Firefox 143 がリリースされた
Mozilla は米国時間 2025 年 9 月 16 日、安定性及びセキュリティ問題の修正を含む Firefox のメジャーアップデート版である Firefox 143.0 をリリースした。延長サポート版である Firefox ESR もバージョン 140.3.0 および 115.28.0 がリリースされている。
Firefox 143.0 での新機能や改良点、セキュリティ修正、既知の問題は次のとおり。
新機能及び改良点
- 新機能
- Windows: ウェブサイトをタスクバーへ直接ピン留めしてウェブアプリとして開くことができるようになった。簡略化されたウインドウで開かれるが、アドオンは通常通り動作する。現時点では Microsoft ストアからインストールした Firefox では機能しない
- 新機能
- タブをサイドバー最上部へドラッグすることでピン留めすることで重要なタブに簡単にアクセスできるようになった

- 新機能
- Microsoft Copilot を サイドバーで利用するチャットボット として選択できるようになった
- 新機能
- カメラへのアクセスを要求されたとき、許可ダイアログ内でプレビューを確認できるようになった。複数のカメラから適切なカメラを選択できる

- 新機能
- アドレスバーに重要な日付、予定を表示できるようになった。現時点ではアメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリアの記念日 (母の日など) を表示できる
- 新機能
- フィンガープリント採取防止機能が強化され、より多くの属性 について固定値を返すようになった
- 新機能
- プライベートブラウジングモードでのファイルのダウンロード時に、セッション終了時にダウンロードしたファイルを削除するかどうかを確認するようになった。設定からこの機能を変更できる (設定 → 一般 → ファイルとプログラム → プライベートブラウジングモードでダウンロードしたファイルをプライベートウィンドウをすべて閉じた時に削除する)


- 新機能
- (段階的な展開) Windows: 音声アクセス、テキストカーソルインジケーター、ナレーターなどのアクセシビリティツールである Windows UI オートメーションをサポート
- Enterprise
- エンタープライズ用途向けの詳細は Firefox for Enterprise 143 リリースノート を参照されたい
- Developer
類似メッセージをグループ化のチェックを外すことで、メッセージのグループ化を解除しすべてのメッセージを出力できるようになった- Developer
- デバッガー上でソースを整形したときに新しいタブが開かれないようになった
- Web Platform
- xHE-AAC オーディオ再生をサポート (Windows 11 22H2 以降、macOS、Android 9 以降)
- Web Platform
- グリッドサイズの計算アルゴリズムを CSS グリッド仕様により適合したものに更新
- Web Platform
<input type=color>において CSS<color>フォーマットだけでなく 16 進フォーマット (#ffffff) も認識されるようになった。blackのような色名だけでなくより複雑なrgb(200 200 200)のような入力も受け付ける。これらの入力はすべて 16 進フォーマットへ変換される- Web Platform
<details>要素上のdisplayプロパティの指定を妨げていた制限を除去。また、::details-content擬似要素を展開、折り畳み可能なコンテンツに追加
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 11 件、重要度区分において 高 3 件、中 5 件、低 3 件が修正されている。
- CVE-2025-10527
- Sandbox escape due to use-after-free in the Graphics: Canvas2D component
- CVE-2025-10528
- Sandbox escape due to undefined behavior, invalid pointer in the Graphics: Canvas2D component
- CVE-2025-10529
- Same-origin policy bypass in the Layout component
- CVE-2025-10530
- Spoofing issue in the WebAuthn component in Firefox for Android
- CVE-2025-10531
- Mitigation bypass in the Web Compatibility: Tooling component
- CVE-2025-10532
- Incorrect boundary conditions in the JavaScript: GC component
- CVE-2025-10533
- Integer overflow in the SVG component
- CVE-2025-10534
- Spoofing issue in the Site Permissions component
- CVE-2025-10535
- Information disclosure, mitigation bypass in the Privacy component in Firefox for Android
- CVE-2025-10536
- Information disclosure in the Networking: Cache component
- CVE-2025-10537
- Memory safety bugs fixed in Firefox ESR 140.3, Thunderbird ESR 140.3, Firefox 143 and Thunderbird 143
Firefox 143.0 についての一般的な情報は リリースノート を、開発者向けの情報は MDN および Mozilla Developer YouTube チャネル を参照されたい。
アップデート及びシステム要件
Firefox 143.0 は Windows, Mac そして Linux 版が用意され、firefox.com ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また各国語版は 日本語ほか 90 か国語以上に対応した Firefox をダウンロード — Firefox よりダウンロードできる。また、既存の Firefox 4 以降のユーザには自動アップデート経由で通知されるが、Firefox メニューの “Firefox について” より手動でアップデートすることも可能だ。
Firefox 143.0 の利用に必要なシステム要件については、Firefox 143 システム要件 を参照されたい。
- ダウンロード:
- 143.0, ESR 140.3.0, 115.28.0
- リリースノート:
- 143.0, ESR 140.3.0, ESR 115.28.0
- セキュリティアドバイザリ:
- MFSA 2025-73 (143.0), MFSA 2025-75 (ESR 140.3.0), MFSA 2025-74 (ESR 115.28.0)


