Thunderbird 91.2.0 がリリースされた
Mozilla は米国時間 2021 年 10 月 7 日、新機能の追加及び安定性の問題を修正した Thunderbird のマイナーアップデート版である Thunderbird 91.2.0 をリリースした。
Thunderbird 91.2.0 は Firefox ESR 91.2 と同じレンダリングエンジンを搭載しており、バックエンドも Firefox ESR 91.2 相当となっている。
現時点では、Thunderbird 78 系列から Thunderbird 91.2.0 への自動更新は英語版のみを対象として行われており、それ以外の言語版については thunderbird.net からの直接ダウンロードによってのみ提供される (自動更新についての詳細、バージョン 91 に対応済みのアドオンの一覧、非対応のアドオンの一覧 (本体機能として実装されたものや代替アドオンが存在するものを含む))。
Thunderbird 91.2.0 での新機能や改良点は次のとおり。
新機能及び改良点
- 変更
- メッセージを eml ファイルとして保存するときにユニークなファイル名を付けるようになった
- 修正
- アカウント内のサブフォルダーに対して新着メッセージ通知が正しく機能しない問題を修正
- 修正
- GnuPG 経由で外部の鍵を利用している場合、バイナリ形式の添付ファイルの復号に失敗する問題を修正
- 修正
- アカウントマネージャーのアカウント名のフィールドの大きさが、長いアカウント名に対して十分ではない問題を修正
- 修正
- extensibleMatch フィルターを使用した LDAP 検索の結果が空になる問題を修正
- 修正
- 読み込み専用の CalDAV 形式のカレンダーとアドレス帳を検出できない問題を修正
- 修正
- カレンダーの招待を含むマルチパート形式のメッセージにおいて、人間が読める部分が表示されない問題を修正
- 修正
- いくつかのカレンダーの日付が正しく表示されない、あるいは重複して表示される問題を修正 (“29 日” が 2 つ表示される月があるなど)
- 修正
- カレンダーの週ごとの表示において、それぞれの日の最後に実体のない予定が表示される問題を修正
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 7 件、重要度区分において 高 4 件、中 3 件が修正されている。
- CVE-2021-38502
- Downgrade attack on SMTP STARTTLS connections
- CVE-2021-38496
- Use-after-free in MessageTask
- CVE-2021-38497
- Validation message could have been overlaid on another origin
- CVE-2021-38498
- Use-after-free of nsLanguageAtomService object
- CVE-2021-32810
- Data race in crossbeam-deque
- CVE-2021-38500
- Memory safety bugs fixed in Thunderbird 91.2
- CVE-2021-38501
- Memory safety bugs fixed in Thunderbird 91.2
Thunderbird 91.2.0 で修正された全ての問題は Mozilla.org bugs fixes (英語) を参照されたい。
その他、Thunderbird 91.2.0 についての一般的な情報は Thunderbird 91.2.0 リリースノート を参照いただきたい。
アップデート及びシステム要件
Thunderbird 91.2.0 は Windows, Mac, Linux 版が用意され、Mozilla ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、50 以上の言語に対応した各国語版は 各国語版のダウンロード よりダウンロードできる。
- ダウンロード:
- Mozilla
- リリースノート:
- Thunderbird 91.2.0 リリースノート
- セキュリティアドバイザリ:
- MFSA 2021-47
- 修正されたバグ:
- Bug Fixes (英語)