Firefox 3.5 がリリースされた
Mozilla は米国太平洋夏時間 6 月 30 日午前 8 時 (日本時間 7 月 1 日午前 0 時)、1 年ぶりのメジャーアップデートとなる Firefox 3.5 をリリースした。
Firefox 3.5 リリースノート によると、Firefox 3.5 では新しい Web 標準技術への対応、パフォーマンスや使い勝手の向上、エンドユーザ向け新機能の追加といった多くの変更が行なわれている。一方で、ユーザインターフェイスは Firefox 3 から大きな変化は見られない。
また、Firefox 3.5 から新しいアイコンが採用された。これまでのアイコンは 2004 年の Firefox 1.0 リリースのときに採用されたものであり、これまで変更がなかった。今回の変更では、全体的なデザインはそのままに、細部に修正が施されている。新アイコンのデザインの決定までの流れはえむもじらの Firefox 新アイコン案 が詳しい。
注目すべき新機能、改良点としては
- Gecko 1.9.1 の採用によるレンダリング性能の改善
- プライベートブラウジングモード の搭載などによる個人情報管理の強化
- JavaScript 1.8.1 への対応および新しい Just-in-time コンパイラである TraceMonkey の採用によるパフォーマンスと安定性の向上
- Web 標準技術を利用した 位置情報通知機能 の追加
- ネイティブ JSON、Web ワーカースレッド への対応
- コンテンツの表示を高速化する「投機的解釈」など、Gecko レンダリングエンジンの改良
- HTML5 の新しい要素、CSS 3 を先取りする新しい CSS プロパティ、JavaScript クエリセレクタ、HTML5 オフラインデータストレージ、SVG 変形処理といった最新の Web 標準技術への対応
が挙げられる。TraceMonkey は JavaScript の Just-in-time コンパイラであり、JavaScript の実行が大幅に高速化する。これにより、Ajax など JavaScript を多用するコンテンツでのパフォーマンスの向上が期待できる。また、HTML5 の <audio>, <video> 要素に対応し、ネイティブで Ogg 形式と WAV 形式のコンテンツが再生可能である。CSS プロパティでは、ダウンロードフォント への対応が注目される。これは、クライアント側が持っていないフォントを Web 上から自動的にダウンロードして表示するものであり、OpenType および TrueType 形式のフォントが利用可能である。また、CSS メディアクエリーや text-shadow プロパティなどにも対応しており、これらによって Web コンテンツにおける表現の自由度が大きく向上する。、Web 開発者向けの新機能については MDC の Firefox 3.5 for developers を参照されたい。
なお、Firefox 3 においてカラーマネージメントに対応し、ICC Version 2 および Version 4 のプロファイルが利用可能であった。しかし、Firefox 3.5 ではセキュリティ上の理由からコンポーネントが lcms から qcms へ全面的に書き換えられた。qcms はより軽量であるが、YCbCr や CMYK 色空間のプロファイルはサポートしていないため、現状では ICC Version 4 のプロファイルを含むコンテンツは正常に表示されない。
Firefox 3.5 は、Windows, Mac そして Linux 版が用意され、Mozilla ウェブサイト よりダウンロード可能となっている。また、75 言語に対応した各国語版は 各国語版と各 OS 対応版 よりダウンロードできる。
また、既存の Firefox 3.0.11 ユーザに対しても、リリースと同時にアップデートが提供されている。ヘルプメニューの “ソフトウェアの更新を確認” からの手動アップデートが可能となっている。
また Firefox 3.5 の システム要件 は Firefox 3 と同じである。
Firefox 3 のリリース後、Internet Explorer 8、Safari 4 のリリース、Google Chrome の登場、Opera 10 のリリースも控えているなど、Web ブラウザの世界の動きは激しさを増している。Firefox 3.5 がこれらライバルと切磋琢磨しつつ、新たな Web の世界を開拓していくことを期待したい。
- ダウンロード :
- Mozilla Japan
- リリースノート :
- Firefox 3.5 リリースノート
Shiretoko Shock
Firefox 3.5 のリリースにあわせ、“Shiretoko Shock” と銘打った世界的なリリースキャンペーンが実施される。
これはインドのコミュニティメンバーの発案によるもので、Firefox 3.5 のリリースの告知を Twitter や Facebook などのソーシャルメディアやブログで同時刻に一斉に行おうというものである。
Regional Shock
第一弾は、各国の現地時刻の午後 3 時 50 分 での一斉書き込みである。ブラジルの現地時刻午後 3 時 50 分 (日本時間 7 月 1 日午前 3 時 50 分) からスタートし、ニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコ……と、1 時間ごとにアナウンスの波が続く。日本では 7 月 1 日午後 3 時 50 分となる。
Super Shock
第二弾は、全世界での一斉アナウンスである。最初の Regional Shock から 24 時間後の日本時間 7 月 2 日午前 3 時 50 分に、世界一周のゴールを祝っての一斉書き込みとなる。
このように、時差を利用した世界一周企画となっている。
なお、Twitter でつぶやく際には、ハッシュタグ #fx35 を入れることをお忘れなく。
短縮 URL http://bit.ly/ShiretokoShock (接続先は Shiretoko Shock キャンペーンページ) には、Twitter および Facebook 用の定型コメントの投稿用リンクが設置されている。また、Super Shock は日本では早朝であり、「そんな時間まで起きていられない」「そんな時間には起きられない」という人は Twitter の投稿予約サイトである Twuffer を利用するといいだろう。
「Discover Shiretoko」「Firefox 3.5 の灯」とあわせ、Firefox 3.5 のリリースを大いに盛り上げていきたい。
Shiretoko Shock
http://www.spreadfirefox.com/shiretokoshock-campaign