Thunderbird 38.0.1 がリリースされた
Mozilla は米国時間 2015 年 6 月 11 日、安定性及びセキュリティ問題を修正した Thunderbird のメジャーアップデート版である Thunderbird 38.0.1 をリリースした。
Thunderbird 38.0.1 は Firefox 38 と同じレンダリングエンジン Gecko 38 を搭載しており、バックエンドも Firefox 38.0 相当となっている。
Thunderbird 38.0.1 での新機能や改良点、セキュリティ修正、既知の問題は次のとおり。
新機能及び改良点
- 新機能
- GMail が OAuth2 認証をサポートしたため、「安全性の低いアプリによるアクセスを許可する」を Google のアカウント設定から選ばなくても GMail を利用できるようになった (Bug 849540)
- 新機能
- カレンダーアドオンである Lightning が同梱され、オプトアウトのダイアログが追加された (Bug 1113183)
- 新機能
- 送信済みトレイも検索できるようになった (Bug 11039)
- 新機能
- アーカイブされたメッセージも検索できるようになった (Bug 479823)
- 新機能
- 複数のアドレス帳を検索できるようになった。これにより全てのアドレス帳に対する検索も可能になった (Bug 170270)
- 新機能
- チャット機能が Yahoo メッセンジャーに対応した (Bug 955574)
- 新機能
- 国際化ドメインで配信されている RSS フィードに対応した (Bug 1018589)
- 新機能
- フォルダペイン列表示ができるようになった (Bug 464973)
- 新機能
- メッセージごとにファイルを作る形式 (maildir) で、ローカルにメッセージを保存できるようになった (Bug 845952)
- 新機能
- フィードの購読ダイアログに、サポートページへのリンクが追加された (Bug 1053782)
- 新機能
- チャットで既読位置を確認できるようになった (Bug 760762)
- 新機能
- Twitter のツイート入力欄に、入力できる残り文字数が表示されるようになった (Bug 736002)
- 変更
- メ署名に SHA-1 を利用できなくなった (Bug 1018259)
- 変更
- 次の利用されることが稀な文字集合をサポートしなくなった: T.61-8bit, non-encoding Mac encoders, VISCII, x-viet-tcvn5712, x-viet-vps x-johab, ARMSCII8 , map us-ascii to windows-1252, ISO-8859-6-I and -E and ISO-8859-8-E (Bug 1068505 など)
- 変更
- いくつかのサーバにおいて既読、削除といったメッセージの状態に齟齬が生じるため、IMAP の CONDSTORE オプションをサポートしなくなった (Bug 912216)
- 変更
- OpenSearch での検索が行われた場合、ユーザのデフォルトブラウザを起動するようになった (Bug 1120777)
- 変更
- XMPP と IRC では標準で SSL を利用するようになった。これにより自己証明書に起因する不具合が発生する可能性がある (Bug 1122567、Bug 1122666)
- 修正
- フォルダの復元時に返信済みや転送済みを示すアイコンが表示されないことがある不具合を修正 (bug 840418)
- 修正
- 別名で保存した添付ファイルが「保存したファイル」に表示されない不具合を修正 (bug 914517)
- 修正
- アドレスリストに届かないメールアドレスを追加後、そのアドレスをアドレス帳から削除するとアドレスリストのメールが失われる不具合を修正 (bug 628035)
- 修正
- RSS フィードで配信されている Web サイトが正しく描画されない不具合を修正 (bug 662907)
- 修正
- 先頭、もしくは末尾に空白文字が入っているメールアドレスが、メール作成時に [“foo”@bar.com] のように引用符つきで表示される不具合を修正 (bug 286760)
- 修正
- S/MIME 送信者が署名者の場合、Sender ヘッダを必ず表示するようになった (bug 332639)
- 修正
- アドレス補完時に候補が提示されている場合でも、赤色で表示される不具合を修正 (bug 1042561)
- 修正
- ステータスバーを操作できなくなることがある不具合を修正 (bug 934875)
- 修正
- ゴミ箱を空にする際に、誤ったフォルダが削除されることがある不具合を修正 (bug 1018960)
- 修正
- 巨大なフォルダ中のメールを受信する際に、UI を操作できなくなることがある不具合を修正 (bug 870556)
- 修正
- XMPP で複数人の参加する会話へ自動的に再接続するようになった (bug 1014472)
- 修正
- moznet 上の IRC 利用に関する様々な改善 (Bug 1083768 など)
- 修正
- XMPP のサポートが大きく向上 (Bug 1085022 など)
- 修正
- 標準的でない IRC ネットワークへの接続に関する不具合を修正 (bug 870556 など)
- 修正
- IRC 再接続時に、ニックネームを自動取得するようになった (bug 1087566)
- 修正
- メール作成時に行を移動すると、利用していたフォントの設定が保持されないことがある不具合を修正 (bug 756984)
- 修正
- インラインのスペルチェッカーがバックスペースを利用後、赤い下線を引かなくなることがある不具合を修正 (bug 1100966)
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は Firefox 38.0 に準じる。
既知の問題
- 未解決
- アドオンの互換性チェックが完了しないため、アドオンの中には互換性の有無が不確かなものがある
- 未解決
- プレーンテキストを編集中にコピー & ペーストを行うと、引用文から改行が削除される (bug 1143570)
- 未解決
- Outlook もしくは Eudora からデータをインポートすると、クラッシュすることがある (bug 917961)
Thunderbird 38.0.1 で修正された全ての問題は Mozilla.org bugs fixes (英語) を参照されたい。
その他、Thunderbird 38.0.1 についての一般的な情報は Thunderbird 38.0.1 リリースノート を参照いただきたい。
アップデート及びシステム要件
Thunderbird 38.0.1 は Windows, Mac そして Linux 版が用意され、Mozilla Japan ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、50 以上の言語に対応した各国語版は 各国語版のダウンロード よりダウンロード可能となっている。また、既存の Thunderbird 5 以降のユーザには自動アップデート経由で通知されるが、Thunderbird メニューの “Thunderbird について” より手動でアップデートすることも可能だ。
Thunderbird 38.0.1 の利用に必要なシステム要件については、Thunderbird 38.0.1 システム要件 を参照されたい。
- ダウンロード:
- Mozilla Japan
- リリースノート:
- Thunderbird 38.0.1 リリースノート
- 修正されたバグ:
- Bug Fixes (英語)