Out-of-bounds read with cached style data and pseudo-elements
- CVE-2017-7787
- Same-origin policy bypass with iframes through page reloads
- CVE-2017-7807
- Domain hijacking through AppCache fallback
- CVE-2017-7792
- Buffer overflow viewing certificates with an extremely long OID
- CVE-2017-7804
- Memory protection bypass through WindowsDllDetourPatcher
- CVE-2017-7791
- Spoofing following page navigation with data: protocol and modal alerts
- CVE-2017-7808
- CSP information leak with frame-ancestors containing paths
- CVE-2017-7782
- WindowsDllDetourPatcher allocates memory without DEP protections
- CVE-2017-7781
- Elliptic curve point addition error when using mixed Jacobian-affine coordinates
- CVE-2017-7794
- Linux file truncation via sandbox broker
- CVE-2017-7803
- CSP containing ‘sandbox’ improperly applied
- CVE-2017-7799
- Self-XSS XUL injection in about:webrtc
- CVE-2017-7783
- DOS attack through long username in URL
- CVE-2017-7788
- Sandboxed about:srcdoc iframes do not inherit CSP directives
- CVE-2017-7789
- Failure to enable HSTS when two STS headers are sent for a connection
- CVE-2017-7790
- Windows crash reporter reads extra memory for some non-null-terminated registry values
- CVE-2017-7796
- Windows updater can delete any file named update.log
- CVE-2017-7797
- Response header name interning leaks across origins
- CVE-2017-7780
- Memory safety bugs fixed in Firefox 55
- CVE-2017-7779
- Memory safety bugs fixed in Firefox 55 and Firefox ESR 52.3
Firefox 55.0 で修正された全ての問題は Mozilla.org bugs fixes (英語) を、一般的な情報は リリースノート を、開発者向けの情報は MDN を参照されたい。
アップデート及びシステム要件
Firefox 55.0 は Windows, Mac そして Linux 版が用意され、Mozilla ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、80 以上の言語に対応した各国語版は 次世代ブラウザ Firefox – 各国語版のダウンロード よりダウンロード可能となっている。また、既存の Firefox 4 以降のユーザには自動アップデート経由で通知されるが、Firefox メニューの “Firefox について” より手動でアップデートすることも可能だ。
Firefox 55.0 の利用に必要なシステム要件については、Firefox 55 システム要件 を参照されたい。
- ダウンロード:
- 55.0, ESR 52.3.0
- リリースノート:
- 55.0, ESR 52.3.0
- セキュリティアドバイザリ:
- MFSA 2017-18 (55.0), MFSA 2017-19 (ESR 52.3.0)
- 修正されたバグ:
- 55.0, ESR 52.3.0 (英語)