Thunderbird 78.10.2 がリリースされた
Mozilla は米国時間 2021 年 5 月 17 日、新機能の追加及び安定性の問題を修正した Thunderbird のマイナーアップデート版である Thunderbird 78.10.2 をリリースした。
Thunderbird 78.10.2 は Firefox ESR 78 と同じレンダリングエンジンを搭載しており、バックエンドも Firefox ESR 78.10 相当となっている。
Thunderbird 78.0 より、アドオンのサポートについて大きな変更が行われている。Firefox と同様、旧式のアドオンのサポートが終了し、MailExtension 形式のみのサポートとなる。現在利用中のアドオンが更新されているか確認されたい。
Thunderbird 78.10.2 での新機能や改良点は次のとおり。
新機能及び改良点
- 新機能
- 主たる秘密鍵を含まない OpenPGP 鍵のインポートをサポート
- 新機能
- アドオンマネージャにおいて、詳細設定を持つアドオンに設定アイコンが表示されるようになった
- 修正
- 高圧縮 (10 倍以上) の OpenPGP メッセージを復号できない問題を修正
- 修正
- アカウント設定の鍵プロパティで選択した OpenPGP 鍵の情報を保持できない問題を修正
- 修正
- Parsing some OpenPGP のユーザー ID のパースに失敗することがある問題を修正
- 修正
- OpenPGP の部分的な暗号化に関する通知の改善
- 修正
- macOS: トラブルシューティング情報ページの行ラベルが表示されない問題を修正
- 修正
- アイコンとテキストの両方を表示する設定の場合、ツールバーのボタンが大きくなりすぎる問題を修正
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 2 件、重要度区分において 低 2 件が修正されている。
- CVE-2021-29957
- Partial protection of inline OpenPGP message not indicated
- CVE-2021-29956
- Thunderbird stored OpenPGP secret keys without master password protection
Thunderbird 78.10.2 で修正された全ての問題は Mozilla.org bugs fixes (英語) を参照されたい。
その他、Thunderbird 78.10.2 についての一般的な情報は Thunderbird 78.10.2 リリースノート を参照いただきたい。
アップデート及びシステム要件
Thunderbird 78.10.2 は Windows, Mac, Linux 版が用意され、Mozilla ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、50 以上の言語に対応した各国語版は 各国語版のダウンロード よりダウンロードできる。既存の Thunderbird 68 以降のユーザには自動アップデート経由で通知されるが、ヘルプメニューの “Thunderbird について” より手動でアップデートすることも可能だ。
Thunderbird 78.10.2 の利用に必要なシステム要件については、Thunderbird 78.10.2 システム要件 を参照されたい。Firefox 78 と同様 Linux における最低システム要件が変更されており、GNU libc 2.17, libstdc++ 4.8.1, GTK+ 3.14 以降が必要となる (バージョン 68 までは GNU libc 2.17, libstdc++ 4.7 以降であった)。
- ダウンロード:
- Mozilla
- リリースノート:
- Thunderbird 78.10.2 リリースノート
- セキュリティアドバイザリ:
- MFSA 2021-22
- 修正されたバグ:
- Bug Fixes (英語)