SeaMonkey 2.16 がリリースされた
Mozilla Application Suite の開発をコミュニティベースで継続している The SeaMonkey® Project は米国時間 2013 年 2 月 21 日、安定性及びセキュリティ問題を修正を含む SeaMonkey のメジャーアップデート版である SeaMonkey 2.16 をリリースした。
SeaMonkey 2.16 は Firefox 19 と同じレンダリングエンジン Gecko 19 を搭載しており、バックエンドも Firefox 19/Thunderbird 17.0.3 相当となっている。アプリケーションの内容としては、これまで通りブラウザ、メール & ニュースクライアント、Chatzilla、Web 開発ツールを搭載したオールインワンパッケージとなっている。
SeaMonkey 2.16 での新機能や改良点、セキュリティ修正、既知の問題は次のとおり。
新機能及び改良点
- SeaMonkey
- メーリングリストへの返信のサポート (bug 654009, bug 814948)
- SeaMonkey
- SSL に関連する警告プロンプトがより抑制的な非モーダルな通知バーに置き換えられた (bug 810673)
- 変更
- HTML の拡大アルゴリズムを改良し、画像の表示品質を向上
- 変更
- Canvas 要素に描かれた画像を canvas.Blob() を利用して出力できるようになった
- HTML5
- CSS @page のサポート
- HTML5
- CSS Viewport-percentage lengths の実装 (vh, vw, vmin, vmax)
- HTML5
- CSS text-transform の full-width のサポート
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 8 件、重要度区分において最高 4 件、高 2 件、中 2 件が修正されている。
- MFSA 2013-28
- Address Sanitizer を使って発見された解放後使用、境界外読み取り、バッファオーバーフローの問題
- MFSA 2013-27
- 悪質なプロキシを通じた HTTPS 接続上でのフィッシング
- MFSA 2013-26
- nsImageLoadingContent における解放後使用
- MFSA 2013-25
- JavaScript ワーカーにおける情報漏えい
- MFSA 2013-24
- Web コンテンツによる COW と SOW の回避
- MFSA 2013-23
- ラップされた WebIDL オブジェクトをさらにラップできてしまう問題
- MFSA 2013-22
- 画像描画時の境界外読み取り
- MFSA 2013-21
- 様々なメモリ安全性の問題 (rv:19.0 / rv:17.0.3)
SeaMonkey 2.16 での全ての修正は New Features and Fixes を、既知の問題や一般的な情報は Release Note を参照いただきたい。
アップデート及びシステム要件
SeaMonkey 2.16 は Windows, Mac, Linux 版が用意され、SeaMonkey Project ウェブサイト より日本語を含む 26 言語に対応した各言語版がダウンロード可能である。既存の SeaMonkey ユーザには自動アップデート経由で通知されるが、手動でアップデートすることも可能だ。
SeaMonkey 2.16 ではシステム要件が変更されており、Windows 2000 および XP SP1 以前への対応及び Intel Mac 環境での Mac OS X v10.5 (Leopard) への対応が打ち切りとなっている。
- ダウンロード:
- SeaMonkey® Project
- リリースノート:
- SeaMonkey 2.16 Release Note
- セキュリティアドバイザリ:
- SeaMonkey セキュリティアドバイザリ
- 修正されたバグ:
- New Features and Fixes