Firefox 41 がリリースされた
Mozilla は米国時間 2015 年 9 月 22 日、安定性及びセキュリティ問題の修正を含む Firefox のメジャーアップデート版である Firefox 41.0 をリリースした。延長サポート版 である Firefox ESR 38.3.0 も継続してリリースされている。
Firefox 41.0 での新機能や改良点、セキュリティ修正、既知の問題は次のとおり。
新機能及び改良点
- 新機能
- TSF (Text Services Framework) の利用により、Windows Vista 以降での IME サポートが向上
- 新機能
- Firefox アカウントのプロフィールに写真を設定できるようになった
- 新機能
- Firefox Hello にインスタントメッセージ機能を追加
- 新機能
- SVG 画像が favicon として利用できるようになった
- 新機能
- box-shadow の描画がより高速になった
- 変更
- WebRTC の利用には、PFS (Perfect Forward Security) が必須となった
- 変更
- Windows 7 において、WARP を無効化
- 変更
- 画像のデコードの高速化
- 変更
- ‘transform’ や ‘opacity’ を利用するアニメーションの、コンポジッタースレッドでの実行を有効化
- HTML5
- MessageChannel と MessagePort API が標準で利用できるようになった
- HTML5
- SVG 要素の transform-origin 属性を実装
- HTML5
- CSS Font Loading API が標準で利用できるようになった
- HTML5
- Navigator.onLine で、実際の接続状況を取得できるようになりました (Windows と Mac OS X のみ)
- HTML5
- document.execCommand(“cut”) / document.execCommand(“copy”) を利用して、Web コンテンツのコピーとカットができるようになった
- HTML5
- Cache API が実装され、window / Worker / ServiceWorker から名前付きキャッシュに対する問い合わせができるようになった
- 開発者
- バイナリ XPCOM コンポーネントをサポートしなくなった。ネイティブバイナリを利用するためには、アドオン SDK にある system/child_process のパイプ機構を利用する必要がある
- 開発者
- ネットワークリクエストを HAR 形式でエクスポートできるようになりました
- 開発者
- インスペクタに CSS ルールを追加するボタン を追加
- 開発者
- マークアップビューで選択した要素のスクリーンショットを撮ることができるようになった。スクリーンショットの撮影は、コンテキストメニューから行う
- 開発者
- インスペクタで、CSS のルール宣言をコピーできるようになった。コピーはコンテキストメニューから行う
- 開発者
- インスペクタに擬似要素パネル を追加
- 修正
- リサイズやビューポートの変更時に picture 要素が追随しない不具合を修正
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 19 件、重要度区分において 最高 4 件、高 5 件、中 9 件、低 1 件が修正されている。
- MFSA 2015-114
- High Resolution Time API を通じた情報漏えい
- MFSA 2015-113
- ANGLE グラフィックスライブラリの libGLES におけるメモリ安全性問題
- MFSA 2015-112
- コード監査を通じて発見された一連の脆弱性
- MFSA 2015-111
- CORS 事前リクエストヘッダ処理における間違い
- MFSA 2015-110
- 画像のドラッグ&ドロップによってリダイレクト後の最終 URL が露呈される
- MFSA 2015-109
- JavaScript 不変プロパティの強制を回避できてしまう
- MFSA 2015-108
- スクリプトによって作成されたプロキシが内部ウィンドウにアクセスできてしまう
- MFSA 2015-107
- Linux 16 ビット色深度システム上での 2D Canvas 表示中の境界外読み取り
- MFSA 2015-106
- HTML メディアコンテンツ操作中の解放後使用
- MFSA 2015-105
- WebM 動画デコード中のバッファオーバーフロー
- MFSA 2015-104
- 共有ワーカーと IndexedDB による解放後使用
- MFSA 2015-103
- リーダーモードにおける URL 偽装
- MFSA 2015-102
- JavaScript における SavedStacks とデバッガ使用時のクラッシュ
- MFSA 2015-101
- libvpx における VP9 形式動画解析中のバッファオーバーフロー
- MFSA 2015-100
- Mozilla アップデータを通じたローカルユーザによる任意のファイル改ざん
- MFSA 2015-99
- 未知のスキーマを持った URL の貼り付けによる Android 上でのサイト属性偽装
- MFSA 2015-98
- QCMS ライブラリにおける ICC V4 プロファイル属性による境界外読み取り
- MFSA 2015-97
- mozTCPSocket におけるサーバへのメモリリーク
- MFSA 2015-96
- 様々なメモリ安全性の問題 (rv:41.0 / rv:38.3)
Firefox 41.0 で修正された全ての問題は Mozilla.org bugs fixes (英語) を、一般的な情報は リリースノート を、開発者向けの情報は MDN を参照されたい。
アップデート及びシステム要件
Firefox 41.0 は Windows, Mac そして Linux 版が用意され、Mozilla Japan ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、80 以上の言語に対応した各国語版は 次世代ブラウザ Firefox – 各国語版のダウンロード よりダウンロード可能となっている。また、既存の Firefox 4 以降のユーザには自動アップデート経由で通知されるが、Firefox メニューの “Firefox について” より手動でアップデートすることも可能だ。
Firefox 41.0 の利用に必要なシステム要件については、Firefox 41 システム要件 を参照されたい。
- ダウンロード:
- 41.0, ESR 38.3.0
- リリースノート:
- 41.0, ESR 38.3.0
- セキュリティアドバイザリ:
- 41.0, ESR 38.3.0
- 修正されたバグ:
- 41.0, ESR 38.3.0 (英語)