Thunderbird 115.0 がリリースされた
Mozilla は米国時間 2023 年 7 月 11 日、新機能の追加及び安定性の問題を修正した Thunderbird のメジャーアップデート版である Thunderbird 115.0 をリリースした。
Thunderbird 115.0 は Firefox ESR 115.0 と同じレンダリングエンジンを搭載しており、バックエンドも Firefox ESR 115.0 相当となっている。
本バージョンでは、”Supernova” と銘打った UI の全面的な刷新が行われている。詳細は What’s New in Thunderbird 115 および ブログ記事 を参照されたい。
テスト目的での利用ではないユーザーは、現時点では Thunderbird 115 へ更新するべきではない。Thunderbird 115 は、thunderbird.net からの直接ダウンロードによってのみ提供され、Thunderbird 102 系列およびそれ以前からの自動アップグレードは行われない。今後リリースされるバージョンにおいて、自動アップグレードが行われる予定である。
Thunderbird 115.0 での新機能や改良点は次のとおり。
新機能及び改良点
- 新機能
- 刷新されたフォルダー、メッセージ一覧、メッセージペインによる新しい UI である Supernova を実装。アップデートされたクイックフィルター、カレンダー、新しいバーティカルビューによるアドレス帳、統合されたツールバーなど
- 新機能
- 新しいフォルダーが親フォルダーに追加され、検索も自動的に保存されるようになった
- 新機能
- タブで外部の .eml ファイルを開けるようになった
- 新機能
- “メッセージを移動” および “メッセージをコピー” がフォルダーのコンテキストメニューに追加された
- 新機能
- メールアドレスごとに 1 つの鍵を返す HKP 鍵サーバーをサポート
- 新機能
- OpenPGP 公開鍵を VKS および HKP 鍵サーバーに公開できるようになった
- 新機能
- 階層化された暗号化メッセージを検出し、暗号化されたそれぞれの部分を閲覧できるようになった
- 新機能
- OpenPGP 署名されたメッセージの署名日時が表示されるようになった
- 新機能
- 外部 GnuPG が有効な場合、OpenPGP 鍵の候補を GnuPG の鍵束から発見、インポートできるようになった
- 新機能
- 外部 GnuPG が有効な場合、OpenPGP 鍵の候補を GnuPG の鍵束から自動的に発見できるようになった
- 新機能
- Autocrypt ヘッダーによって公開鍵を常に送信するオプションをサポート
- 新機能
- UI から暗号化を自動的に有効化・無効化できるようになった
- 新機能
- ユーザーが設定した OpenPGP パスフレーズを利用できるようになった;
mail.openpgp.passphrases.enabled
を true に設定 - 新機能
- OpenPGP 署名ファイルの拡張子が “.asc” となった
- 新機能
- “-keymanager” オプションを付けることでコマンドラインから OpenPGP 鍵マネージャーを開けるようになった
- 新機能
- メッセージ作成ウインドウで CSS スタイルを利用可能になった;
editor.use_css
を true に設定 - 新機能
- Fastmail での OAuth2 認証をサポート
- 新機能
- 送信するユーザーエージェントヘッダーを最低限にする、あるいはユーザーエージェントヘッダーを送信しない設定を追加
- 新機能
- 送信するユーザーエージェントヘッダーを最低限にする設定を既定とした
- 新機能
- 設定タブで “about:config” と検索すると設定エディターを発見できるようになった
- 新機能
- Windows: 常にシステムトレイ上にアイコンを表示する設定を追加
- 新機能
- アドレス帳のカードの電話番号、FAX 番号のリンクをサポート
- 新機能
- 更新のログをファイルに記録するオプション “app.update.log.file” を追加
- 新機能
- 検索エンジンに関するエンタープライズポリシーを追加
- 新機能
- リモートカレンダーを個別に再読み込みできるようになった
- 新機能
- カレンダーのコントロールメニューに “カレンダーに ToDo を表示” オプションを追加
