Firefox 128 がリリースされた
Mozilla は米国時間 2024 年 7 月 9 日、安定性及びセキュリティ問題の修正を含む Firefox のメジャーアップデート版である Firefox 128.0 をリリースした。延長サポート版である Firefox ESR もバージョン 128.0 にアップデートされているほか、 Firefox ESR 115.13.0 もリリースされている。
Firefox 128.0 での新機能や改良点、セキュリティ修正、既知の問題は次のとおり。
新機能及び改良点
- 新機能
- 選択したテキストをコンテキストメニューから他の言語に翻訳できるようになった (注: 現時点では日本語には非対応)
- 新機能
- アメリカおよびカナダのユーザー向けに、アドレスバーを開いたときに最近の検索やトレンド検索を表示されるようになった
- 新機能
- ユーザーデータの削除のダイアログが、よりシンプルかつ統合されたものとなった。データのカテゴリーだけでなく、削除されるデータのサイズも選択した期間に合わせて表示されるようになった
- 新機能
- プライベートブラウジングモードでも、Netflix などのストリーミングサイトの保護されたコンテンツを再生できるようになった
- 新機能
- 実験的な Privacy Preserving Attribution API をサポート。ウェブサイトに対して、ユーザーデータを収集することなく広告の効果を解析する代替策を提供する。この実験は origin trial を通じてのみ有効となり、設定の「プライバシーとセキュリティ」メニュー内の「ウェブサイトの広告設定」セクションから無効化できる
- 新機能
- macOS: getUserMedia を通じたマイクキャプチャーがシステムによって提供される音声処理を利用するようになり、音声品質が向上
- 新機能
- サライキ語 (skr) ロケールをサポート
- 修正
- SOCKS v5 の使用時に DNS を既定でプロキシするようになった。DNS クエリーがネットワークに漏洩することを防ぐことができる
- 変更
- より多くの
text/*
ファイルタイプをインラインでレンダリングできるようになった - 変更
- アドオンや署名されたコンテンツの検証に使用されるルート証明書が更新された
- Enterprise
- エンタープライズ用途向けの詳細は Firefox for Enterprise 128 リリースノート を参照されたい
- Developer
- インスペクターのルールビューにおいて、CSS ルールの詳細度 がツールチップに表示されるようになった。ウェブ開発者が、ルールがどのように適用されるかをより理解できるようになる
- Developer
- インスペクターパネルにおいて、カスタム属性の定義に値が一致しない場合に宣言が不正であるとフラグされるようになった。例として下のスクリーンショットでは、カスタム属性
--b
は<length>
の値シンタックス (10px
など) が想定されているが、それに反して色の指定とともに使われている。感嘆符アイコンとともに、エラーを説明するツールチップが表示されている - Developer
- アクティブでない CSS に関する改善
- Web Platform
- SpiderMonkey において Resizeable ArrayBuffers および Growable SharedArrayBuffers をサポート。新しいバッファーを用意してデータをそこにコピーすることなく、ArrayBuffer のサイズを変更できるようになる
- Web Platform
- setCodecPreferences メソッドによって、アプリケーションと特定のコーデック (RTX/RED/FEC を含む) とのネゴシエーションを無効化できるようになった。また、送信時にリストの最上位に指定されているコーデックでリモートピアを確立できるようになった
- Web Platform
- 画像、ドキュメントの Accept ヘッダーが 変更 され、ウェブ標準や他のウェブブラウザーに一致するようになった
- Web Platform
@property
および CSS properties-and-values API をサポート- Web Platform
- 新しい
bytes()
メソッドによって、Request/Response や Blob などのオブジェクトで Uint8Array typed array を容易に取得できるようになった
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 16 件、重要度区分において 高 4 件、中 8 件、低 4 件が修正されている。
- CVE-2024-6605
- Firefox Android missed activation delay to prevent tapjacking
- CVE-2024-6606
- Out-of-bounds read in clipboard component
- CVE-2024-6607
- Leaving pointerlock by pressing the escape key could be prevented
- CVE-2024-6608
- Cursor could be moved out of the viewport using pointerlock
- CVE-2024-6609
- Memory corruption in NSS
- CVE-2024-6610
- Form validation popups could block exiting full-screen mode
- CVE-2024-6600
- Memory corruption in WebGL API
- CVE-2024-6601
- Race condition in permission assignment
- CVE-2024-6602
- Memory corruption in NSS
- CVE-2024-6603
- Memory corruption in thread creation
- CVE-2024-6611
- Incorrect handling of SameSite cookies
- CVE-2024-6612
- CSP violation leakage when using devtools
- CVE-2024-6613
- Incorrect listing of stack frames
- CVE-2024-6614
- Incorrect listing of stack frames
- CVE-2024-6604
- Memory safety bugs fixed in Firefox 128, Firefox ESR 115.13, and Thunderbird 115.13
- CVE-2024-6615
- Memory safety bugs fixed in Firefox 128
Firefox 128.0 で修正された全ての問題は Mozilla.org bugs fixes (英語) を、一般的な情報は リリースノート を、開発者向けの情報は MDN および Mozilla Developer YouTube チャネル を参照されたい。
アップデート及びシステム要件
Firefox 128.0 は Windows, Mac そして Linux 版が用意され、Mozilla ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、80 以上の言語に対応した各国語版は 次世代ブラウザ Firefox – 各国語版のダウンロード よりダウンロード可能となっている。また、既存の Firefox 4 以降のユーザには自動アップデート経由で通知されるが、Firefox メニューの “Firefox について” より手動でアップデートすることも可能だ。
Firefox 128.0 の利用に必要なシステム要件については、Firefox 128 システム要件 を参照されたい。
- ダウンロード:
- 128.0, ESR 128.0, 115.13.0
- リリースノート:
- 128.0, ESR 128.0, ESR 115.13.0
- セキュリティアドバイザリ:
- MFSA 2024-29 (128.0, ESR 128.0), MFSA 2024-30 (ESR 115.13.0)
- 修正されたバグ:
- 128.0, ESR 128.0, ESR 115.13.0 (英語)
2024/07/25 - 07:58:54 -
firefox platform version ‘128.0.2’ is not compatible with
minVersion >= 128.0
maxVersion <= 128.0
というErrorが表示され ブラウザが開かなくなりました。
対処法を至急お知らせ下さい。