Firefox 142 がリリースされた
Mozilla は米国時間 2025 年 8 月 19 日、安定性及びセキュリティ問題の修正を含む Firefox のメジャーアップデート版である Firefox 142.0 をリリースした。延長サポート版である Firefox ESR もバージョン 140.2.0、128.14.0 および 115.27.0 がリリースされている。
Firefox 142.0 での新機能や改良点、セキュリティ修正、既知の問題は次のとおり。
新機能及び改良点
- 新機能
- (段階的な展開) アメリカのユーザー向けに、新しいタブ内のおすすめ記事がスポーツ、食事、エンターテインメントなどトピックごとにグループ化されるようになった。興味のあるグループをフォローする、閲覧したくないグループをブロックすることも可能となり、新しいタブのコンテンツをコントロールできるようになる

- 新機能
- (段階的な展開) リンクプレビューにより、リンクをクリックする前に内容を確認できるようになった。リンクを長押し (あるいは右クリックから「リンク先をプレビュー」を選択) することでプレビューを確認できる。オプションとして、プレビューに AI で生成したキーワードを含めることもできる (AI はデバイス上で稼働するためプライバシーも保護される)。
パフォーマンス、品質向上のためリンクプレビューは段階的に展開される。現時点ではen-US,en-CA,en-GB,en-AUロケールで 3 GB 以上のメモリーが利用可能なユーザーが利用可能である - 新機能
- Windows: 終了時あるいは再起動時に継続的に表示される通知をクリックすることで、関連するウェブページを適切に開けるようになった。これまではウェブサイトのメインページが開かれていた
- 新機能
- 強化型トラッキング防止機能の厳格モードにおいて、ウェブサイトの表示に問題が生じたときにトラッキングコンテンツを例外的に許可できるようになった
- 新機能
- 折り畳まれたタブグループ内のアクティブなタブ
タブグループ内の 1 つのタブにフォーカスできるようになった。アクティブなタブを表示したままとし、グループが折りたたまれても表示が維持される - 新機能
- サイドバーからアドオンアイコンを除去できるようになった。アイコンを右クリックして
サイドバーから削除を選択することで削除できる - 修正
- ブックマークダイアログ内でのスクロール速度を改善。コンポーネントエリア外に出ないようになった
- 修正
- blob 画像のドラッグ & ドロップのサポートを改善
- 変更
- アドレスバーから履歴を検索したときの結果表示を改善。重複している可能性のある検索結果の表示が少なくなる
- 変更
- ネットモニターの改善。リクエストが終了する前でもネットワークパネルにリクエストヘッダー、Cookie、パラメーターが表示されるようになった
- Enterprise
- エンタープライズ用途向けの詳細は Firefox for Enterprise 142 リリースノート を参照されたい
- Developer
- アドオン向けに wllama API をサポート。ローカルの大規模言語モデル (LLM) をアドオンに直接統合できるようになった
- Developer
- デバッガーに新しい設定を追加。スクリプトの実行を中断しているときにオーバーレイを表示するか制御できるようになる

- Developer
- Prioritized Task Scheduling API をサポート。タスクの優先度を管理できる
- Developer
- Selection.getComposedRanges() API を利用可能となった。DOM 境界の影であっても選択されたテキストエリアを正確に取得できる
- Developer
- URLPattern API をサポート。標準化されたパターン構文によって URL の一致、パースが可能となる
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 9 件、重要度区分において 高 5 件、中 1 件、低 3 件が修正されている。
- CVE-2025-9179
- Sandbox escape due to invalid pointer in the Audio/Video: GMP component
- CVE-2025-9180
- Same-origin policy bypass in the Graphics: Canvas2D component
- CVE-2025-9181
- Uninitialized memory in the JavaScript Engine component
- CVE-2025-9186
- Spoofing issue in the Address Bar component of Firefox Focus for Android
- CVE-2025-9182
- Denial-of-service due to out-of-memory in the Graphics: WebRender component
- CVE-2025-9183
- Spoofing issue in the Address Bar component
- CVE-2025-9187
- Memory safety bugs fixed in Firefox 142 and Thunderbird 142
- CVE-2025-9184
- Memory safety bugs fixed in Firefox ESR 140.2, Thunderbird ESR 140.2, Firefox 142 and Thunderbird 142
- CVE-2025-9185
- Memory safety bugs fixed in Firefox ESR 115.27, Firefox ESR 128.14, Thunderbird ESR 128.14, Firefox ESR 140.2, Thunderbird ESR 140.2, Firefox 142 and Thunderbird 142
Firefox 142.0 についての一般的な情報は リリースノート を、開発者向けの情報は MDN および Mozilla Developer YouTube チャネル を参照されたい。
アップデート及びシステム要件
Firefox 142.0 は Windows, Mac そして Linux 版が用意され、firefox.com ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また各国語版は 日本語ほか 90 か国語以上に対応した Firefox をダウンロード — Firefox よりダウンロードできる。また、既存の Firefox 4 以降のユーザには自動アップデート経由で通知されるが、Firefox メニューの “Firefox について” より手動でアップデートすることも可能だ。
Firefox 142.0 の利用に必要なシステム要件については、Firefox 142 システム要件 を参照されたい。
- ダウンロード:
- 142.0, ESR 140.2.0, 128.14.0, 115.27.0
- リリースノート:
- 142.0, ESR 140.2.0, ESR 128.14.0, ESR 115.27.0
- セキュリティアドバイザリ:
- MFSA 2025-64 (142.0), MFSA 2025-67 (ESR 140.2.0), MFSA 2025-66 (ESR 128.14.0), MFSA 2025-65 (ESR 115.27.0)


