Firefox 136 がリリースされた
Mozilla は米国時間 2025 年 3 月 4 日、安定性及びセキュリティ問題の修正を含む Firefox のメジャーアップデート版である Firefox 136.0 をリリースした。延長サポート版である Firefox ESR もバージョン 128.8.0 および 115.21.0 がリリースされている。
Firefox 136.0 での新機能や改良点、セキュリティ修正、既知の問題は次のとおり。
新機能及び改良点
- 新機能
- 刷新されたサイドバーを利用可能となった。設定→一般→ブラウザーレイアウトから表示可能となり、AI チャットボット、ブックマーク、履歴、同期したタブに簡単にアクセス可能となる
- 新機能
- 垂直タブレイアウトが利用可能となった。開いているタブ、ピン留めしたタブをブラウザー上部ではなくサイドバー内に表示できるようになった。設定→一般→ブラウザーレイアウトから「垂直タブ」を選択する、あるいはツールバーのコンテキストメニューから「垂直タブをオンにする」を選択することでこれまでの水平タブから垂直タブに切り替えることができる。新しいサイドバーを表示した状態なら、サイドバーのカスタマイズから「垂直タブ」を選択すことも可能である
- 新機能
- Cookie とサイトデータの消去 ダイアログで、フォームの入力情報を履歴とは個別に消去できるようになった
- 新機能
- Smartblock により、厳格な強化型トラッキング防止およびプライベートブラウジングモードによってブロックされたソーシャルメディアにアクセスすることができるようになった。現時点でアクセスできるコンテンツは限定されているが、将来的なアップデートで改善される予定である
- 新機能
- ページ読み込みの既定を HTTPS によるものとし、安全な接続が利用できない場合に限り HTTP へフォールバックするようになった。これは HTTPS-First と呼ばれる機能である
- 新機能
- macOS: バックグラウンドタブの一部の電力消費が低減されるようになった
- 新機能
- macOS: HEVC ビデオのハードウェアアクセラレーションによる再生をサポート
- 新機能
- Linux: AMD GPU によるビデオのハードウェアデコードをサポート
- 新機能
- Linux: ARM64 (AArch64) アーキテクチャをサポート。APT レポジトリ―から、および tarball によるインストールが可能である。Flatpak のサポートも予定されている
- 新機能
- 新しいタブ 内の天気予報が多くの地域で利用可能となった: メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、チリ
- 新機能
- イギリスのユーザー向けに 住所の自動入力 が利用可能となった
- 修正
- Firefox の外部で画像をコピーするとき PNG フォーマットを優先するようになった。これにより透明度を保持したままコピーできるようになる
- 変更
- 新しいタブ のストーリーで、「Pocket に保存」アクションがボタンから他のアクションと同様にコンテキストメニューに移動された
- 変更
- macOS: DMG インストーラーパッケージで LZMA 圧縮を利用するようになった。ダウンロードサイズの縮小およびインストール時間の短縮となる
- 変更
- macOS: Sequoia での変更に伴い、.com アドレスへの検索を完了させるショートカットを Ctrl+Enter から Cmd+Enter に変更
- Enterprise
- エンタープライズ用途向けの詳細は Firefox for Enterprise 136 リリースノート を参照されたい
- Developer
- パフォーマンスの改善のため、開発者ツールのデバッガーエディターで Codemirror 6 を利用するようになった
- Web Platform
- Intl.DurationFormat オブジェクトをサポート
- Web Platform
- CSS :open 擬似クラスをサポート
- Web Platform
- :has-slotted 擬似クラスをサポート
- Web Platform
- CookieStore API をサポート
- Web Platform
- ARIA elements reflection をサポート
- Web Platform
- meta タグおよび
Refresh
ヘッダーによるページ更新から referrer を送信するようになった - Web Platform
- WebRTC 上での AV1 ビデオの送受信をサポート。送信ではシングルキャスト、サイマルキャストの両方をサポート
- Web Platform
- WebRTC 上でのサイマルキャスト (同一ソースの複数バージョンの同時送信) で H264 コーデックをサポート。VP8 に次ぐサイマルキャスト送信対応となる
- Web Platform
- contenteditable アトリビュートの
plaintext-only
値を指定 - Web Platform
- macOS: 入力フィールドでのテキスト置換機能をサポート。ウェブコンテンツ側は HTML autocorrect アトリビュートによってこの機能を有効化/無効化できる
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 15 件、重要度区分において 高 8 件、中 5 件、低 2 件が修正されている。
- CVE-2025-1930
- AudioIPC StreamData could trigger a use-after-free in the Browser process
- CVE-2025-1939
- Tapjacking in Android Custom Tabs using transition animations
- CVE-2025-1931
- Use-after-free in WebTransportChild
- CVE-2025-1932
- Inconsistent comparator in XSLT sorting led to out-of-bounds access
- CVE-2025-1933
- JIT corruption of WASM i32 return values on 64-bit CPUs
- CVE-2025-1940
- Android Intent confirmation prompt tapjacking using Select options
- CVE-2025-9956
- Passkey phishing within Bluetooth range
- CVE-2025-1934
- Unexpected GC during RegExp bailout processing
- CVE-2025-1941
- Lock screen setting bypass in Firefox Focus for Android
- CVE-2025-1942
- Disclosure of uninitialized memory when .toUpperCase() causes string to get longer
- CVE-2025-1935
- Clickjacking the registerProtocolHandler info-bar
- CVE-2025-1936
- Adding %00 and a fake extension to a jar: URL changed the interpretation of the contents
- CVE-2025-1937
- Memory safety bugs fixed in Firefox 136, Thunderbird 136, Firefox ESR 115.21, Firefox ESR 128.8, and Thunderbird 128.8
- CVE-2025-1938
- Memory safety bugs fixed in Firefox 136, Thunderbird 136, Firefox ESR 128.8, and Thunderbird 128.8
- CVE-2025-1943
- Memory safety bugs fixed in Firefox 136 and Thunderbird 136
既知の問題
- 未解決
- 以前のバージョンで、Firefox の終了時に「履歴」あるいは「サイトデータ」を削除するよう設定していた場合、アップデート後に「Cookie とサイトデータ」および「一時的にキャッシュされたファイルとページ」も削除されるよう設定が強制的に変更される
この問題で影響を受けるユーザーは、アップデート後に設定メニューの「プライバシーとセキュリティ」タブからこの 2 つのチェックを外す必要がある (Bug 1952564)
Firefox 136.0 についての一般的な情報は リリースノート を、開発者向けの情報は MDN および Mozilla Developer YouTube チャネル を参照されたい。
アップデート及びシステム要件
Firefox 136.0 は Windows, Mac そして Linux 版が用意され、Mozilla ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、80 以上の言語に対応した各国語版は 次世代ブラウザ Firefox – 各国語版のダウンロード よりダウンロード可能となっている。また、既存の Firefox 4 以降のユーザには自動アップデート経由で通知されるが、Firefox メニューの “Firefox について” より手動でアップデートすることも可能だ。
Firefox 136.0 の利用に必要なシステム要件については、Firefox 136 システム要件 を参照されたい。
- ダウンロード:
- 136.0, ESR 128.8.0, 115.21.0
- リリースノート:
- 136.0, ESR 128.8.0, ESR 115.21.0
- セキュリティアドバイザリ:
- MFSA 2025-14 (136.0), MFSA 2025-16 (ESR 128.8.0), MFSA 2025-15 (ESR 115.21.0)
2025/03/07 - 10:05:16 -
136.0(64)にアップデート後、右クリックで「Googleで検索」と窓枠からの検索で、検索後の画面や文字が小さく表示されます。