SeaMonkey 2.53.1 がリリースされた
Mozilla Application Suite の開発をコミュニティベースで継続している The SeaMonkey® Project は米国時間 2020 年 2 月 28 日、安定性及びセキュリティ問題を修正を含む SeaMonkey のメジャーアップデート版である SeaMonkey 2.53.1 をリリースした。
SeaMonkey 2.53.1 は Firefox ESR 60.3 と同じレンダリングエンジン Gecko 60 を搭載しており、バックエンドも Firefox ESR 60.3/Thunderbird 60.3 相当となっている。アプリケーションの内容としては、これまで通りブラウザ、メール & ニュースクライアント、Web 開発ツールを搭載したオールインワンパッケージとなっている。
ユーザープロファイルの構成の変更に伴い、以下の注意点がある。
- マスターパスワードを利用している場合にはバージョン 2.53.1 へのアップデートの前にこれを解除する必要がある。設定メニューの「マスターパスワードを変更」から、パスワード欄を空白にすることでマスターパスワードを解除できる。「パスワードのリセット」機能を使うと、保存されているすべてのログイン情報が削除されるため注意が必要である。
- アップデートの完了後には、プロファイルフォルダー内の key3.db および cert8.db の 2 つのファイルを削除する必要がある。これはログイン情報を含む古い形式のファイルである。
長らく同梱されていなかった Chatzilla、DOM Inspector、Lightning に加え、SeaMonkey Debug and QA UI が本リリースには同梱されている。
新機能及び改良点
このアップデートでは、Firefox ESR 60.3/Thunderbird 60.3 相当の機能修正が行われているほか、以下の SeaMonkey 固有の修正が行われている。
- SeaMonkey
- ブックマークマネージャーがブラウジングライブラリーに名称変更され、履歴も含まれるようになった。これは Mozilla Gecko プラットフォームの API 変更によるものである
- SeaMonkey
- ダウンロードマネージャーが新しい API に移行された。大幅な改善が行われているが、検索オプションが機能しないほか、小さな変更がある。また、以前のダウンロード履歴はアップデートの際に削除される
- SeaMonkey
- CSS グリッドツールにレイアウトパネルが追加された
- SeaMonkey
- TLS 1.3 が既定で有効となった
- SeaMonkey
- Thunderbird からバックポートされた EFAIL 脆弱性に関する修正を含む、プラットフォーム全体及びメール機能に関する修正
- SeaMonkey
- Lunix: gtk3 を使用するようになった。これにより問題が起きた場合には、バグを登録し Switch Linux builds to GTK3 with SeaMonkey 2.49 に関連付けされたい。SeaMonkey だけでなく Thunderbird、Firefox においても同様の問題が発生している
セキュリティ修正
本項執筆時点で、新機能および改良点の詳細は公開されていないが、 Firefox ESR 60.3/Thunderbird 60.3 相当のセキュリティ修正に加え、Firefox 72 系列からのバックポートによるセキュリティ修正が行われている。
SeaMonkey 2.53.1 は Windows, Mac, Linux 版が用意され、SeaMonkey Project ウェブサイト より日本語を含む 20 言語に対応した各言語版がダウンロード可能である。ほとんどの環境において既存の SeaMonkey ユーザへの自動アップデート経由での通知および手動でのアップデートは提供されていないため、インストーラをダウンロードし既存のバージョンに上書きインストールする必要がある。
- ダウンロード:
- SeaMonkey 2.53.1
- リリースノート:
- Release notes