SeaMonkey 2.53.18.2 がリリースされた
Mozilla Application Suite の開発をコミュニティベースで継続している The SeaMonkey® Project は米国時間 2024 年 3 月 28 日、SeaMonkey 2.53.18.2 をリリースした。
SeaMonkey 2.53.18.2 は Firefox ESR 60.8 と同じレンダリングエンジン Gecko 60.8 を搭載しており、バックエンドも Firefox ESR 60.8/Thunderbird 60.8 相当となっている。アプリケーションの内容としては、これまで通りブラウザ、メール & ニュースクライアント、Web 開発ツールを搭載したオールインワンパッケージとなっている。
バージョン 2.53.1 以前からのアップグレードの場合、プロファイルの完全なバックアップを必ず作成しておく必要がある。プロファイルの構成が変更されており、アップグレード後には古いバージョンの SeaMonkey に戻ることはできなくなる。
ユーザープロファイルの構成の変更に伴い、バージョン 2.49.5 以前からのアップグレードに際して以下の注意点がある。
- マスターパスワードを利用している場合にはアップデートの前にこれを解除する必要がある。設定メニューの「マスターパスワードを変更」から、パスワード欄を空白にすることでマスターパスワードを解除できる。「パスワードのリセット」機能を使うと、保存されているすべてのログイン情報が削除されるため注意が必要である。
- アップデートの完了後には、プロファイルフォルダー内の key3.db および cert8.db の 2 つのファイルを削除する必要がある。これはログイン情報を含む古い形式のファイルである。
また、SeaMonkey 2.53.1 および 2.53.2 の言語パックをインストールしている場合には、アップデートの前にこれらをアンインストールしておく必要がある。 これらは SeaMonkey 2.53.x すべてに互換性があるとされているが、実際には異なるバージョンの SeaMonkey で使用すると問題が発生する。アップデート後に、バージョン 2.53.18.2 の言語パックをインストールする必要がある。
Chatzilla、DOM Inspector、Lightning に加え、SeaMonkey Debug and QA UI のベータ版が本リリースには同梱されている。
新機能及び改良点
- SeaMonkey
- multipart/x-mixed-replace からの Cookie 作成をブロックするか設定できるようになった (bug 1864385)
- SeaMonkey
- ワーカースレッド内で WorkerThreadPrimaryRunnable::Run より先に WorkerRunnable::Run を実行するか確認 (bug 1867982)
- SeaMonkey
- PolyArea の coord リスト中のプロセスペア (bug 1878211)
- SeaMonkey
- dav1d への更新 (bug 1881093)
- SeaMonkey
- NSS ライブラリをバージョン 3.90.2 へ更新 (bug 1880562)
- SeaMonkey
- 「後で送信」で開封確認通知が機能しない問題を修正 (bug 815638)
- SeaMonkey
- タブの復元時に webNavigation エラーが発生する問題を修正 (bug 1885748)
セキュリティ修正
本項執筆時点で、新機能および改良点の詳細は公開されていないが、 Firefox ESR 60.8/Thunderbird 60.8 相当のセキュリティ修正に加え、Firefox ESR 115.9/Thunderbird 115.9 からのバックポートによるセキュリティ修正が行われている。
SeaMonkey 2.53.18.2 は Windows, Mac, Linux 版が用意され、SeaMonkey Project ウェブサイト より日本語を含む 23 言語に対応した各言語版がダウンロード可能である。本リリースでは、既存のバージョン 2.53 系列の SeaMonkey ユーザへの自動アップデートが提供されている。
- ダウンロード:
- SeaMonkey 2.53.18.2
- リリースノート:
- Release notes