Firefox 11 がリリースされた
Mozilla は米国時間 2012 年 3 月 13 日、安定性及びセキュリティ問題を修正を含む Firefox のメジャーアップデート版である Firefox 11 をリリースした。
Firefox 11 での新機能や改良点、セキュリティ修正、既知の問題は次のとおり。
新機能及び改良点
- 新機能
- Google Chrome から、ブックマーク、履歴、Cookie をインポートできるようになった
- 新機能
- Firefox Sync でアドオンを同期できるようになった
- 新機能
- CSS3 の
text-size-adjust
プロパティ に対応 - 変更
- HTML5 動画のメディアコントローラの再設計
- HTML5
- HTML 要素の
outerHTML
プロパティ に対応 - HTML5
- ソース表示の構文強調表示に HTML5 パーサを採用 (Bug 482921)
- 開発者
- CSS を編集できる スタイルエディタ を搭載
- 開発者
- ページインスペクタの 3D ビュー による、Web ページの構造の立体的な視覚化
- 開発者
- ページの読み込みを高速化する SPDY プロトコルに対応 (デフォルトでは無効、開発者によるテスト向け、Bug 528288)
- 開発者
- XMLHttpRequest の HTML パース に対応
- 開発者
- IndexedDB にファイルを保存できるようになった (Bug 661877)
- 開発者
- WebSocket のベンダー接頭辞を外した
- 修正
- Growl 1.3 以降で Firefox の通知が表示されない場合がある問題の修正 (Bug 691662)
- 修正
- いくつかの安定性に関わる問題を修正
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 8 件、重要度区分において最高 5 件、中 3 件が修正されている。
- MFSA 2012-19
- 様々なメモリ安全性の問題 (rv:11.0/ rv:10.0.3 / rv:1.9.2.28)
- MFSA 2012-18
- window.fullScreen が信頼できないコンテンツから書き込み可能となっている問題
- MFSA 2012-17
- キーフレームの cssText を動的な変更後に参照することで生じるクラッシュ
- MFSA 2012-16
- JavaScript URL をホームページとして設定することによる特権昇格
- MFSA 2012-15
- 複数の Content Security Policy ヘッダを使った XSS
- MFSA 2012-14
- Address Sanitizer によって発見された SVG の問題
- MFSA 2012-13
- ドラッグ&ドロップと JavaScript URL による XSS
- MFSA 2012-12
- shlwapi.dll の解放後使用
この他、Firefox 11 で修正された全ての問題は Mozilla.org bugs fixes (英語) を参照されたい。
既知の問題
- 未解決
- ロックされたプロファイルで Firefox を起動しようとするとクラッシュする (Bug 573369)
- 一部の Synaptics 社製タッチパッドで垂直スクロールができない (Bug 622410)
- 未解決
- Firefox の更新直後に Windows の「システムの復元」機能を使用すると、以後 Firefox を更新できなくなる場合がある (Bug 730285)
- 未解決
- 一部のユーザ環境において、Gmail メイン画面上のでのスクロールが通常より遅くなる (Bug 579260)一部の Mac ハードウェア上で WebGL のパフォーマンスが低下する場合がある (Bug 713305)
その他、Firefox 11 についての一般的な情報は Firefox 11.0 リリースノート を、開発者向けの情報は MDN を参照いただきたい。
Firefox 11 は Windows, Mac, Linux 版が用意され、Mozilla Japan ウェブサイトおよび Android Market よりダウンロード可能となっている。また、80 以上の言語に対応した各国語版は 次世代ブラウザ Firefox – 各国語版のダウンロード よりダウンロード可能となっている。また、既存の Firefox 4 以降のユーザには自動アップデート経由で通知されるが、Firefox メニューの“Firefox について”より手動でアップデートすることも可能だ。
Android 版に関しては Firefox 11 はリリースされない。これは、Firefox 13 に向けて抜本的な設計の見直しを行う開発を続けているためであり、既存の 10.0.x ユーザに対してはセキュリティアップデートとして 10.0.3 がリリースされている。
なお、Firefox 11 のシステム要件は Mac OS X に関してはFirefox 3.6 から変更されており、10.4 (Tiger) のサポート及び PowerPC 環境での Mac OS X のサポートは終了している。詳細は Firefox 11 システム要件 を参照されたい。
- ダウンロード:
- Mozilla Japan
- リリースノート:
- Firefox 11.0 リリースノート
- セキュリティアドバイザリ:
- Firefox 11 で修正済み
- Firefox 11 で修正されたバグ:
- bugs fixes (英語)