Thunderbird 15 がリリースされた
Mozilla は米国時間 2012 年 8 月 28 日、安定性及びセキュリティ問題を修正を含む Thunderbird のメジャーアップデート版である Thunderbird 15 をリリースした。
Thunderbird 15 での新機能や改良点、セキュリティ修正、既知の問題は次のとおり。
新機能及び改良点
- 新機能
- チャット機能に対応: Thunderbird 内で直接、 IRC や Twitter などのリアルタイムコミュニケーションサービスを利用できるようになった
- 新機能
- Do Not Track: Thunderbird 内での Web 検索でトラッキングの拒否ができるようになった
- 新機能
- Filelink のオンラインストレージサービスとして、YouSentIt に加え Ubuntu One を選択できるようになった
- 新機能
- 新しいユーザインターフェイス: 新しいテーマデザイン (Australis) を採用し、タブやツールバーなどのインターフェイスを刷新
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 11 件、重要度区分において最高 5 件、高 4 件、中 2 件が修正されている。
- MFSA 2012-72
- Web コンソールで eval 関数がクローム特権コードを実行できてしまう
- MFSA 2012-70
- location オブジェクトのセキュリティチェックがクロームコードによって迂回される
- MFSA 2012-68
- DOMParser が text/html パース時にリンクされたリソースを拡張機能に読み込む
- MFSA 2012-65
- XSLT の数値フォーマット機能における境界外読み取り
- MFSA 2012-64
- Graphite 2 のメモリ破損
- MFSA 2012-63
- SVG のバッファオーバーフローと解放後使用の問題
- MFSA 2012-62
- WebGL の解放後使用とメモリ破損
- MFSA 2012-61
- 負の高さを持ったビットマップ形式の画像によるメモリ破損
- MFSA 2012-59
- Object.defineProperty を使った location オブジェクトのシャドーイング
- MFSA 2012-58
- Address Sanitizer を使って発見された解放後使用の問題
- MFSA 2012-57
- 様々なメモリ安全性の問題 (rv:15.0/ rv:10.0.7)
Thunderbird 15 で修正された全ての問題は Mozilla.org bugs fixes (英語) を参照されたい。
既知の問題
- 未解決
- 「横長表示」レイアウトで RSS フィードのコンテンツを表示できない場合、Lightning カレンダーアドオンをインストールしている場合は無効化するか、「クラシック表示」に切り換えてから Thunderbird を再起動する必要がある場合がある (Bug 531397)
その他、Thunderbird 15 についての一般的な情報は Thunderbird 15.0 リリースノート を参照いただきたい。
Thunderbird 15 は Windows, Mac, Linux 版が用意され、ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、50 以上の言語に対応した各国語版は 各国語版のダウンロード よりダウンロード可能となっている。既存の Thunderbird 5 以降のユーザには自動アップデート経由で通知されるが、ヘルプメニュー (Mac 版ではメニューの Thunderbird より) の “Thunderbird について” より手動でアップデートすることも可能だ。
Thunderbird 15 では Windows に関するシステム要件が変更されており、Windows 2000 および XP SP1 以前への対応が打ち切りとなった。詳細は Thunderbird 15 システム要件 を参照されたい。
- ダウンロード:
- Mozilla Japan
- リリースノート:
- Thunderbird 15.0 リリースノート
- セキュリティアドバイザリ:
- Thunderbird セキュリティアドバイザリ
- 修正されたバグ:
- bugs fixes (英語)