SeaMonkey 2.15 がリリースされた
Mozilla Application Suite の開発をコミュニティベースで継続している The SeaMonkey® Project は米国時間 2013 年 1 月 8 日、安定性及びセキュリティ問題を修正を含む SeaMonkey のメジャーアップデート版である SeaMonkey 2.15 をリリースした。
SeaMonkey 2.15 は Firefox 18 と同じレンダリングエンジン Gecko 18 を搭載しており、バックエンドも Firefox 18/Thunderbird 17.0.2 相当となっている。アプリケーションの内容としては、これまで通りブラウザ、メール & ニュースクライアント、Chatzilla、Web 開発ツールを搭載したオールインワンパッケージとなっている。
SeaMonkey 2.15 での新機能や改良点、セキュリティ修正、既知の問題は次のとおり。
新機能及び改良点
- SeaMonkey
- Mac OS X、Linux 環境で既定のブラウザに設定することができるようになった
- 新機能
- IonMonkey コンパイラによる JavaScript の更なる高速化
- 新機能
- WebRTC の初期的サポート
- 変更
- HTML の拡大アルゴリズムを改良し、画像の表示品質を向上
- 開発者
- CSS3 Flexible Box が利用可能となった
- 開発者
- 新しい DOM プロパティ window.devicePixelRatio をサポート
- 開発者
- @supports をサポート (現在は無効)
- 開発者
- 署名付拡張機能の証明書の扱いを改善し、起動時間を短縮
- HTML5
- W3C の Touch イベントを実装 (従来の MozTouch イベントは廃止)
- 修正
- HTTPS ページで安全でないコンテンツの読み込みを無効化 (Bug 62178)
- 修正
- プロキシを利用しているユーザ環境での応答性を向上 (Bug 769764)
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 20 件、重要度区分において最高 12 件、高 7 件、中 1 件が修正されている。
- MFSA 2013-20
- 誤発行された TURKTRUST 証明書
- MFSA 2013-19
- JavaScript Proxy オブジェクトにおける解放後使用
- MFSA 2013-18
- Vibrate における解放後使用
- MFSA 2013-17
- ListenerManager における解放後使用
- MFSA 2013-16
- serializeToStream における解放後使用
- MFSA 2013-15
- プラグインオブジェクトを通じた特権昇格
- MFSA 2013-14
- プロトタイプの変更を通じた Chrome Object Wrapper (COW) の回避
- MFSA 2013-13
- SVG を含む XBL バインディングを用いた XBL におけるメモリ破壊
- MFSA 2013-12
- JavaScript 文字列連結におけるバッファオーバーフロー
- MFSA 2013-11
- アドレス空間配置が XBL オブジェクト内にリークされる
- MFSA 2013-10
- プラグインハンドラにおけるイベント操作が同一生成元ポリシーを回避する
- MFSA 2013-9
- クイックスタブが返す値とコンパートメントの不一致
- MFSA 2013-8
- AutoWrapperChanger がガベージコレクション中にオブジェクトの保持に失敗する
- MFSA 2013-7
- スレッド上での SSL 処理に起因するクラッシュ
- MFSA 2013-6
- タッチイベントがインラインフレーム間で共有される
- MFSA 2013-5
- 多数の列と列グループを含むテーブルの表示によって生じる解放後使用
- MFSA 2013-4
- ページ読み込み中のロケーションバー URL 偽装
- MFSA 2013-3
- Canvas におけるバッファオーバーフロー
- MFSA 2013-2
- Address Sanitizer を使って発見された解放後使用とバッファオーバーフローの問題
- MFSA 2013-1
- 様々なメモリ安全性の問題 (rv:18.0/ rv:10.0.12 / rv:17.0.2)
SeaMonkey 2.15 での全ての修正は New Features and Fixes を、既知の問題や一般的な情報は Release Note を参照いただきたい。
アップデート及びシステム要件
SeaMonkey 2.15 は Windows, Mac, Linux 版が用意され、SeaMonkey Project ウェブサイト より日本語を含む 24 言語に対応した各言語版がダウンロード可能である。既存の SeaMonkey ユーザには自動アップデート経由で通知されるが、手動でアップデートすることも可能だ。
SeaMonkey 2.15 ではシステム要件が変更されており、Windows 2000 および XP SP1 以前への対応及び Intel Mac 環境での Mac OS X v10.5 (Leopard) への対応が打ち切りとなっている。
- ダウンロード:
- SeaMonkey® Project
- リリースノート:
- SeaMonkey 2.15 Release Note
- セキュリティアドバイザリ:
- SeaMonkey セキュリティアドバイザリ
- 修正されたバグ:
- New Features and Fixes