Firefox 47 がリリースされた
Mozilla は米国時間 2016 年 6 月 7 日、安定性及びセキュリティ問題の修正を含む Firefox のメジャーアップデート版である Firefox 47.0 をリリースした。延長サポート版 である Firefox ESR 45.2.0 も継続してリリースされている。
Firefox 47.0 での新機能や改良点、セキュリティ修正、既知の問題は次のとおり。
新機能及び改良点
- 新機能
- Windows 版と Mac 版で Google の Widevine CDM を利用できるようになり、その結果、Amazon Video のようなストリーミングサービスを、Sliverlight から暗号化された HTML5 に切り替えて利用できるようになった
- 新機能
- 高速なマシンをでは VP9 コーデックを利用できるようになった
- 新機能
- Flash がインストールされていない場合、ページに埋め込まれた Youtube の動画再生を HTML5 の video 要素を用いて行うようになった
- 新機能
- スマートフォンや他の端末で開いたタブの一覧表示や検索をサイドバーで行えるようになった
- 新機能
- 進む、戻るを行った際に、https で配信されるリソースの no-cache が可能になった
- 新機能
- ラトガレ語をロケールに追加
- 変更
- FUEL (Firefox User Extension Library) を削除
- 変更
- e10s の性能に関する問題を避けるため、browser.sessionstore.restore_on_demand の値を標準の true にリセット
- 変更
- click-to-active プラグインのホワイトリスト を削除
- 開発者
- Web 開発者向けの変更点の詳細はこちら を参照
- 開発者
- 登録済みの ServieWorker の一覧と起動、デバッグを Service Worker 開発ツールで行えるようになった
- 開発者
- プッシュメッセージをシミュレートする機能を Service Worker 開発ツールに実装
- 開発者
- about:debugging 内に登録された Service Worker を起動する「開始」ボタンを追加
- 開発者
- 変更によるアドオン互換性への影響はこちら を参照
- 開発者
- ChaCha20/Poly1305 暗号スイートに対応
- 開発者
- レスポンシブデザインモードで、ユーザエージェントを変更できるようになった
- 開発者
- コンソールで複数行の入力が可能になった
- HTML5
- TextTrack オブジェクトで cuechange イベント が利用できるようになった
- HTML5
- WebCrypto:PBKDF2 が SHA2 アルゴリズムをサポート
- HTML5
- WebCrypto:RSA-PSS 署名に対応
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 13 件、重要度区分において 最高 2 件、高 5 件、中 4 件、低 2 件が修正されている。
- MFSA 2016-61
- Network Security Services (NSS) の脆弱性
- MFSA 2016-60
- Java アプレットによる CSP 保護の回避
- MFSA 2016-59
- CSS 擬似クラスを通じた無効プラグインの情報漏えい
- MFSA 2016-58
- ユーザの同意なくフルスクリーンと継続的ポインタロックが有効になる
- MFSA 2016-57
- 許可設定通知内のアイコン誤表示
- MFSA 2016-56
- WebGL 操作中、リサイクルプール破棄後にテクスチャが使用された場合の解放後使用
- MFSA 2016-55
- Mozilla Windows アップデータを通じたファイル上書きと特権昇格
- MFSA 2016-54
- data URI を通じた location.host 設定による不完全な同一配信元ポリシー適用
- MFSA 2016-53
- WebGL シェーダーによる境界外書き込み
- MFSA 2016-52
- SELECT 要素を通じたロケーションバー偽装
- MFSA 2016-51
- contenteditable ドキュメントからのテーブル削除時に生じる解放後使用
- MFSA 2016-50
- HTML5 フラグメント解析時のバッファオーバーフロー
- MFSA 2016-49
- 様々なメモリ安全性の問題 (rv:47.0 / rv:45.2)
既知の問題
- 未解決
- Windows 版:印刷のプレビューに関する不具合がある。回避策はこちら を参照 (Bug 1276717)
Firefox 47.0 で修正された全ての問題は Mozilla.org bugs fixes (英語) を、一般的な情報は リリースノート を、開発者向けの情報は MDN を参照されたい。
アップデート及びシステム要件
Firefox 47.0 は Windows, Mac そして Linux 版が用意され、Mozilla Japan ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、80 以上の言語に対応した各国語版は 次世代ブラウザ Firefox – 各国語版のダウンロード よりダウンロード可能となっている。また、既存の Firefox 4 以降のユーザには自動アップデート経由で通知されるが、Firefox メニューの “Firefox について” より手動でアップデートすることも可能だ。
Firefox 47.0 の利用に必要なシステム要件については、Firefox 47 システム要件 を参照されたい。
- ダウンロード:
- 47.0, ESR 45.2.0
- リリースノート:
- 47.0, ESR 45.2.0
- セキュリティアドバイザリ:
- 47.0, ESR 45.2.0
- 修正されたバグ:
- 47.0, ESR 45.2.0 (英語)