Firefox 43 がリリースされた
Mozilla は米国時間 2015 年 12 月 15 日、安定性及びセキュリティ問題の修正を含む Firefox のメジャーアップデート版である Firefox 43.0 をリリースした。延長サポート版 である Firefox ESR 38.5.0 も継続してリリースされている。
Firefox 43.0 での新機能や改良点、セキュリティ修正、既知の問題は次のとおり。
新機能及び改良点
- 新機能
- m4v 形式の動画再生に関する API のサポートを向上
- 新機能
- 64 bit Windows 版がリリースされた
- 新機能
- URL バーに検索候補を表示するようになった
- 新機能
- Windows 8 以降で、スクリーン上にタッチキーボードを自動的に表示するようになった
- 新機能
- プライベートブラウジングのトラッキングプロテクションで利用するブロックリストに 2 つ目のリストが追加され、利用するリストを選択できるようになった
- 新機能
- Firefox ヘルスレポートが、テレメトリーと同じデータ収集機構を利用するように変更された
- 開発者
- 擬似要素を固定的に表示できるようになった
- 開発者
- ツールボックスにフォーカスがある場合、F1 キーで設定を開けるようになった
- 開発者
- 要素選択時のコンテキストメニューから「コンソールで利用」を選択すると、その要素を変数から参照できるようになった
- 開発者
- ルールビュー中でオーバライドされた属性の横に表示される検索ボタンをクリックすることで、類似する属性を検索できるようになった
- 開発者
- ルールビューで表示されるルールを、属性名で絞り込めるようになった
- 開発者
- 例外発生時に、コンソールでスタックトレースを表示するようになった
- 開発者
- サーバサイドのログをコンソールで表示できるようになった
- 開発者
- 開発ツールバーでスクリーンショットを取得する際に、解像度を指定できるようになった
- 開発者
- サブリソースの一貫性保持機能により、開発者は自身のサイトをより安全にできるようになった
- 開発者
- hyphens 属性が接頭辞なしで利用できるようになった
- 開発者
- WebIDE がサイドバーつき UI に変更された
- 開発者
- transform-origin 属性が SVG の要素に対して利用できるようになった
- 開発者
- アニメーションインスペクタが、アニメーションをタイムライン表示できるようになった
- 開発者
- シングルプロセスモードでは、NPAPI を利用するプラグインを利用できなくなった
- 修正
- スポイトツールが、ページ拡大時に期待通りに動作しない問題を修正
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 16 件、重要度区分において 最高 4 件、高 7 件、中 3 件、低 2 件が修正されている。
- MFSA 2015-149
- data および view-source URI を通じたクロスサイト読み取り攻撃
- MFSA 2015-148
- WebExtension API における特権昇格問題
- MFSA 2015-147
- libstagefright における MP4 メタデータ処理中の整数アンダーフローおよびバッファオーバーフロー
- MFSA 2015-146
- 64 ビット版における MP4 再生時の整数オーバーフロー
- MFSA 2015-145
- コード監査を通じて発見されたアンダーフロー
- MFSA 2015-144
- コード監査を通じて発見された一連のバッファオーバーフロー
- MFSA 2015-143
- Linux 上の Jasper ライブラリの脆弱性による不正画像選択時のクラッシュ
- MFSA 2015-142
- HTTP/2 における不正なフレームによる DoS
- MFSA 2015-141
- data URI 内ハッシュの誤解析
- MFSA 2015-140
- Web ワーカーのエラーイベントを通じたクロスオリジン情報漏えい
- MFSA 2015-139
- 巨大テクスチャの割り当てによる整数オーバーフロー
- MFSA 2015-138
- WebRTC においてデータチャンネルが破棄後に使用される解放後使用の問題
- MFSA 2015-137
- Firefox で Cookie に制御文字を設定できてしまう問題
- MFSA 2015-136
- perfomance.getEntries と履歴遷移を通じた同一オリジンポリシー違反
- MFSA 2015-135
- ボックス化解除されたオブジェクトによる JavaScript 変数割り当て時のクラッシュ
- MFSA 2015-134
- 様々なメモリ安全性の問題 (rv:43.0 / rv:38.5)
Firefox 43.0 で修正された全ての問題は Mozilla.org bugs fixes (英語) を、一般的な情報は リリースノート を、開発者向けの情報は MDN を参照されたい。
アップデート及びシステム要件
Firefox 43.0 は Windows, Mac そして Linux 版が用意され、Mozilla Japan ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、80 以上の言語に対応した各国語版は 次世代ブラウザ Firefox – 各国語版のダウンロード よりダウンロード可能となっている。また、既存の Firefox 4 以降のユーザには自動アップデート経由で通知されるが、Firefox メニューの “Firefox について” より手動でアップデートすることも可能だ。
Firefox 43.0 の利用に必要なシステム要件については、Firefox 43 システム要件 を参照されたい。
- ダウンロード:
- 43.0, ESR 38.5.0
- リリースノート:
- 43.0, ESR 38.5.0
- セキュリティアドバイザリ:
- 43.0, ESR 38.5.0
- 修正されたバグ:
- 43.0, ESR 38.5.0 (英語)