SeaMonkey 2.9 がリリースされた
Mozilla Application Suite の開発をコミュニティベースで継続している The SeaMonkey® Project は、米国時間 2012 年 4 月 24 日、メジャーアップデートである SeaMonkey 2.9 をリリースした。
SeaMonkey 2.9 は Firefox 12 と同じレンダリングエンジン Gecko 12 を搭載しており、バックエンドも Firefox 12/Thunderbird 12 相当となっている。アプリケーションの内容としては、これまで通りブラウザ、メール & ニュースクライアント、Chatzilla、Web 開発ツールを搭載したオールインワンパッケージとなっている。
SeaMonkey 2.9 での新機能や改良点、セキュリティ修正、既知の問題は次のとおり。
新機能及び改良点
- SeaMonkey
- ブックマークの管理画面がリサイズ可能になった
- SeaMonkey
- 自動再生しない HTML5 ビデオコンテンツに大きな再生ボタンが表示されるようになった
- SeaMonkey
- アドオンの同期が Add-ons Sync Prefs add-on 無しで可能になった
- SeaMonkey
- ダウンロードマネージャ画面に貼り付けた URL を自動的にダウンロードするようになった
- SeaMonkey
- メール & ニュースクライアントだけでなく、アプリケーション全体でのプラグインの無効化が可能になった
- 新機能
- ページのソースに行番号を追加
- 変更
title
属性の値に含まれる改行文字が反映され、複数行のツールチップを表示できるようになった- 変更
- ページ内検索を行ったとき、強調表示部分が画面中央に来るようスクロール位置を調整
- 開発者
- CSS
column-fill
プロパティに対応 - 開発者
- CSS
text-align-last
プロパティに対応 - 開発者
- ECMAScript 6 の
Map
/Set
オブジェクトの試験実装 - 修正
- 安定性の向上
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 13 件、重要度区分において最高 6 件、高 4 件、中 3 件が修正されている。
- MFSA 2012-33
- RSS/Atom フィード読み込み時の潜在的なサイト識別情報偽装
- MFSA 2012-32
- JavaScript エラーによる HTTP リダイレクトとリモートコンテンツの読み取り
- MFSA 2012-31
- OpenType サニタイザのオフバイワンエラー
- MFSA 2012-30
- textImage2D を使った WebGL コンテンツによるクラッシュ
- MFSA 2012-29
- ISO-2022-KR/ISO-2022-CN のデコード問題を通じた潜在的な XSS
- MFSA 2012-28
- Origin ヘッダのあいまいな IPv6 による Web サーバのアクセス制限回避
- MFSA 2012-27
- ページ読み込みの短絡化による XSS
- MFSA 2012-26
- WebGL.drawElements の FindMaxUshortElement エラーによる動画メモリの不正な読み取り
- MFSA 2012-25
- cairo-dwrite を使ったフォント描画中に生じる潜在的なメモリ破壊
- MFSA 2012-24
- マルチバイトコンテンツ処理エラーを通じた潜在的な XSS
- MFSA 2012-23
- gfxImageSurface における不正な解放によるヒープ破壊
- MFSA 2012-22
- IDBKeyRange における解放後使用の問題
- MFSA 2012-20
- 様々なメモリ安全性の問題 (rv:12.0/ rv:10.0.4)
その他 SeaMonkey 2.9 での修正は New Features and Fixes を参照されたい。
SeaMonkey 2.9 は Windows, Mac, Linux 版が用意され、SeaMonkey Project ウェブサイト より日本語を含む 24 言語に対応した各言語版がダウンロード可能である。既存の SeaMonkey ユーザには自動アップデート経由で通知されるが、手動でアップデートすることも可能だ。Windows では Windows 95、98、Me、NT4 では動作しないほか、Mac OS X においては 10.4 (Tiger) のサポートが終了する他、 PowerPC 環境での Max OS X のサポートも終了する。
- ダウンロード:
- SeaMonkey® Project
- リリースノート:
- SeaMonkey 2.9 Release Notes
- セキュリティアドバイザリ:
- SeaMonkey 2.9 で修正済み