Firefox 14 がリリースされた
Mozilla は米国時間 2012 年 7 月17 日、安定性及びセキュリティ問題を修正を含む Firefox のメジャーアップデート版である Firefox 14.0.1 をリリースした。これは最初のリリースではあるが、Android 版 Firefox にあわせるため、バージョン番号は 14.0.1 となっている。
Firefox 14.0.1 での新機能や改良点、セキュリティ修正、既知の問題は次のとおり。
新機能及び改良点
- 新機能
- 検索バーなどから利用できる Google 検索を HTTPS を利用 し暗号化するようになった
- 新機能
- Mac OS X Lion の フルスクリーンに対応
- 新機能
- プラグインコンテンツをクリックしてから読み込めるようにする機能を追加した (about:config で設定値を変更する必要がある)
- 新機能
- ロケーションバーで、以前入力した URL を自動補完 するようになった
- 変更
- サイトアイコン (favicon) による SSL 暗号化接続状態の偽装を防止するため、ロケーションバーのサイト識別情報のデザインを改善 した
- 開発者
- ポインタロック API を実装
- 開発者
- ディスプレイをスリープさせないようにする API を実装
- 開発者
- テュルク諸語とギリシャ語の CSS text-transform と font-variant を改善
- 修正
- アニメーション GIF 画像のソースとサイズが変更されたときに、アニメーションが止まってしまうことがある問題を修正(Bug 743598)
- 修正
- Mac OS X で、マルチディスプレイ使用時に nsCocoaWindow::ConstrainPosition が間違ったディスプレイを使用する問題を修正 (Bug 752149)
- 修正
- 要素のクラス名が JavaScript によって設定されたときに生じる CSS :hover のリグレッションを修正 (Bug 758885)
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 14 件、重要度区分において最高 5 件、高 4 件、中 5 件が修正されている。
- MFSA 2012-56
- javascript URL を通じたコードの実行
- MFSA 2012-55
- innerURI 付き feed URL によってページのセキュリティコンテキストが継承される
- MFSA 2012-53
- Content Security Policy 1.0 の実装ミスによるデータ漏えい
- MFSA 2012-52
- JSDependentString::undepend の文字列変換によるメモリ破壊
- MFSA 2012-51
- 重複した X-Frame-Options ヘッダが無視される
- MFSA 2012-50
- QCMS における領域外読み取り
- MFSA 2012-49
- 同一コンパートメントのセキュリティラッパーが回避される
- MFSA 2012-48
- nsGlobalWindow::PageHidden における解放後使用の問題
- MFSA 2012-47
- HTML フィードビューにおける JavaScript のフィルタリング漏れ
- MFSA 2012-46
- data URL を通じた XSS
- MFSA 2012-45
- location プロパティの偽装問題
- MFSA 2012-44
- Gecko のメモリ破壊
- MFSA 2012-43
- ドラッグ&ドロップを通じて不正な URL がロケーションバーに表示される
- MFSA 2012-42
- 様々なメモリ安全性の問題 (rv:14.0/ rv:10.0.6)
Firefox 14.0.1 で修正された全ての問題は Mozilla.org bugs fixe (英語) を参照されたい。
既知の問題
- 未解決
- ロックされたプロファイルで Firefox を起動しようとするとクラッシュする (Bug 573369)
- 未解決
- 一部のユーザ環境において、Gmail メイン画面上のでのスクロールが通常より遅くなる (Bug 579260)
- 未解決
- 要素間をタブで繰り返し移動すると、フォーカスリング (フォーカスの当たった要素の周りに表示される点線) が太くなってしう (Bug 720987)
- 未解決
- Firefox の更新直後に Windows の「システムの復元」機能を使用すると、以後 Firefox を更新できなくなる場合がある (Bug 730285)
その他、Firefox 14.0.1 についての一般的な情報は Firefox 14.0.1 リリースノート を、開発者向けの情報は MDN を参照いただきたい。
Firefox 14.0.1 は Windows, Mac そして Linux 版が用意され、Mozilla Japan ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、本リリースからクメール語が追加され 85 以上の言語に対応した各国語版は 次世代ブラウザ Firefox – 各国語版のダウンロード よりダウンロード可能となっている。また、既存の Firefox 4 以降のユーザには自動アップデート経由で通知されるが、Firefox メニューの“Firefox について”より手動でアップデートすることも可能だ。
Firefox 14.0.1 では Windows に関するシステム要件が変更されており、Windows 2000 および XP SP1 以前への対応が打ち切りとなった。詳細は Firefox 14 システム要件 を参照されたい。
- ダウンロード:
- Mozilla Japan
- リリースノート:
- Firefox 14.0.1 リリースノート
- セキュリティアドバイザリ:
- Firefox セキュリティアドバイザリ
- Firefox 14.0.1 で修正されたバグ:
- Bug Fixes (英語)