Firefox 5 がリリースされた
Mozilla は米国時間 2011 年 6 月 21 日、Firefox のメジャーアップデート版である Firefox 5 をリリースした。
Firefox 5 は 高速サイクルリリースへの移行 に基づく最初のリリース版であり、ベースエンジンには Gecko 5 を搭載している。これまでのメジャーアップデートとは異なり大幅な機能変更は見られないが、1,000 以上の改良とパフォーマンス向上が行われた。さらに、アドオンや Web アプリケーション、Web サイトを開発者が作成しやすくなるよう、最新の Web 技術への対応が拡大され、アドオンを容易に作成することを可能とする 一連の豊富なリソースも用意されている (Firefox Add-on SDK, Firefox Add-on Builder (Beta) )。また、Android 版において Do Not Track 機能に対応したことで、Firefox は複数のプラットフォームで Do Not Track に対応する初めてのブラウザとなった。
注目すべき新機能、改良点としては以下が挙げられる。
- CSS アニメーション への対応
- Do Not Track ヘッダ送信の設定を判別しやすい場所へ移動
- Canvas、JavaScript、メモリ、ネットワーキングのパフォーマンスを強化
- HTML5、XHR、MathML、SMIL、Canvas 等、Web 標準への対応を強化
- 一部の言語でのスペルチェックの精度を強化
- Linux デスクトップ環境との統合を強化
- WebGL コンテンツによる クロスドメインテクスチャの読み込みの禁止
- バックグラウンドのタブでの setTimeout と setInterval のタイマー間隔の 1000 ms への固定
- 安定性に関する問題の修正
- Do Not Track 機能の実装 (Android 版、デスクトップ版はバージョン 4 で実装済)
また、以下に示す重要度区分において最高 5 件、中 2 件、低 1 件の計 8 件のセキュリティ問題が修正されている。
- MFSA 2011-28 ホワイトリストに含まれないサイトによる XPInstall の呼び出し
- MFSA 2011-27 インライン SVG による XSS エンコーディング問題
- MFSA 2011-26 WebGL における複数のクラッシュ
- MFSA 2011-25 WebGL テクスチャを用いたクロスドメイン画像漏えい
- MFSA 2011-22 Array.reduceRight() における整数オーバーフローと任意のコード実行
- MFSA 2011-21 multipart/x-mixed-replace 画像によるメモリ破損
- MFSA 2011-20 スクリプト無効時に XUL ドキュメントを表示したときの解放後使用の脆弱性
- MFSA 2011-19 様々なメモリ安全性の問題 (rv:3.0/1.9.2.18)
そのほか、すべての修正は Bug Fixes (英語)を、開発者向けの情報は MDN を、全般的な情報については Firefox 5 リリースノート や Mozilla Japan ブログ を参照されたい。
Firefox 5 は Windows, Mac, Linux 版および Android 版が用意され、Mozilla Japan ウェブサイトおよび Android Market よりダウンロード可能となっている。また、80 以上の言語に対応した各国語版は 次世代ブラウザ Firefox – 各国語版のダウンロード よりダウンロードできる。また、既存の Firefox 4.0 ユーザには自動アップデート経由で通知されるが、ヘルプメニューの“Firefox について”より手動で確認することも可能だ。Firefox 3.6 および 3.5 ユーザは、それぞれの最新のセキュリティアップデートである 3.6.18 および 3.5.19 に更新した後に続けて Firefox 5 へのアップデートが可能である。Android 版ユーザにはアップデートを促す通知が表示される。なお、Firefox 5 のシステム要件は Firefox 3.6 以降と同じく Mac OS X に関しては 10.4 (Tiger) のサポートが終了する他、 PowerPC 環境での Max OS X のサポートも終了する。詳細は Firefox 5 システム要件 を参照されたい。