Firefox 40 がリリースされた
Mozilla は米国時間 2015 年 8 月 11 日、安定性及びセキュリティ問題の修正を含む Firefox のメジャーアップデート版である Firefox 40.0 をリリースした。延長サポート版 である Firefox ESR 38.2.0 も継続してリリースされている。
Firefox 40.0 での新機能や改良点、セキュリティ修正、既知の問題は次のとおり。
新機能及び改良点
- 新機能
- Windows 10 をサポート
- 新機能
- 望ましくない可能性のあるソフトウェアに対するダウンロードの保護を行うようになった
- 新機能
- タイルのサジェスト機能 の実装 (en-US のみ有効)
- 新機能
- Hello の通話を始める際にサイトの URL を追加して、参加者へ話題や文脈を提供できるようになった
- 新機能
- アドオンマネージャのデザインが変更され、設定画面を同じウィンドウ内で表示するようになった
- 新機能
- GNU/Linux:非同期アニメーションにより、CSS アニメーションがよりスムーズかつ信頼性の高いものとなった
- 新機能
- グラフィックブロックリストが改善され、Firefox のバージョンを範囲で指定できるようになった
- 変更
- Mozilla によって署名されていないアドオンに対して警告が表示されるようになった
- 変更
- 初期化を非同期に行うことにより、NPAPI プラグインの性能が向上
- 変更
- Windows:ハードウェア vsync を利用することによりアニメーションとスクロールがより滑らかになった
- 変更
- JPEG 画像を拡大 / 縮小した際のメモリ使用量が少なくなり、描画が高速になった
- 変更
- HTTP 認証が必要な、画像やスクリプトといった、ページを構成する副次的な要素に対して認証用ダイアログを表示しなくなった
- HTML5
- 標準では、IndexedDB のトランザクションが永続的ではなくなった
- HTML5
- AudioBufferSourceNode の detune 属性が実装され、再生音を cent で調整できるようになった
- 開発者
- 開発ツール内のパフォーマンスツールが改善され、ウォーターフォールビュー、コールツリービュー、フレームチャートビューが利用できるようになった
- 開発者
- ツールチップから CSS フィルタの値を調整できるようになった
- 開発者
- SharedWorker と ServiceWorker からのコンソール API を利用したメッセージが、Web コンソールに出力されるようになった
- 開発者
- ルーラーとハイライトツールが更新され、ルールとハイライトの表示がより軽くなった
- 開発者
- Inspector でフレームをまたいだ検索が行えるようになった
- 修正
- カンナダ語の文が組み込みの PDF ビューワで正しく表示されない不具合を修正
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 14 件、重要度区分において 最高 4 件、高 7 件、中 2 件、低 1 件が修正されている。
- MFSA 2015-92
- 共有ワーカー使用時の XMLHttpRequest における解放後使用
- MFSA 2015-91
- Mozilla の Content Security Policy 実装が仕様に反してアスタリスクワイルドカードを許容している
- MFSA 2015-90
- コード監査を通じて発見された一連の脆弱性
- MFSA 2015-89
- Libvpx における WebM 動画デコード時のバッファオーバーフロー
- MFSA 2015-88
- gdk-pixbuf におけるビットマップ画像拡大縮小時のヒープオーバーフロー
- MFSA 2015-87
- JavaScript 内共有メモリ使用時のクラッシュ
- MFSA 2015-86
- POST 時の feed プロトコルによって混合コンテンツ制限が回避される
- MFSA 2015-85
- アップデータと悪質な MAR ファイルによる境界外書き込み
- MFSA 2015-84
- Mozilla Maintenance Service を通じたハードリンクによる任意のファイル上書き
- MFSA 2015-83
- libstagefright におけるオーバーフロー問題
- MFSA 2015-82
- 設定不能 JavaScript オブジェクトプロパティの再定義
- MFSA 2015-81
- MediaStream 再生時の解放後使用
- MFSA 2015-80
- 不正な MP3 ファイルによる境界外読み取り
- MFSA 2015-79
- 様々なメモリ安全性の問題 (rv:40.0 / rv:38.2)
既知の問題
- 未解決
- アドオンインストールによって Firefox が再起動された場合、プライベートブラウジングモードで進行中のダウンロードが警告無しにキャンセルされることがある (Bug 1185294)
- 未解決
- オフラインモードで起動が機能しない (Bug 1179779)
Firefox 40.0 で修正された全ての問題は Mozilla.org bugs fixes (英語) を、一般的な情報は リリースノート を、開発者向けの情報は MDN を参照されたい。
アップデート及びシステム要件
Firefox 40.0 は Windows, Mac そして Linux 版が用意され、Mozilla Japan ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、80 以上の言語に対応した各国語版は 次世代ブラウザ Firefox – 各国語版のダウンロード よりダウンロード可能となっている。また、既存の Firefox 4 以降のユーザには自動アップデート経由で通知されるが、Firefox メニューの “Firefox について” より手動でアップデートすることも可能だ。
Firefox 40.0 の利用に必要なシステム要件については、Firefox 40 システム要件 を参照されたい。
- ダウンロード:
- 40.0, ESR 38.2.0
- リリースノート:
- 40.0, ESR 38.2.0
- セキュリティアドバイザリ:
- 40.0, ESR 38.2.0
- 修正されたバグ:
- 40.0, ESR 38.2.0 (英語)