Thunderbird 11 がリリースされた
Mozilla は米国時間 2012 年 3 月 13 日、安定性及びセキュリティ問題を修正を含む Thunderbird のメジャーアップデート版である Thunderbird 11 をリリースした。
Thunderbird 11 での新機能や改良点、セキュリティ修正、既知の問題は次のとおり。
新機能及び改良点
- 新機能
- ユーザインタフェースの刷新:タブをメインメニューバーの上に配置し、ナビゲーションを円滑化かつ利用シーンに合わせた最適化
- 修正
- Growl 1.3 以降で Thunderbird の通知が表示されない場合がある問題の修正 (Bug 691662)
- 修正
- その他、様々なバックエンドの修正
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 8 件、重要度区分において最高 5 件、中3 件が修正されている。
- MFSA 2012-19
- 様々なメモリ安全性の問題 (rv:11.0/ rv:10.0.3 / rv:1.9.2.28)
- MFSA 2012-18
- window.fullScreen が信頼できないコンテンツから書き込み可能となっている問題
- MFSA 2012-17
- キーフレームの cssText を動的な変更後に参照することで生じるクラッシュ
- MFSA 2012-16
- JavaScript URL をホームページとして設定することによる特権昇格
- MFSA 2012-15
- 複数の Content Security Policy ヘッダを使った XSS
- MFSA 2012-14
- Address Sanitizer によって発見された SVG の問題
- MFSA 2012-13
- ドラッグ&ドロップと JavaScript URL による XSS
- MFSA 2012-12
- shlwapi.dll の解放後使用
この他、Thunderbird 11 で修正された全ての問題は Mozilla.org bugs fixes (英語) を参照されたい。
既知の問題
- 未解決
- TLS 1.0 と SSL 3.0 に対する CBC 関連の攻撃を防ぐための Thunderbird 側での対策に伴い、それと互換性のない一部のメールサーバや LDAP サーバに接続できなくなる可能性がある
- 未解決
- 「横長表示」レイアウトで RSS フィードのコンテンツを表示できない場合、Lightning カレンダーアドオンをインストールしている場合は無効化するか、「クラシック表示」に切り換えてから Thunderbird を再起動する必要がある場合がある (Bug 531397)
その他、Thunderbird 11 についての一般的な情報は Thunderbird 11.0 リリースノート を参照いただきたい。
Thunderbird 11 は Windows, Mac, Linux 版が用意され、ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、50 以上の言語に対応した各国語版は 各国語版のダウンロード よりダウンロード可能となっている。既存の Thunderbird 5 以降のユーザには自動アップデート経由で通知されるが、ヘルプメニューの“Thunderbird について”より手動でアップデートすることも可能だ。なお、Thunderbird 11 のシステム要件は Mac OS X に関してはThunderbird 5 から変更されており、10.4 (Tiger) のサポート及び PowerPC 環境での Mac OS X のサポートは終了している。詳細は Thunderbird 11 システム要件 を参照されたい。
- ダウンロード:
- Mozilla Japan
- リリースノート:
- Thunderbird 11.0 リリースノート
- セキュリティアドバイザリ:
- Thunderbird 11 で修正済み
- Thunderbird 11 で修正されたバグ:
- bugs fixes (英語)