Thunderbird 78.7.0 がリリースされた
Mozilla は米国時間 2021 年 1 月 26 日、新機能の追加及び安定性の問題を修正した Thunderbird のマイナーアップデート版である Thunderbird 78.7.0 をリリースした。
Thunderbird 78.7.0 は Firefox ESR 78 と同じレンダリングエンジンを搭載しており、バックエンドも Firefox ESR 78.7 相当となっている。
Thunderbird 78.0 より、アドオンのサポートについて大きな変更が行われている。Firefox と同様、旧式のアドオンのサポートが終了し、MailExtension 形式のみのサポートとなる。現在利用中のアドオンが更新されているか確認されたい。
Thunderbird 78.7.0 での新機能や改良点は次のとおり。
新機能及び改良点
- 新機能
- Extension API: Compose API がメッセージの編集および新規メッセージとしてテンプレートの保存をサポート
- 新機能
- Extension API: MailIdentity (メッセージ差出人) において composeHtml が利用可能となった
- 新機能
- Extension API: windows.update および windows.create が titlePreface をサポート
- 新機能
- Extension API: 新規アカウント API 機能: accounts.getDefault() および accounts.getDefaultIdentity(accountId)
- 変更
- Extension API: Compose API において、body および plainTextBody が setComposeDetails および begin* 関数における編集モードセレクターとして利用されるようになった
- 変更
- テーマ: ToDo タブにおいて、項目の詳細周囲の二重ボーダーラインを除去
- 修正
- アカウントマネージャー: 最後に残っているアカウントを削除したときに、既定のアカウントの情報が除去されず存在しないアカウントが指定されたままになっていた問題を修正
- 修正
- OpenPGP: 空白から始まる行を含むインラインメッセージの署名検証に失敗する問題を修正
- 修正
- OpenPGP: 多くのバグ修正および安定性に関する修正
- 修正
- メッセージウインドウ: Windows 10 の「ハイコントラスト 黒」テーマにおいて、マウスをホバーするとクイックフィルターバーのボタンが消えてしまう問題を修正
- 修正
- テーマ: ダークモードのフォルダーのプロパティーダイアログにおいて、背景、文字色ともに黒になっている問題を修正
- 修正
- テーマ: Windows 10 のハイコントラストテーマにおいて、メッセージ編集ウインドウの受取人欄が見えなくなる問題を修正
- 修正
- Extension API: 既定のツールバー以外に配置された browserAction ボタンが再起動後に修復されない問題を修正
- 修正
- Extension API: browser.compose.beginNew によって差出人ごとのテキストメールの設定を上書きできない問題を修正
- 修正
- Extension API: browser.compose.beginForward が ComposeDetails を無視する問題を修正
- 修正
- Extension API: browser.compose.setComposeDetails が Windows スタイルの行末を適切に扱えない問題を修正
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 6 件、重要度区分において 高 3 件、中 3 件が修正されている。
- CVE-2021-23953
- Cross-origin information leakage via redirected PDF requests
- CVE-2021-23954
- Type confusion when using logical assignment operators in JavaScript switch statements
- CVE-2020-15865
- IMAP Response Injection when using STARTTLS
- CVE-2020-26976
- HTTPS pages could have been intercepted by a registered service worker when they should not have been
- CVE-2021-23960
- Use-after-poison for incorrectly redeclared JavaScript variables during GC
- CVE-2021-23964
- Memory safety bugs fixed in Thunderbird 78.7
既知の問題
- 未解決
- macOS Big Sur において Thunderbird のパフォーマンスが低下する
Thunderbird 78.7.0 で修正された全ての問題は Mozilla.org bugs fixes (英語) を参照されたい。
その他、Thunderbird 78.7.0 についての一般的な情報は Thunderbird 78.7.0 リリースノート を参照いただきたい。
アップデート及びシステム要件
Thunderbird 78.7.0 は Windows, Mac, Linux 版が用意され、Mozilla ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、50 以上の言語に対応した各国語版は 各国語版のダウンロード よりダウンロードできる。既存の Thunderbird 68 以降のユーザには自動アップデート経由で通知されるが、ヘルプメニューの “Thunderbird について” より手動でアップデートすることも可能だ。
Thunderbird 78.7.0 の利用に必要なシステム要件については、Thunderbird 78.7.0 システム要件 を参照されたい。Firefox 78 と同様 Linux における最低システム要件が変更されており、GNU libc 2.17, libstdc++ 4.8.1, GTK+ 3.14 以降が必要となる (バージョン 68 までは GNU libc 2.17, libstdc++ 4.7 以降であった)。
- ダウンロード:
- Mozilla
- リリースノート:
- Thunderbird 78.7.0 リリースノート
- セキュリティアドバイザリ:
- MFSA 2021-05
- 修正されたバグ:
- Bug Fixes (英語)