Firefox 79 がリリースされた
Mozilla は米国時間 2020 年 7 月 28 日、安定性及びセキュリティ問題の修正を含む Firefox のメジャーアップデート版である Firefox 79.0 をリリースした。延長サポート版である Firefox ESR もバージョン 78.1.0 および 68.11.0 にアップデートされている。
Firefox 79 は macOS バージョン 10.9, 10.10, 10.11 をサポートしない。これらのバージョンの macOS を利用している場合には、延長サポート版 (ESR) 78.x が来年まで継続してリリースされるためそちらへ移行されたい。
Firefox 79.0 での新機能や改良点、セキュリティ修正、既知の問題は次のとおり。
新機能及び改良点
- 新機能
- WebRender が AMD GPU 搭載のバッテリー環境の Windows ユーザーで利用可能となった
- 新機能
- Pocket からのおすすめ がドイツの利用者に表示されるようになった。新しいタブに Pocket の記事が表示されない場合は サポート記事 を参照されたい
- 修正
- JAWS スクリーンリーダー使用時に頻繁にクラッシュするなど、スクリーンリーダー使用時のクラッシュに関する複数の問題が修正された
- 修正
- スクリーンリーダー使用時に、開発者ツールのいくつかのツールにアクセスできない問題を修正
- 修正
- スクリーンリーダーなどに対して、SVG の title および desc 要素 (ラベルおよび詳細) が適切に展開されるようになった
- Enterprise
- エンタープライズ用途向けの詳細は Firefox for Enterprise 79 リリースノート を参照されたい
- Enterprise
- パスワードポリシー が更新され、管理者がユーザーに対してマスターパスワードを強制することが可能となった。これまでは、マスターパスワードを無効化することは可能だったが強制することはできなかった。このポリシーによりマスターパスワードを強制されたユーザーは、パスワードを保存しようとしたときにマスターパスワードの設定を求められる
- 開発者
- 非同期コールスタック が追加され、非同期コードの追跡が可能となった。非同期実行チェーンはデバッガーのコールスタックに表示されるだけでなく、コンソールエラーとネットワークパネルの「初期化」列に表示される
- 開発者
- ステータスコード 4xx/5xx を伴う誤ったネットワーク応答が コンソールにエラーとして表示されるようになった
- 開発者
- JavaScript エラーがコンソールだけでなくデバッガーにも表示されるようになった。関連する行がハイライト表示されるほか、ホバーでエラーの詳細が表示される
- 開発者
- インスペクターから SCSS および CSS-in-JS のソースを開く際に、すべてのパネルを跨いだソースマップハンドリングを反映するようになった
- 開発者
- すべての利用者に対して アクセシビリティプロパティの調査 がブラウザーのコンテキストメニューから可能となった
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 10 件、重要度区分において 高 4 件、中 3 件、低 3 件が修正されている。
- CVE-2020-15652
- Potential leak of redirect targets when loading scripts in a worker
- CVE-2020-6514
- WebRTC data channel leaks internal address to peer
- CVE-2020-15655
- Extension APIs could be used to bypass Same-Origin Policy
- CVE-2020-15653
- Bypassing iframe sandbox when allowing popups
- CVE-2020-6463
- Use-after-free in ANGLE gl::Texture::onUnbindAsSamplerTexture
- CVE-2020-15656
- Type confusion for special arguments in IonMonkey
- CVE-2020-15658
- Overriding file type when saving to disk
- CVE-2020-15657
- DLL hijacking due to incorrect loading path
- CVE-2020-15654
- Custom cursor can overlay user interface
- CVE-2020-15659
- Memory safety bugs fixed in Firefox 79
Firefox 79.0 で修正された全ての問題は Mozilla.org bugs fixes (英語) を、一般的な情報は リリースノート を、開発者向けの情報は MDN および Mozilla Developer YouTube チャネル を参照されたい。
アップデート及びシステム要件
Firefox 79.0 は Windows, Mac そして Linux 版が用意され、Mozilla ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、80 以上の言語に対応した各国語版は 次世代ブラウザ Firefox – 各国語版のダウンロード よりダウンロード可能となっている。また、既存の Firefox 4 以降のユーザには自動アップデート経由で通知されるが、Firefox メニューの “Firefox について” より手動でアップデートすることも可能だ。
Firefox 79.0 の利用に必要なシステム要件については、Firefox 79 システム要件 を参照されたい。macOS における OS 要件および Linux におけるシステム要件の変更に注意されたい。
- ダウンロード:
- 79.0, ESR 78.1.0, ESR 68.11.0
- リリースノート:
- 79.0, ESR 78.1.0, ESR 68.11.0
- セキュリティアドバイザリ:
- MFSA 2020-30 (79.0), MFSA 2020-32 (ESR 78.1.0), MFSA 2020-31 (ESR 68.11.0)
- 修正されたバグ:
- 79.0, ESR 78.1.0, ESR 68.11.0 (英語)