Thunderbird 142 がリリースされた
MZLA Technologies は米国時間 2025 年 8 月 19 日、新機能の追加、安定性及びセキュリティ問題の修正を含む Thunderbird のメジャーアップデート版である Thunderbird 142.0 をリリースした。延長サポート版である バージョン 140.2.0esr および 128.14.0esr もリリースされている。
Thunderbird 142.0 での新機能や改良点は次のとおり。
新機能及び改良点
- 新機能
- Thunderbird で開いた PDF 形式の添付ファイルに可視署名を追加できるようになった
- 新機能
- ヘッダーペインの「その他の操作」に「メッセージリンクをコピー」「ニュースリンクをコピー」を追加’
- 新機能
- メールサーバー上のアカウントとローカルフォルダーの間でフォルダーのコピーが可能となった
- 新機能
- フォルダーペインに「フォルダーの並び順をリセット」オプションを追加
- 変更
- メッセージのコンテキストメニューから「メッセージの場所をコピー」を除去
- 修正
- タブで添付ファイルを開いていると再起動時にエラーが表示される問題を修正
- 修正
- 通知音がシステムの集中モードの設定を無視する問題を修正
- 修正
- 英語以外のロケールの Thunderbird の初回起動時に英語版の特別なフォルダーが作成される問題を修正
- 修正
- OAuth 設定の不足により Fastmail カレンダーを使用できない問題を修正
- 修正
- 既定のアカウントを指定していないと、統合フォルダーあるいはローカルフォルダーからのメッセージ送信に失敗する問題を修正
- 修正
- 「List-ID」→「購読を解除」によって二重にエンコードされた件名の下書きが作成される問題を修正
- 修正
- Linux: マウスのポインターが画面の角にあると閉じるボタンがアクティブにならない問題を修正
- 修正
- ダークメッセージモードのトグルを切り替えるとフォーカス、スクロールの位置が保持されない問題を修正
- 修正
- メッセージを開いた後でメッセージタブに戻ると、メッセージリストのスクロール位置が戻ってしまう問題を修正
- 修正
- Ctrl+A を使用した後、「グループ化」にしたフォルダー内のメッセージの削除に失敗する問題を修正
- 修正
- 新しいニュースグループがアルファベット順に追加されない問題を修正
- 修正
- バージョン 142 への更新後、すべてのニュースグループがアルファベット順に並び替えられる問題を修正
- 修正
- Thunderbird を終了していると、署名したメッセージを送信するための ‘mailto:’ リンクが機能しない問題を修正
- 修正
mailnews.reply_quoting_selection.multi_wordが false に設定されていると返信に失敗することがある問題を修正- 修正
- 「オプション」→「送信メッセージをコピー」による保存を複数回行うと複数のコピーが作成される問題を修正
- 修正
- CardDAV サーバー上の連絡先の写真が WebP 形式だと表示されない問題を修正
- 修正
- Microsoft ストアからインストールした場合、’mailto:’ リンクをクリックしても開かれない問題を修正
- 修正
- クイックフィルター内のバックスペースアイコンをクリックすると入力が消去される問題を修正
- 修正
- 初回起動に長時間かかり、メッセージダウンロード中に UI が応答しなくなる問題を修正
- 修正
- 「マーク」→「すべてを既読にする」がまだ取得していないニュースグループのメッセージにも反映される問題を修正
- 修正
- ネットワーク接続が一度失われると、再起動するまでニュースグループに再接続されない問題を修正
- 修正
- ニュースグループへの送信が実際には失敗していても成功したように表示される問題を修正
- 修正
- アーカイブ化された RSS フィードのメッセージが、既定の送信者のアーカイブフォルダーに送信される問題を修正
- 修正
- RSS フィードのウェブサイトのヘッダーリンクを開くと、URL パラメーターが誤って再エンコードされる問題を修正
- 修正
- 外観およびユーザーエクスペリエンスの改善
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 7 件、重要度区分において 高 5 件、中 1 件、低 1 件が修正されている。
- CVE-2025-9179
- Sandbox escape due to invalid pointer in the Audio/Video: GMP component
- CVE-2025-9180
- Same-origin policy bypass in the Graphics: Canvas2D component
- CVE-2025-9181
- Uninitialized memory in the JavaScript Engine component
- CVE-2025-9182
- Denial-of-service due to out-of-memory in the Graphics: WebRender component
- CVE-2025-9187
- Memory safety bugs fixed in Firefox 142 and Thunderbird 142
- CVE-2025-9184
- Memory safety bugs fixed in Firefox ESR 140.2, Thunderbird ESR 140.2, Firefox 142 and Thunderbird 142
- CVE-2025-9185
- Memory safety bugs fixed in Firefox ESR 115.27, Firefox ESR 128.14, Thunderbird ESR 128.14, Firefox ESR 140.2, Thunderbird ESR 140.2, Firefox 142 and Thunderbird 142
Thunderbird 142.0 についての一般的な情報は Thunderbird 142.0 リリースノート を参照いただきたい。
アップデート及びシステム要件
Thunderbird 142.0 は Windows, Mac, Linux 版が用意され、thunderbird.net ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、50 以上の言語に対応した各国語版は 各国語版のダウンロード よりダウンロードできる。
Thunderbird 142.0 の利用に必要なシステム要件については、Thunderbird 142.0 システム要件 を参照されたい。
- ダウンロード:
- MZLA Technologies
- リリースノート:
- 142.0, 140.2.0esr, 128.14.0esr
- セキュリティアドバイザリ:
- MFSA 2025-70 (142.0), MFSA 2025-72 (140.2.0esr), MFSA 2025-71 (128.14.0esr)


