Firefox 31 がリリースされた
Mozilla は米国時間 2014 年 7 月 22 日、安定性及びセキュリティ問題の修正を含む Firefox のメジャーアップデート版である Firefox 31.0 をリリースした。延長サポート版 である Firefox ESR もバージョン 31.0 にアップデートされている (ESR 24.7.0 も継続してリリースされている)。
Firefox 31.0 での新機能や改良点、セキュリティ修正、既知の問題は次のとおり。
新機能及び改良点
- 新機能
- 新しく開いたタブに検索欄が追加された
- 新機能
- mozilla::pkix が標準の証明書検証器となった (詳細)
- 新機能
- ダウンロードされたファイル中のマルウェアがブロックされるようになった (詳細)
- 新機能
- OpenType MATH table の一部分が実装された。詳細は数学フォント、および MathML Torture テスト に関する文書を参照されたい
- 新機能
- Windows: アプリケーションが設定されていない場合、Firefox が ogg ファイルがの再生および pdf ファイルの表示を行うようになった
- 変更
- capability.policy.* を利用してサイト特有の許可設定を行う CAPS が削除された。最も大きな注意点として、CAPS を利用してクリップボードへのアクセス許可を行えなくなった。checkloaduri は唯一の例外として、以前と同様、file:// URL からのロードの許可のために利用できる
- 変更
- 日本語ロケール:検索エンジンに Bing が追加された
- HTML5
- WebVTT が実装され、利用できるようになった (詳細)
- HTML5
- CSS variables が実装された (詳細)
- 開発者
- 開発ツール:アドオンデバッガが利用できるようになった (詳細)
- 開発者
- 開発ツール:Canvas デバッガが利用できるようになった (詳細)
- 開発者
- Array.prototype.fill() が利用できるようになった (詳細)
- 開発者
- Object.setPrototypeOf() が利用できるようになった (詳細)
- 開発者
- CSP 1.1 の nonce-source と hash-source が標準で利用できるようになった
- 開発者
- 開発ツール:カラーピッカーにスポイトが追加された (詳細)
- 開発者
- 開発ツール:表示されているボックスモデル中の数値を編集できるようになった (詳細)
- 開発者
- 開発ツール:エディタにさまざまな機能が追加された (詳細)
- 開発者
- 開発ツール:コンソールにスタックトレースが表示できるようになった (詳細)
- 開発者
- 開発ツール:cURL 形式でコピーできるようになった (詳細)
- 開発者
- 開発ツール:コンソールへログをスタイル付きで出力できるようになった (詳細)
- 開発者
- navigator.sendBeacon が標準で利用できるようになった (詳細)
- 開発者
- onbeforeunload イベントで生成されたダイアログが、ブラウザの他の部分へのアクセスをブロックしなくなった
- 修正
- 部分的に選択されたリンクテキストを利用したコンテキストメニューからの検索に関する不具合を修正 (Bug 985824)
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 11 件、重要度区分において最高 3 件、高 5 件、中 2 件、低 1 件が修正されている。
- MFSA 2014-66
- リダイレクトを通じた iframe サンドボックスの同一生成元アクセス
- MFSA 2014-65
- 非標準文字エンコーディングによる誤った証明書解析
- MFSA 2014-64
- 高品質画像拡大時の Skia ライブラリにおけるクラッシュ
- MFSA 2014-63
- 信頼済みキャッシュにおける証明書操作時の解放後使用
- MFSA 2014-62
- Cesium JavaScript ライブラリ使用時の WebGL における悪用可能なクラッシュ
- MFSA 2014-61
- FireOnStateChange イベントによる解放後使用
- MFSA 2014-60
- ツールバーダイアログカスタマイズイベントの偽装
- MFSA 2014-59
- DirectWrite フォント処理における解放後使用
- MFSA 2014-58
- 誤った制御メッセージ順に起因する Web Audio における解放後使用
- MFSA 2014-57
- Web Audio 再生バッファリング中のバッファオーバーフロー
- MFSA 2014-56
- 様々なメモリ安全性の問題 (rv:31.0 / rv:24.7)
既知の問題
- 未解決
- Firefox の終了が遅いため、「Firefox は起動していますが応答しません」と表示される場合がある (Bug 966469 および Bug 985655)
- 未解決
- PDF.js:いくつかのフォントで、いくつかの文字が表示されないことがある。この現象はごく少数の PDF ファイルで発生する (Bug 1028735)
- 未解決
- Mac OS および Windows:Citrix Receiver が動作しない。アドオンマネージャでプラグインを常に有効にすることで回避可能 (Bug 1025627)
- 未解決
- GNU/Linux および Windows XP:Google Maps のストリートビューが正しく動作せず、画面が黒くなることがある (Bug 1034593, Firefox 32.0a2 で修正済み)
- 未解決
- Mac OS X: ウィンドウがない場合に Cmd-L を押しても新しいウィンドウが開かれません。 (Bug 1008793, Firefox 32.0a2 で修正済み)
Firefox 31.0 で修正された全ての問題は Mozilla.org bugs fixes (英語) を、一般的な情報は リリースノート を、開発者向けの情報は MDN を参照されたい。
アップデート及びシステム要件
Firefox 31.0 は Windows, Mac そして Linux 版が用意され、Mozilla Japan ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、85 以上の言語に対応した各国語版は 次世代ブラウザ Firefox – 各国語版のダウンロード よりダウンロード可能となっている。また、既存の Firefox 4 以降のユーザには自動アップデート経由で通知されるが、Firefox メニューの “Firefox について” より手動でアップデートすることも可能だ。
Firefox 31.0 の利用に必要なシステム要件については、Firefox 31 システム要件 を参照されたい。
- ダウンロード:
- Mozilla Japan
- リリースノート:
- Firefox 31.0 リリースノート
- セキュリティアドバイザリ:
- Firefox 31 で修正済み
- 修正されたバグ:
- Complete list of changes in the Firefox 31 (英語)