- 新機能
- OS 定義のタイムゾーンを使用する設定を追加
- 変更
- パスワード認証を使用する Office 365 アカウントを OAuth2 認証へ自動移行するようになった
- 変更
- OAuth2 ログインに非プライベートブラウザーを使用することで、Office 365 アカウントへアクセスポリシーを有効化した状態でログインできるようになった
- 変更
- 3 ペインウインドウ内のすべての外部リンクを、ユーザーのウェブブラウザーで開くようになった
- 変更
- HTML メッセージを標準準拠モードでレンダリングするようになった
- 変更
- “エンドツーエンド暗号化の紹介” 記事へのリンクを更新
- 変更
- OpenPGP メッセージを既定で暗号化・署名するようになった
- 変更
- 現在の OpenPGP 鍵が有効期限切れの状態でメッセージを送信しようとすると警告が表示されるようになった
- 変更
- MD5 および SHA-1 を使用した S/MIME 署名を拒絶するようになった
- 変更
- アドオンが無効化されている場合あるいはアドオンにオプションが存在しない場合、”オプション” ボタンを隠すのではなく無効化するようになった
- 変更
- アドレス帳へのフィールドの追加をサポート
- 変更
- アドレス帳のホリゾンタルレイアウトで、検索ボックスを左側に移動
- 変更
- カラーパレットを更新
- 変更
- C++ による NNTP 実装を除去
- 変更
- C++ による POP 実装を除去
- 変更
- 複数のメッセージを送信するときに SMTP 接続を再利用するようになった
- 変更
- 空の Matrix ルームの名称がローカライズ可能となった
- 変更
- カレンダーがアクティベートされるまで、移動メニューの「次へ」「前へ」アイテムが表示されないようになった
- 修正
- Exchange のベーシック認証が非推奨とされたため、Microsoft ビジネスメールサービスのユーザーがログインできなくなっていた問題を修正
- 修正
- 選択したテキストに開業や新しい段落が含まれているとスペルチェック辞書が開かない問題を修正
- 修正
- 特定の環境で、メッセージ作成ウインドウの自動入力機能が機能しないことがある問題を修正
- 修正
- メッセージに追加された絵文字が正しく表示されない問題を修正。怒った顔の絵文字を追加
- 修正
- 「転送」「新しいメッセージとして編集」からメッセージを作成すると Unicode 文字セットの情報がメッセージヘッダーに含まれない問題を修正
- 修正
- ドラッグ & ドロップによってメッセージを添付ファイルとして転送すると、添付ファイル名への拡張子の追加の設定に従わない問題を修正
- 修正
- macOS: 件名がメッセージ作成ウインドウのタイトルバーの幅より長くなると、タイトルバーにボタンが表示される問題を修正
- 修正
- PDF ファイル内の文書内リンクを開くと、新しいタブにリンクで指定された箇所にスクロールされるのではなく文書のコピーが表示される問題を修正
- 修正
- “Gentle smile” のプレーンテキスト
;)
が正しくレンダリングされず “Strong smile”/”Laugh” が表示される問題を修正 - 修正
- 添付ファイルの保存から保存したファイルがダウンロードマネージャーに表示されない問題を修正
- 修正
- メッセージヘッダーのボタン (返信、転送など) がキーボードからアクセスできない問題を修正
- 修正
- メッセージヘッダーのドロップダウンボタンをエンターキー、スペースキーからアクティブにできない問題を修正
- 修正
- 設定メニューの「プライバシーとセキュリティ」パネル内の “Do Not Track” の詳細情報へのリンクが表示されていなかった問題を修正
- 修正
- メッセージの検疫が有効な場合、「終了時にごみ箱を空にする」が動作しないことがある問題を修正
- 修正
- Yahoo および AOL アカウントのメッセージが誤って迷惑メールと判定されることがある問題を修正
- 修正
- 「迷惑メールフィルターを実行」が機能しない問題を修正
- 修正
- リモート画像を含む HTML 署名のソース URL がローカルのファイル名に変更される問題を修正
- 修正
- 設定タブを閉じると既定の検索エンジンの変更が保持されない問題を修正
- 修正
