SeaMonkey 2.53.17 がリリースされた
Mozilla Application Suite の開発をコミュニティベースで継続している The SeaMonkey® Project は米国時間 2023 年 8 月 4 日、SeaMonkey 2.53.17 をリリースした。
SeaMonkey 2.53.17 は Firefox ESR 60.8 と同じレンダリングエンジン Gecko 60 を搭載しており、バックエンドも Firefox ESR 60.8/Thunderbird 60.8 相当となっている。アプリケーションの内容としては、これまで通りブラウザ、メール & ニュースクライアント、Web 開発ツールを搭載したオールインワンパッケージとなっている。
バージョン 2.53.1 以前からのアップグレードの場合、プロファイルの完全なバックアップを必ず作成しておく必要がある。プロファイルの構成が変更されており、アップグレード後には古いバージョンの SeaMonkey に戻ることはできなくなる。
ユーザープロファイルの構成の変更に伴い、バージョン 2.49.5 以前からのアップグレードに際して以下の注意点がある。
- マスターパスワードを利用している場合にはアップデートの前にこれを解除する必要がある。設定メニューの「マスターパスワードを変更」から、パスワード欄を空白にすることでマスターパスワードを解除できる。「パスワードのリセット」機能を使うと、保存されているすべてのログイン情報が削除されるため注意が必要である。
- アップデートの完了後には、プロファイルフォルダー内の key3.db および cert8.db の 2 つのファイルを削除する必要がある。これはログイン情報を含む古い形式のファイルである。
また、SeaMonkey 2.53.1 および 2.53.2 の言語パックをインストールしている場合には、アップデートの前にこれらをアンインストールしておく必要がある。 これらは SeaMonkey 2.53.x すべてに互換性があるとされているが、実際には異なるバージョンの SeaMonkey で使用すると問題が発生する。アップデート後に、バージョン 2.53.17 の言語パックをインストールする必要がある。
Chatzilla、DOM Inspector、Lightning に加え、SeaMonkey Debug and QA UI のベータ版が本リリースには同梱されている。
新機能及び改良点
- SeaMonkey
- macOS: 連絡先の権限リクエストを修正 (bug 1826719)
- SeaMonkey
- debugQA から SeaMonkey 2.57 のリンクを除去 (bug 1829683)
- SeaMonkey
- ライブラリーから URL を開くことを外部からとして扱うようになった (bug 1619108)
- SeaMonkey
- プレーンテキストから自動生成されたリンクに対する警告を無効化 (bug 619031)
- SeaMonkey
- SeaMonkey のビルドファイルを Python 3 へ切り替え (bug 1635849)
- SeaMonkey
- コンポーザーからからのオーバーレイを除去 (bug 1828533)
- SeaMonkey
- xpfe のオートコンプリートを comm-central の suite へ移動 (bug 1418512)
- SeaMonkey
- nsIPrefBranch2 および nsIPrefBranchInternal を除去 (bug 1374847)
セキュリティ修正
本項執筆時点で、新機能および改良点の詳細は公開されていないが、 Firefox ESR 60.8/Thunderbird 60.8 相当のセキュリティ修正に加え、Firefox ESR 102.11/Thunderbird 102.11 からのバックポートによるセキュリティ修正が行われている。
SeaMonkey 2.53.17 は Windows, Mac, Linux 版が用意され、SeaMonkey Project ウェブサイト より日本語を含む 23 言語に対応した各言語版がダウンロード可能である。本リリースでは、既存のバージョン 2.53 系列の SeaMonkey ユーザへの自動アップデートが提供されている。
- ダウンロード:
- SeaMonkey 2.53.17
- リリースノート:
- Release notes