Firefox 35 がリリースされた
Mozilla は米国時間 2015 年 1 月 13 日、安定性及びセキュリティ問題の修正を含む Firefox のメジャーアップデート版である Firefox 35.0 をリリースした。延長サポート版 である Firefox ESR 31.4.0 もリリースされている。
Firefox 35.0 での新機能や改良点、セキュリティ修正、既知の問題は次のとおり。
新機能及び改良点
- 新機能
- Firefox Hello が正式リリース
- 新機能
- 新しい検索インタフェースがより多くのロケールで利用可能になった。またインタフェース自身も改善された
- 新機能
- Firefox Marketplace へメニューの「ツール」からアクセスできるようになった。また、カスタマイズすることでツールバーにアクセスするためのボタンを表示可能になった
- 新機能
- Mac OS X Snow Leopard (10.6) 以降では新しいネイティブ API 経由での H264 (MP4) の利用を組み込みでサポート
- 新機能
- タイルレンダリングが Mac OS X版で実装
- 新機能
- 高画質画像のリサイズ性能が向上
- 新機能
- 動的なスタイル変更の処理の改善により、応答性が向上
- 新機能
- HTTP 公開鍵ピンニング を実装。暗号化通信を行うサーバの認証をより安全・確実に行えるようになった
- HTML5
- JavaScript の “let” の意味が変更された
- HTML5
- Resource Timing API の実装
- HTML5
- CSS フィルタが標準で有効になった
- HTML5
- CSS Font Loading API をサポート
- 開発者
- ::before と ::after の擬似要素を調査できるようになった
- 開発者
- セレクタにマウスオーバーすることで、それにマッチする要素が強調表示されるようになった
- 開発者
- ネットワークモニタでリクエストとレスポンスのヘッダの表示方式が変更された (詳細はこちら)
- 開発者
- WebGL の EXT_blend_minmax 拡張をサポート
- 修正
- インスペクタ中のコンテキストメニューに「DOM プロパティを表示」が追加された
- 修正
- 拡大、もしくは縮小された画像に必要なリソースの減少
- 修正
- PDF.js をバージョン 1.0.907 に更新
- 修正
- HTTPS を利用しない XHR において、正しいステータスコードが返されるようになった
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 9 件、重要度区分において 最高 3 件、高 1 件、中 4 件、低 1 件が修正されている。
- MFSA 2015-09
- DOM オブジェクトを通じた XrayWrapper の回避
- MFSA 2015-08
- id-pkix-ocsp-nocheck による委任 OCSP レスポンダー証明書検証の失敗
- MFSA 2015-07
- Gecko Media Plugin サンドボックスの回避
- MFSA 2015-06
- WebRTC における解放後読み取り
- MFSA 2015-05
- Web Audio 内の未初期化メモリ読み取り
- MFSA 2015-04
- プロキシ認証レスポンスを通じた Cookie 注入
- MFSA 2015-03
- sendBeacon の Origin ヘッダ欠落
- MFSA 2015-02
- ビットマップ描画中の未初期化メモリ使用
- MFSA 2015-01
- 様々なメモリ安全性の問題 (rv:35.0 / rv:31.4)
既知の問題
- 未解決
- WebGL を利用したゲームにおいて、いくつかのテクスチャが表示されない場合がある (Bug 1113633)
- 未解決
- hover で画像を重ねる場合、画像が正しく表示されない場合がある (Bug 1083113)
- 未解決
- RTL に起因する Hello の問題は こちら を参照
Firefox 35.0 で修正された全ての問題は Mozilla.org bugs fixes (英語) を、一般的な情報は リリースノート を、開発者向けの情報は MDN を参照されたい。
アップデート及びシステム要件
Firefox 35.0 は Windows, Mac そして Linux 版が用意され、Mozilla Japan ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、85 以上の言語に対応した各国語版は 次世代ブラウザ Firefox – 各国語版のダウンロード よりダウンロード可能となっている。また、既存の Firefox 4 以降のユーザには自動アップデート経由で通知されるが、Firefox メニューの “Firefox について” より手動でアップデートすることも可能だ。
Firefox 35.0 の利用に必要なシステム要件については、Firefox 35 システム要件 を参照されたい。
- ダウンロード:
- 35.0, ESR 31.4.0
- リリースノート:
- 35.0, ESR 31.4.0
- セキュリティアドバイザリ:
- 35.0, ESR 31.4.0
- 修正されたバグ:
- 35.0, ESR 31.4.0 (英語)