SeaMonkey 2.10 がリリースされた
Mozilla Application Suite の開発をコミュニティベースで継続している The SeaMonkey® Project は、米国時間 2012 年 6 月 6 日、メジャーアップデートである SeaMonkey 2.10 をリリースした。
SeaMonkey 2.10 は Firefox 13 と同じレンダリングエンジン Gecko 13 を搭載しており、バックエンドも Firefox 13/Thunderbird 13 相当となっている。アプリケーションの内容としては、これまで通りブラウザ、メール & ニュースクライアント、Chatzilla、Web 開発ツールを搭載したオールインワンパッケージとなっている。
SeaMonkey 2.10 での新機能や改良点、セキュリティ修正、既知の問題は次のとおり。
改良点
- SeaMonkey
- ロケーションバーで、開いている Web サイトのドメイン名を強調表示するようになった
- SeaMonkey
- 復元するタブの数を設定可能になった
- SeaMonkey
- ニュースクライアントで、アカウントとパスワードのダイアログが統合され、どのサーバのものかが表示されるようになった
- 変更
- SPDY プロトコル を初期設定で有効にして、対応サイトでのブラウジングを高速化
- 開発者
column-fill
CSS プロパティの実装- 開発者
- ECMAScript 6 の
Map
/Set
オブジェクトの試験実装 - 開発者
- CSS3
background-position
プロパティの拡張構文に対応 - 開発者
:invalid
疑似クラスをform
要素にも適用- 開発者
- CSS3 で定義された 角度 の単位「turn」に対応
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 7 件、重要度区分において最高 4 件、高 2 件、中 1 件が修正されている。
- MFSA 2012-40
- Address Sanitizer を使って発見されたバッファオーバーフローと解放後使用の問題
- MFSA 2012-39
- NSS のゼロ長アイテムパースエラー
- MFSA 2012-38
- ドキュメント内のノード置換・挿入時に生じる解放後使用の問題
- MFSA 2012-37
- Windows ファイル共有とショートカットファイルを通じた情報漏えい
- MFSA 2012-36
- インラインスクリプトによる Content Security Policy の回避
- MFSA 2012-35
- Windows 版の Mozilla Updater と Mozilla Maintenance Service を通じた特権昇格
- MFSA 2012-34
- 様々なメモリ安全性の問題 (rv:13.0/ rv:10.0.5)
その他 SeaMonkey 2.10 での修正は New Features and Fixes を参照されたい。
SeaMonkey 2.10 は Windows, Mac, Linux 版が用意され、SeaMonkey Project ウェブサイト より日本語を含む 24 言語に対応した各言語版がダウンロード可能である。既存の SeaMonkey ユーザには自動アップデート経由で通知されるが、手動でアップデートすることも可能だ。
SeaMonkey 2.10 では Firefox13/Thunderbird 13 と同じく Windows に関するシステム要件が変更されており、Windows 2000 および XP SP1 以前への対応が打ち切りとなった。
- ダウンロード:
- SeaMonkey® Project
- リリースノート:
- SeaMonkey 2.10 Release Notes
- セキュリティアドバイザリ:
- SeaMonkey 2.10 で修正済み