Firefox 98 がリリースされた
Mozilla は米国時間 2022 年 3 月 8 日、安定性及びセキュリティ問題の修正を含む Firefox のメジャーアップデート版である Firefox 98.0 をリリースした。延長サポート版である Firefox ESR 91.7.0 もリリースされている。
Firefox 98.0 での新機能や改良点、セキュリティ修正、既知の問題は次のとおり。
新機能及び改良点
- 新機能
- ダウンロードのフローを最適化。毎回プロンプトを表示する代わりに、自動的にファイルをダウンロードするようになった。ダウンロードパネルからワンクリックでファイルを開くことはこれまで通り可能である。詳細は以下の サポート記事 を参照されたい
- 多くのオプションが用意されている:
- 常に既定のプログラムで開く: ファイルの種類に応じてシステムの既定のアプリケーションを開く
- 保存フォルダーを開く: ダウンロードしたファイルが保存されているフォルダーを開く
- ダウンロード元のページを開く: サイトから離れたりタブを閉じた後でも、ダウンロード元のページを開く
- ダウンロード元の URL をコピー: リンクの共有、保存などのためダウンロード元の URL をコピー
- 削除: ダウンロードパネルやダウンロードの履歴から直接ファイルを削除できるようになった
- 履歴から削除: ダウンロードしたファイルの一覧からファイルを削除
- プレビューパネルの消去: ダウンロード開始時に開かれるプレビューパネルに表示されるダウンロードしたファイルの一覧を削除
- このリリースより、ファイルの種類ごとの ダウンロードしたファイルの取り扱い方法を変更 しない限り、アプリケーションの選択あるいはファイルの保存のどちらを行うか尋ねられることはなくなる
- ダウンロードを開始するたびに、ダウンロードパネルが前面に表示されるようになった。これにより、ユーザー体験への阻害を最低限に抑えつつダウンロードしたファイルをすぐに見つけることができる。加えて、何度も閉じる必要がないよう、複数のダウンロードが同時に進行している場合にはパネルを表示しない
- ダウンロードが完了する前でも、ダウンロードパネル内のファイルをクリックすることができるようになった。ファイルが利用可能になるとすぐにファイルが開かれる
- ダウンロードしたファイルは一時フォルダーを経由することなくすぐにディスクに保存される。保存先は、あらかじめ設定したダウンロードフォルダーか、ダウンロードのたびに個別に指定する
- 新機能
- Firefox の検索エンジンは、ビルトインされた複数から選択することができる。本リリースでは、Mozilla が厳格な許諾を保証できない複数の検索エンジンを既定のエンジンに指定しているユーザーに対して、検索エンジンが変更されたことが通知される
- 修正
- ファイルの種類ごとの既定のアプリケーションを設定できるようになった
- 修正
- Firefox 98 への更新以降、ダウンロードの取り扱いの「毎回確認する」がリセットされる
- Enterprise
- エンタープライズ用途向けの詳細は Firefox for Enterprise 98 リリースノート を参照されたい
- 開発者
- ウェブ開発ツールの 互換性サイドバーパネル が利用可能となった。選択した要素やページ全体について、CSS プロパティの互換性に関する警告が表示される
- これにより、個々のブラウザーでの確認を行うことなくウェブ互換性を検出することが可能となる。互換性の情報は MDN から引用される
- 開発者
- マークアップビューのインスペクターのイベントツールチップから、与えられたノードのイベントリスナーを無効化できるようになった。また、少なくとも 1 つのイベントが無効化されていると、変更が行われていることを示すために “event” バッジのスタイルが変更される
- 開発者
- Fluent の疑似ローカライズされた双方向テキスト/アクセントのためのブラウザーツールボックスの新しい UI
- 開発者
- デバッガーに「行を無視」コンテキストメニューを追加 (
devtools.debugger.features.blackbox-lines
がtrue
の場合)。また、「ソースを無視」のアイコンと無視された行の背景色を改善 - 開発者
- windows.open を通じて開いたタブでウェブ開発者ツールを自動的に開くようになった (
devtools.popups.debug
による)。ウェブ開発ツールが開かれているページ上でwindow.open
によって新しいタブが開かれると、iframer ピッカーおよびコンテキストセレクターで新しいドキュメントが選択された状態でツールボックスが新しいタブに移動する - Web Platform
- HTML の
<dialog>
要素が利用可能となった - Web Platform
- Form に関連したカスタム要素 が利用可能となった。ウェブ作成者が定義・作成したカスタム要素をフォーム投稿に利用できる
- Web Platform
- CSS の hyphenate-character プロパティが利用可能となった。ハイフン (
-
) による改行において、ハイフンの代わりに使用する文字列を指定できる
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 7 件、重要度区分において 高 4 件、中 3 件が修正されている。
- CVE-2022-26383
- Browser window spoof using fullscreen mode
- CVE-2022-26384
- iframe allow-scripts sandbox bypass
- CVE-2022-26387
- Time-of-check time-of-use bug when verifying add-on signatures
- CVE-2022-26381
- Use-after-free in text reflows
- CVE-2022-26382
- Autofill Text could be exfiltrated via side-channel attacks
- CVE-2022-26385
- Use-after-free in thread shutdown
- CVE-2022-0843
- Memory safety bugs fixed in Firefox 98
Firefox 98.0 で修正された全ての問題は Mozilla.org bugs fixes (英語) を、一般的な情報は リリースノート を、開発者向けの情報は MDN および Mozilla Developer YouTube チャネル を参照されたい。
アップデート及びシステム要件
Firefox 98.0 は Windows, Mac そして Linux 版が用意され、Mozilla ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、80 以上の言語に対応した各国語版は 次世代ブラウザ Firefox – 各国語版のダウンロード よりダウンロード可能となっている。また、既存の Firefox 4 以降のユーザには自動アップデート経由で通知されるが、Firefox メニューの “Firefox について” より手動でアップデートすることも可能だ。
Firefox 98.0 の利用に必要なシステム要件については、Firefox 98 システム要件 を参照されたい。
- ダウンロード:
- 98.0, ESR 91.7.0
- リリースノート:
- 98.0, ESR 91.7.0
- セキュリティアドバイザリ:
- MFSA 2022-10 (98.0), MFSA 2022-11 (ESR 91.7.0)
- 修正されたバグ:
- 98.0, ESR 91.7.0 (英語)
2022/03/09 - 19:22:29 -
関連付けで開いたファイルの一時ファイルがダウンロードフォルダに保存されるようになってしまいましたね。
個人的には煩わしい仕様です。