Firefox 12 がリリースされた
Mozilla は米国時間 2012 年 4 月 24 日、安定性及びセキュリティ問題を修正を含む Firefox のメジャーアップデート版である Firefox 12 をリリースした。
Firefox 12 での新機能や改良点、セキュリティ修正、既知の問題は次のとおり。
新機能及び改良点
- 新機能
- Windows で、更新時に毎回確認画面 (ユーザアカウント制御、UAC) が表示されなくなった
- 新機能
- ページのソースに行番号を追加
- 変更
title
属性の値に含まれる改行文字が反映され、複数行のツールチップを表示できるようになった- 変更
- ページ内検索を行ったとき、強調表示部分が画面中央に来るようスクロール位置を調整
- 変更
- ダウンロードマネージャ画面に貼り付けた URL を自動的にダウンロードするようになった
- 開発者
- CSS
text-align-last
プロパティに対応 - 開発者
- ECMAScript 6 の
Map
/Set
オブジェクトの試験実装 - 修正
- TinyMCE をベースとした一部のテキストエディタが読み込みに失敗する問題の修正 (Bug 739141)
- 修正
- 一部の Mac ハードウェア上で WebGL のパフォーマンスが低下する問題の修正 (Bug 713305)
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 14 件、重要度区分において最高 7 件、高 4 件、中 3 件が修正されている。
- MFSA 2012-33
- RSS/Atom フィード読み込み時の潜在的なサイト識別情報偽装
- MFSA 2012-32
- JavaScript エラーによる HTTP リダイレクトとリモートコンテンツの読み取り
- MFSA 2012-31
- OpenType サニタイザのオフバイワンエラー
- MFSA 2012-30
- textImage2D を使った WebGL コンテンツによるクラッシュ
- MFSA 2012-29
- ISO-2022-KR/ISO-2022-CN のデコード問題を通じた潜在的な XSS
- MFSA 2012-28
- Origin ヘッダのあいまいな IPv6 による Web サーバのアクセス制限回避
- MFSA 2012-27
- ページ読み込みの短絡化による XSS
- MFSA 2012-26
- WebGL.drawElements の FindMaxUshortElement エラーによる動画メモリの不正な読み取り
- MFSA 2012-25
- cairo-dwrite を使ったフォント描画中に生じる潜在的なメモリ破壊
- MFSA 2012-24
- マルチバイトコンテンツ処理エラーを通じた潜在的な XSS
- MFSA 2012-23
- gfxImageSurface における不正な解放によるヒープ破壊
- MFSA 2012-22
- IDBKeyRange における解放後使用の問題
- MFSA 2012-21
- FreeType v2.4.9 で修正された複数のセキュリティ問題
- MFSA 2012-20
- 様々なメモリ安全性の問題 (rv:12.0/ rv:10.0.4)
この他、Firefox 12 で修正された全ての問題は Mozilla.org bugs fixes (英語) を参照されたい。
既知の問題
- 未解決
- ロックされたプロファイルで Firefox を起動しようとするとクラッシュする (Bug 573369)
- 未解決
- 一部のユーザ環境において、Gmail メイン画面上のでのスクロールが通常より遅くなる (Bug 579260)
- 未解決
- 一部の Synaptics 社製タッチパッドで垂直スクロールができない (Bug 622410)
- 未解決
- Firefox の更新直後に Windows の「システムの復元」機能を使用すると、以後 Firefox を更新できなくなる場合がある (Bug 730285)
その他、Firefox 12 についての一般的な情報は Firefox 12.0 リリースノート を、開発者向けの情報は MDN を参照いただきたい。
Firefox 12 は Windows, Mac, Linux 版が用意され、Mozilla Japan ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、85 以上の言語に対応した各国語版は 次世代ブラウザ Firefox – 各国語版のダウンロード よりダウンロード可能となっている。また、既存の Firefox 4 以降のユーザには自動アップデート経由で通知されるが、Firefox メニューの“Firefox について”より手動でアップデートすることも可能だ。
Android 版に関しては Firefox 12 はリリースされない。これは、Firefox 13 に向けて抜本的な設計の見直しを行う開発を続けているためであり、既存の 10.0.x ユーザに対してはセキュリティアップデートとして 10.0.4 がリリースされている。
Firefox 12 のシステム要件は Mac OS X に関してはFirefox 3.6 から変更されており、10.4 (Tiger) のサポート及び PowerPC 環境での Mac OS X のサポートは終了している。詳細は Firefox 12 システム要件 を参照されたい。また、に公開となる Firefox 13 では Windows 2000 および XP SP1 以前への対応が打ち切りとなる予定である。
なお、Firefox 3.6 系列は 2012 年 4 月 23 日をもってサポートを終了した。Firefox 3.6.28 が最終版であり、これ以降セキュリティアップデートの提供は行われない。Firefox 3.6 系を使用中のユーザはできる限り早い時期に最新バージョンである Firefox 12 あるいは 延長サポート版 への移行をお勧めする。
- ダウンロード:
- Mozilla Japan
- リリースノート:
- Firefox 12.0 リリースノート
- セキュリティアドバイザリ:
- Firefox 12 で修正済み
- Firefox 12 で修正されたバグ:
- bugs fixes (英語)