- 「Thunderbird について」ダイアログに distribution.ini の情報が再び表示されるようになった
- 修正
- macOS: メッセージの送信後にヘルプメニュー内のすべてのアイテムが無効化される問題を修正
- 修正
- OpenPGP 署名メッセージを送信時に鍵が見つからない場合に空のダイアログが表示される問題を修正
- 修正
- OpenPGP 暗号化された下書き・テンプレートを作成ウインドウを閉じた後に再度開くと、件名が失われる問題を修正
- 修正
- 複数の From フィールド持つメッセージの OpenPGP 鍵の検証が、1 つめの From フィールドに対してしか行われない問題を修正
- 修正
- 添付ファイルが存在しない場合であっても、OpenPGP 暗号化されたメッセージに暗号化された添付ファイルが表示される問題を修正
- 修正
- ディスク容量が不足している場合、IMAP・ニュースフォルダーの最適化で一部のデータが削除されない問題を修正
- 修正
- 追加の署名レイヤーが存在する OpenPGP 暗号化メッセージが復号されない問題を修正
- 修正
- OpenPGP が有効化されていると、返信時に (was: 古い件名) が件名から除去されない問題を修正
- 修正
- OpenPGP 鍵マネージャーのコンテキストメニューにキーボードからアクセスできない問題を修正
- 修正
- OpenPGP 鍵マネージャーの「パスフレーズ」タブが公開鍵にも誤って表示される問題を修正
- 修正
- about:support で、アップストリームの RNP のバージョン番号が正式なものとして認識されるようになった
- 修正
- アカウント設定で、有効期限切れのOpenPGP 鍵が「見つからない」と表示される問題を修正
- 修正
- OpenPGP ダイアログのレイアウト、スタイルに関する問題を修正
- 修正
- 失効した OpenPGP 鍵に対して暗号化されたメッセージを復号できない問題を修正
- 修正
- メッセージの署名時に秘密鍵の主鍵が利用可能であることを要求しなくなった
- 修正
- OpenPGP 副鍵によって署名されたメッセージを送信できない問題を修正
- 修正
- OpenPGP メッセージのセキュリティダイアログが誤った位置に表示されることがある問題を修正
- 修正
- 失効した S/MIME 証明書によって署名されたメッセージが、「正しく署名された」と表示される問題を修正
- 修正
- 特定の環境で、エンドツーエンド暗号化の自動有効化/無効化が意図したとおりに機能しない問題を修正
- 修正
- アカウント作成時の SSL/TLS 接続の自動検出が機能しない問題を修正
- 修正
- アカウントセットアップを検証中にキャンセルすると、アカウントを再度追加することができなくなる問題を修正
- 修正
- アカウント設定の「終了」ボタンをクリックすると、手動設定したアカウントが通知なく削除される問題を修正
- 修正
- オフライン時に POP/ローカルフォルダーから IMAP にメッセージを移動し、オンラインに戻るとメッセージが失われることがある問題を修正
- 修正
- メッセージから添付ファイルを分離すると POP3 メッセージがサーバーから削除される問題を修正
- 修正
- 再起動後にオフラインの IMAP フォルダーが同期されないことがある問題を修正
- 修正
- スリープやハイバネーションから復帰した後、IMAP の自動同期が停止することがある問題を修正
- 修正
- 複数のメッセージを IMAP サーバーへ移動しようとすると接続が切断され、移動元と移動先にメッセージが重複することがある問題を修正
- 修正
- IMAP サーバーが “UTF8=ACCEPT” をサポートするかチェックしない問題を修正
- 修正
- 移動元のフォルダーが以前に移動先からコピー、削除されたもので、移動先のサーバーで削除済みとマークされただけの状態の場合、IMAP フォルダーをサーバー間で再度コピーしようとすると失敗する問題を修正
- 修正
- IMAP フォルダーの「最適化」を行うと、最適化の前にフォルダーの整理が完了するまで待機しない問題を修正
- 修正
- IMAP メッセージの送信済み、下書き、テンプレートフォルダへの保存を再試行すると進捗ダイアログが表示されない問題を修正
- 修正
- 埋め込まれた画像のファイル名、拡張子がヘッダーに含まれるようになった
- 修正
