SeaMonkey 2.24 がリリースされた
Mozilla Application Suite の開発をコミュニティベースで継続している The SeaMonkey® Project は米国時間 2014 年 2 月 6 日、安定性及びセキュリティ問題を修正を含む SeaMonkey のメジャーアップデート版である SeaMonkey 2.24 をリリースした。
SeaMonkey 2.24 は Firefox 27 と同じレンダリングエンジン Gecko 27 を搭載しており、バックエンドも Firefox 27/Thunderbird 27 Beta 相当となっている。アプリケーションの内容としては、これまで通りブラウザ、メール & ニュースクライアント、Chatzilla、Web 開発ツールを搭載したオールインワンパッケージとなっている。
SeaMonkey 2.24 での新機能や改良点、セキュリティ修正、既知の問題は次のとおり。
新機能及び改良点
- SeaMonkey
- DoNotTrack と履歴の消去のプロンプトに関する設定が、Sync で同期されるようになった。
- SeaMonkey
- 設定値 mailnews.p7m_external が追加され、application/pkcs7-mime ハンドリングを選択することができるようになった。
- SeaMonkey
- Atom Threading Extensions (RFC 4685) がサポートされた。
- SeaMonkey
- Thunderbird からの移行で、新しい signons ファイルフォーマットがサポートされた (以前のフォーマットのサポートは終了された)。
- SeaMonkey
- ドロップダウンメニュー (ロケーションバー、Open Location ダイアログなど) でのオートコンプリートで、エントリの favicon が表示されるようになった。
- SeaMonkey
- 新着メッセージの確認時に、すべてのメッセージについてアカウント名がステータスバーに表示されるようになった。
- SeaMonkey
- IMAP アラートメッセージにおいて、対応するメールアカウントのサーバが表示されるようになった。
- SeaMonkey
- ニュースグループの購読ダイアログにおいて、ニュースグループ名が検索対象に含まれるようになった。
- 変更
- ログイン情報のインポートにおいて、古い signons.txt フォーマット (Base64 変換を含む) のサポートが終了された。 (bug 717490)
- 変更
- TLS 1.1 (RFC 4346) と TLS 1.2 (RFC 5246) がデフォルトで有効になった。
- 変更
- SPDY 3.1 をサポートした。
- 開発者
- ‘all:unset‘ を利用してスタイルをリセットできるようになった。
- 開発者
- fieldset 要素の overflow 属性が実装され、fieldset 内でのスクロールが可能になった。
- 開発者
- セキュリティ向上のため、iframe サンドボックスで allow-popups ディレクティブが利用できるようになった。
- 開発者
- CSS の cursor 属性値である -moz-grab と -moz-grabbing をベンダ接頭辞をつけなくても利用できるようになった。
- 開発者
- SpiderMonkey が ECMAScript 6 の generator をサポートした。
- 開発者
- ECMAScript 6 の関数 Math.hypot() を利用できるようになりました。
- HTML5
- Canvas が破線をサポートした。
- 修正
- Linux 上でのコンテントレンダリングに Azure/Skia が利用できるようになった。 (Bug 762761)
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 11 件、重要度区分において最高 4 件、高 4 件、中 3 件が修正されている。
- MFSA 2014-13
- Window オブジェクトに対するアクセスの JavaScript 処理に一貫性がない
- MFSA 2014-12
- NSS のチケット処理に関する問題
- MFSA 2014-11
- Web ワーカーと asm.js によるクラッシュ
- MFSA 2014-09
- Web ワーカーを通じたクロスオリジン情報漏えい
- MFSA 2014-08
- imgRequestProxy と画像処理による解放後使用
- MFSA 2014-07
- Content Security Policy において XSLT スタイルシートがスタイルとして扱われる
- MFSA 2014-05
- iframe 上の *FromPoint による情報漏えい
- MFSA 2014-04
- RasterImage による破棄された画像の誤使用
- MFSA 2014-03
- ダウンロード確認ダイアログに UI 選択タイムアウトが実装されていない
- MFSA 2014-02
- 保護されたコンテンツが XBL スコープを用いて複製される
- MFSA 2014-01
- 様々なメモリ安全性の問題 (rv:27.0 / rv:24.3)
SeaMonkey 2.24 での修正は New Features and Fixes を参照されたい。
アップデート及びシステム要件
SeaMonkey 2.24 は Windows, Mac, Linux 版が用意され、SeaMonkey Project ウェブサイト より日本語を含む 24 言語に対応した各言語版がダウンロード可能である。既存の SeaMonkey ユーザには自動アップデート経由で通知されるが、手動でアップデートすることも可能だ。
SeaMonkey 2.24 の利用に必要なシステム要件については、System Requirements を参照されたい。
- ダウンロード:
- SeaMonkey® Project
- リリースノート:
- SeaMonkey 2.24 release notes
- セキュリティアドバイザリ:
- SeaMonkey 2.24 で修正済み
- 修正されたバグ:
- New Features and Fixes (英語)