SeaMonkey 2.19 がリリースされた
Mozilla Application Suite の開発をコミュニティベースで継続している The SeaMonkey® Project は米国時間 2013 年 7 月 2 日、安定性及びセキュリティ問題を修正を含む SeaMonkey のメジャーアップデート版である SeaMonkey 2.19 をリリースした。
本来 Firefox 21 に合わせてリリースされるはずであった SeaMonkey 2.18 は、ビルドシステムのハードウェアトラブルのためリリースが取りやめとなっており、SeaMonkey2.19 が SeaMonkey 2.17 以来のメジャーバージョンアップとなる。
SeaMonkey 2.19 は Firefox 22 と同じレンダリングエンジン Gecko 22 を搭載しており、バックエンドも Firefox 22/Thunderbird 22Beta 相当となっている。アプリケーションの内容としては、これまで通りブラウザ、メール & ニュースクライアント、Chatzilla、Web 開発ツールを搭載したオールインワンパッケージとなっている。
SeaMonkey 2.19 での新機能や改良点、セキュリティ修正は次のとおり。
新機能及び改良点
2.19
- SeaMonkey
- 「マーク」→「既読にする」が、選択したすべてのメッセージに効果を及ぼすようになった
- SeaMonkey
- 混在したコンテンツのブロックに関する通知が改善された
- SeaMonkey
- サードパーティーの Cookie の受け入れについて「訪問したサイトのみ」が追加された
- SeaMonkey
- テキストエリアと入力フィールドにおいてコンテキストメニューからの検索が可能となった
- SeaMonkey
- データマネージャにおいて、ウェブサイトのストレージが利用可能となった
- SeaMonkey
- ダウンロードの途中でも「保存フォルダを開く」が可能となった
- 新機能
- asm.js による最適化 (OdinMonkey) が利用可能になり,これによってパフォーマンスが向上した
- 変更
- Canvas が非同期に更新されるようになり、WebGL の描画性能が向上した
- 変更
- テキストファイル表示時に単語を折り返して表示 (word-wrap) するようになった
- 変更
- セキュリティ向上のため、|Components| オブジェクトを Web コンテントから参照できなくなった
- 変更
- 画像描画のメモリ使用量とスピードの向上
- 変更
- Pointer Lock API がフルスクリーン表示以外でも利用可能になった
- 開発者
- CSS3 の Flexbox が実装され、デフォルトで利用可能になった
- 開発者
- 新しい Web Notifications API を実装
- 開発者
- clipboardData API が追加され、JavaScript からユーザのクリップボードへアクセスできるようになった
- HTML5
- <data>要素と<time>要素が利用可能になった
2.18
- SeaMonkey
- プライベートブラウジングがサポートされた
- SeaMonkey
- マルウェアやフィッシングサイトをブロックするセーフブラウジングがサポートされた
- SeaMonkey
- メールの新着通知に件名、送信者、テキストのプレビューが表示されるようになった
- 変更
- CSS -moz-user-select:none の振る舞いを -webkit-user-select:none 互換へ変更 (Bug 816298)
- 変更
- グラフィックに関する性能を改善 (Bug 809821)
- 変更
- SpiderMonkey から E4X サポートを削除
- HTML5
- <main> 要素をサポート
- HTML5
- style 要素の scope 属性を実装
- 修正
- ファンクションキーを押した時に機能しないことがある問題を修正 (Bug 833719)
セキュリティ修正
このアップデートでは Firefox 21, 22 に相当するセキュリティフィックスが行われているが、本稿執筆時点でセキュリティアドバイザリは更新されていない。
SeaMonkey 2.19 での修正は New Features and Fixes を、既知の問題は Known Issues を、SeaMonkey 2.19 についての一般的な情報は Release Note を参照いただきたい。
アップデート及びシステム要件
SeaMonkey 2.19 は Windows, Mac, Linux 版が用意され、SeaMonkey Project ウェブサイト より日本語を含む 24 言語に対応した各言語版がダウンロード可能である。既存の SeaMonkey ユーザには自動アップデート経由で通知されるが、手動でアップデートすることも可能だ。
- ダウンロード:
- SeaMonkey® Project
- リリースノート:
- Release Note
- 修正されたバグ:
- New Features and Fixes (英語)