- 一般に扱われていない形式のユーザー名のプロンプトのフォーマットが使用されている SMTP サーバーでメッセージを送信できない問題を修正
- 修正
- NNTP メッセージのストリーミングが機能せず、キャッチできないエラーとなる問題を修正
- 修正
- 認証ダイアログがキャンセルされた後、NNTP 接続がすぐに切断されない問題を修正
- 修正
- サーバー上での検索で、ダウンロード済みの記事だけが検索対象となる問題を修正
- 修正
- NNTP サーバーへの接続、切断の状態がステータスバーに反映されない問題を修正
- 修正
- アドレス帳の検索でキーワードを多く入れすぎると、検索結果の表示がスクロールされることなくオーバーフローし、オーバーフローしたキーワードにアクセスできなくなる問題を修正
- 修正
- 連絡先の編集中、連絡先ペインのサイズを変更できない問題を修正
- 修正
- 既存の連絡先の編集中に新しい連絡先を作成すると、保存されていない変更内容が失われる問題を修正
- 修正
- 連絡先の削除や他のアドレス帳への移動を行ってもカードの一覧が更新されない問題を修正
- 修正
- MX レコードが Goolgle へポイントされている場合、CardDAV の検出にプリセットされたロケーションを使用するようになった
- 修正
- チャットの長い一覧が完全に表示されない、スクロールできない問題を修正
- 修正
- オリジネーターによる ping だけでなく、接続した XMPP サーバーへの ping すべてに誤って対応する問題を修正
- 修正
- 特定の環境で重複したMatrix クライアントが作成され、同一アカウントでメッセージが重複する問題を修正
- 修正
- Matrix のダイレクトメッセージの暗号化が正しく検出されない問題を修正
- 修正
- 特定の環境で Matrix のダイレクトメッセージルームが重複する問題を修正
- 修正
- 週の始まりが月曜日以外に設定されていると、予定が正しい週に表示されない問題を修正
- 修正
- 新しい予定を作成するとき、主催者が自動的に追加されない問題を修正
- 修正
- 他のタブに移動することなくカレンダータブに留まっていると、日時インジケーターが現在の時刻よりも進んだ位置にずれる問題を修正
- 修正
- マルチパートメッセージを ToDo に変換できない問題を修正
- 修正
- 右クリックメニューから予定を編集すると保存できない問題を修正
- 修正
- ToDo のプレビューが HTML フォーマットで表示されない問題を修正
- 修正
- 予定のサマリーダイアログ内の参加者を選択できない問題を修正
- 修正
- 再起動後、終日と設定された ToDo が同日 0 時の ToDo に変更される問題を修正
- 修正
- 名前にスラッシュを含むカレンダーを、名前を変更することなくエクスポートできない問題を修正
- 修正
- Google カレンダーの予定の概要に含まれる余分な改行が除去される問題を修正
- 修正
- ローカルに保存された ICS カレンダーの予定を編集するとデータが失われることがある問題を修正
- 修正
- カスタムしたタイムゾーン情報を持つローカルカレンダーを CalDAV サーバーと同期できない問題を修正
Thunderbird 115.0 で修正された全ての問題は Mozilla.org bugs fixes (英語) を参照されたい。
その他、Thunderbird 115.0 についての一般的な情報は Thunderbird 115.0 リリースノート を参照いただきたい。
アップデート及びシステム要件
Thunderbird 115.0 は Windows, Mac, Linux 版が用意され、Mozilla ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、50 以上の言語に対応した各国語版は 各国語版のダウンロード よりダウンロードできる。
Thunderbird 115.0 の利用に必要なシステム要件については、Thunderbird 115.0 システム要件 を参照されたい。
- ダウンロード:
- Mozilla
- リリースノート:
- Thunderbird 115.0 リリースノート
- 修正されたバグ:
- Bug Fixes (英語)
2023/10/27 - 22:12:22 -
新バージョンになりましたが、使えると銘打ってる事でも使えなく(フォルダやアカウントの移動等)
非常に不便です。
キチンとアップデートして貰えませんか。