SeaMonkey 2.53.15 がリリースされた
Mozilla Application Suite の開発をコミュニティベースで継続している The SeaMonkey® Project は米国時間 2023 年 1 月 20 日、SeaMonkey 2.53.15 をリリースした。
SeaMonkey 2.53.15 は Firefox ESR 60.8 と同じレンダリングエンジン Gecko 60 を搭載しており、バックエンドも Firefox ESR 60.8/Thunderbird 60.8 相当となっている。アプリケーションの内容としては、これまで通りブラウザ、メール & ニュースクライアント、Web 開発ツールを搭載したオールインワンパッケージとなっている。
バージョン 2.53.1 以前からのアップグレードの場合、プロファイルの完全なバックアップを必ず作成しておく必要がある。プロファイルの構成が変更されており、アップグレード後には古いバージョンの SeaMonkey に戻ることはできなくなる。
ユーザープロファイルの構成の変更に伴い、バージョン 2.49.5 以前からのアップグレードに際して以下の注意点がある。
- マスターパスワードを利用している場合にはアップデートの前にこれを解除する必要がある。設定メニューの「マスターパスワードを変更」から、パスワード欄を空白にすることでマスターパスワードを解除できる。「パスワードのリセット」機能を使うと、保存されているすべてのログイン情報が削除されるため注意が必要である。
- アップデートの完了後には、プロファイルフォルダー内の key3.db および cert8.db の 2 つのファイルを削除する必要がある。これはログイン情報を含む古い形式のファイルである。
また、SeaMonkey 2.53.1 および 2.53.2 の言語パックをインストールしている場合には、アップデートの前にこれらをアンインストールしておく必要がある。 これらは SeaMonkey 2.53.x すべてに互換性があるとされているが、実際には異なるバージョンの SeaMonkey で使用すると問題が発生する。アップデート後に、バージョン 2.53.15 の言語パックをインストールする必要がある。
Chatzilla、DOM Inspector、Lightning に加え、SeaMonkey Debug and QA UI のベータ版が本リリースには同梱されている。
新機能及び改良点
本リリースでは、TLS/SSL の取り扱い (NSS) が Mozilla ESR 102 相当にアップデートされている。また、macOS 13 Ventura における全画面表示への切り換えに関する問題や起動時のクラッシュも修正されている。
- SeaMonkey
- Microtasks および promise (bug 1193394)
- SeaMonkey
- queueMicrotask() の実装 (bug 1480236)
- SeaMonkey
- ツリーから古い同期 contentPrefService を除去 (bug 886907, bug 1392929)
- SeaMonkey
- いまだに ‘general.useragent.locale’ を使用しているものを除去 (bug 1410736, bug 1410738)
- SeaMonkey
- ‘general.useragent.locale’ から intl.locale.requested.locale リストへの移行 (bug 1441016)
- SeaMonkey
- BCP47 ロケールリストを保存する設定を導入 (bug 1414390, bug 1423532, bug 1441026)
- SeaMonkey
- nsIX509CertDB から証明書検証の同期 API を除去 (bug 1453741, bug 1453778)
- SeaMonkey
- タスクバーのプレビューファビコンが空白になる問題を修正 (bug 1475524)
- SeaMonkey
- Imagelibs の decodeImageAsyncWindows 呼び出しがコールバックを使用する問題を修正 (bug 1790695)
- SeaMonkey
- Windows: サンドボックスコードのプロセスから PermissionsService を除去 (bug 1788233, bug 1789782, bug 1794394)
- SeaMonkey
- セキュリティ情報ダイアログに証明書の状態が表示されない問題を修正 (bug 1293378)
- SeaMonkey
- mailnews 内の nsIPlatfromCharset を置換 (bug 1381762)
- SeaMonkey
- nsMsgI18NFileSystemCharset() を NS_CopyUnicodeToNative/NS_CopyNativeToUnicode() に置換 (bug 1506422)
- SeaMonkey
- Outlook/Hotmail の ‘ごみ箱’ フォルダーに対応 (bug 1320191)
- SeaMonkey
- フィルターメソッドのいくつかがスクリプト可能になった (bug 1497513)
- SeaMonkey
- ‘m_curFolder’ の非同期リセットによって nsMsgFilterAfterTheFact::ApplyFilter() でクラッシュする問題を修正 (bug 537017)
- SeaMonkey
- nsIMsgFolder.logRuleHitFail() からのメッセージをローカライズ (bug 1352731)
- SeaMonkey
- メッセージフィルターの実行、アクションのログ機能を追加 (bug 697522)
- SeaMonkey
- フィルターの実行前に非ヌルヘッダーかどうかを確認 (bug 1563959)
- SeaMonkey
- CONDSTORE により、起動時の不要なフラグ取得を削除 (bug 1428097)
- SeaMonkey
- カスタムタグ (キーワード) がすべてのユーザーに見えている問題を修正 (bug 583677)
- SeaMonkey
- 共有フォルダーのタグの取り扱いを改善 (bug 1596371)
- SeaMonkey
- Yahoo/AOL の迷惑メールのセット/リセットが可能となった (bug 1260059)
- SeaMonkey
- スペルチェッカーの準備ができていない場合、件名をチェックしないようになった (bug 1069787)
- SeaMonkey
- mailnews_account_settings.xhtml 内の文法上の問題を修正 (bug 1793291)
- SeaMonkey
- nsIMemory の使用を除去 (bug 1792578)
- SeaMonkey
- 廃止された GetStringBundleService の呼び出しを除去 (bug 1794400)
- SeaMonkey
- macOS Ventura 13.0 でクラッシュする問題を修正 (bug 1797696)
- SeaMonkey
- ウェブサイトのナビゲーションバーが機能を停止する問題を修正 (bug 1803918)
- SeaMonkey
- macOS Ventura 13.0 で全画面表示への切り換えが機能しない問題を修正 (bug 1804537)
- SeaMonkey
- ビルドシステムの Python 2 から Python 3 への移行を継続
- SeaMonkey
- clang 15 および macOS SDK 11.3 のサポートを追加
- SeaMonkey
- 検証済みの Rust 1.65 への互換性を追加
セキュリティ修正
本項執筆時点で、新機能および改良点の詳細は公開されていないが、 Firefox ESR 60.8/Thunderbird 60.8 相当のセキュリティ修正に加え、Firefox ESR 102.7/Thunderbird 102.6 からのバックポートによるセキュリティ修正が行われている。
SeaMonkey 2.53.15 は Windows, Mac, Linux 版が用意され、SeaMonkey Project ウェブサイト より日本語を含む 23 言語に対応した各言語版がダウンロード可能である。本リリースでは、既存のバージョン 2.53 系列の SeaMonkey ユーザへの自動アップデートが提供されている。
- ダウンロード:
- SeaMonkey 2.53.15
- リリースノート:
- Release notes
2023/03/04 - 11:24:00 -
更新してから、FaceBook 使えなくなりました。
2023/03/04 - 11:25:21 -
2.53.10 ぐらいから、メルカリも使えなくなっています。ヤフーメールは表示されますが、メールの文面をスクロールできません。困っています。
2023/03/04 - 11:26:24 -
日本語版だけの問題かと思いましたが、英語版でも同じく、FaceBookなどが使えません。