SeaMonkey 2.8 がリリースされた
Mozilla Application Suite の開発をコミュニティベースで継続している The SeaMonkey® Project は、米国時間 2012 年 3 月 13 日、メジャーアップデートである SeaMonkey 2.8 をリリースした。
SeaMonkey 2.8 は Firefox 11 と同じレンダリングエンジン Gecko 11 を搭載しており、バックエンドも Firefox 11/Thunderbird 11 相当となっている。アプリケーションの内容としては、これまで通りブラウザ、メール & ニュースクライアント、Chatzilla、Web 開発ツールを搭載したオールインワンパッケージとなっている。
SeaMonkey 2.8 での新機能や改良点、セキュリティ修正、既知の問題は次のとおり。
新機能及び改良点
- SeaMonkey
- SeaMonkey 2.0 以前の古いプロファイルからの移行機能のサポート終了 (bug 689437)
- 新機能
- アドオンを同期できるようになった (設定から有効にするためには Add-ons Sync Prefs add-on をインストールする必要がある)
- 新機能
- CSS3 の
text-size-adjust
プロパティ に対応 - HTML5
- HTML 要素の
outerHTML
プロパティ に対応 - HTML5
- ソース表示の構文強調表示に HTML5 パーサを採用 (Bug 482921)
- 開発者
- IndexedDB にファイルを保存できるようになった (Bug 661877)
- 開発者
- ページの読み込みを高速化する SPDY プロトコルに対応 (デフォルトでは無効、開発者によるテスト向け、Bug 528288)
- 開発者
- XMLHttpRequest の HTML パース に対応
- 開発者
- WebSocket のベンダー接頭辞を外した
- 変更
- HTML5 動画のメディアコントローラの再設計
- 修正
- いくつかの安定性に関わる問題を修正
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 8 件、重要度区分において最高 5 件、中3 件が修正されている。
- MFSA 2012-19
- 様々なメモリ安全性の問題 (rv:11.0/ rv:10.0.3 / rv:1.9.2.28)
- MFSA 2012-18
- window.fullScreen が信頼できないコンテンツから書き込み可能となっている問題
- MFSA 2012-17
- キーフレームの cssText を動的な変更後に参照することで生じるクラッシュ
- MFSA 2012-16
- JavaScript URL をホームページとして設定することによる特権昇格
- MFSA 2012-15
- 複数の Content Security Policy ヘッダを使った XSS
- MFSA 2012-14
- Address Sanitizer によって発見された SVG の問題
- MFSA 2012-13
- ドラッグ&ドロップと JavaScript URL による XSS
- MFSA 2012-12
- shlwapi.dll の解放後使用
その他 SeaMonkey 2.8 での修正は New Features and Fixes を参照されたい。
SeaMonkey 2.8 は Windows, Mac, Linux 版が用意され、SeaMonkey Project ウェブサイト より日本語を含む 24 言語に対応した各言語版がダウンロード可能である。既存の SeaMonkey ユーザには自動アップデート経由で通知されるが、手動でアップデートすることも可能だ。SeaMonkey 2.7 と同じく、Windows では Windows 95、98、Me、NT4 では動作しないほか、Mac OS X においては 10.4 (Tiger) のサポートが終了する他、 PowerPC 環境での Max OS X のサポートも終了する。
- ダウンロード:
- SeaMonkey® Project
- リリースノート:
- SeaMonkey 2.8 Release Notes