Firefox 18 がリリースされた
Mozilla は米国時間 2013 年 1 月 8 日、安定性及びセキュリティ問題を修正を含む Firefox のメジャーアップデート版である Firefox 18 をリリースした。
Firefox 18 での新機能や改良点、セキュリティ修正、既知の問題は次のとおり。今回のリリースでは、新しい IonMonkey コンパイラ の搭載による Web アプリケーションやゲームなど JavaScript の実効速度が最大25% 高速化した。
また、先日明らかとなった、トルコの認証局である TURKTRUST が誤って発行した中間 CA 証明書によって「*.google.com」向けの偽の証明書が発行された問題 への対処として、当該中間 CA 証明書を失効した他、TURKTRUST からリクエストされている新たなルート証明書の追加を保留している。
新機能及び改良点
- 新機能
- IonMonkey コンパイラによる JavaScript の更なる高速化
- 新機能
- Mac OS X 10.7 以降で Retina ディスプレイをサポート
- 新機能
- WebRTC の初期的サポート
- 変更
- HTML の拡大アルゴリズムを改良し、画像の表示品質を向上
- 変更
- タブ切り替え時のパフォーマンスを改善
- 開発者
- 新しい DOM プロパティ window.devicePixelRatio をサポート
- 開発者
- SVG の FillPaint と StrokePaint の実装
- 開発者
- 署名付拡張機能の証明書の扱いを改善し、起動時間を短縮
- HTML5
- W3C の Touch イベントを実装 (従来の MozTouch イベントは廃止)
- 修正
- HTTPS ページで安全でないコンテンツの読み込みを無効化 (Bug 62178)
- 修正
- プロキシを利用しているユーザ環境での応答性を向上 (Bug 769764)
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 21 件、重要度区分において最高 12 件、高 8 件、中 1 件が修正されている。
- MFSA 2013-20
- 誤発行された TURKTRUST 証明書
- MFSA 2013-19
- JavaScript Proxy オブジェクトにおける解放後使用
- MFSA 2013-18
- Vibrate における解放後使用
- MFSA 2013-17
- ListenerManager における解放後使用
- MFSA 2013-16
- serializeToStream における解放後使用
- MFSA 2013-15
- プラグインオブジェクトを通じた特権昇格
- MFSA 2013-14
- プロトタイプの変更を通じた Chrome Object Wrapper (COW) の回避
- MFSA 2013-13
- SVG を含む XBL バインディングを用いた XBL におけるメモリ破壊
- MFSA 2013-12
- JavaScript 文字列連結におけるバッファオーバーフロー
- MFSA 2013-11
- アドレス空間配置が XBL オブジェクト内にリークされる
- MFSA 2013-10
- プラグインハンドラにおけるイベント操作が同一生成元ポリシーを回避する
- MFSA 2013-9
- クイックスタブが返す値とコンパートメントの不一致
- MFSA 2013-8
- AutoWrapperChanger がガベージコレクション中にオブジェクトの保持に失敗する
- MFSA 2013-7
- スレッド上での SSL 処理に起因するクラッシュ
- MFSA 2013-6
- タッチイベントがインラインフレーム間で共有される
- MFSA 2013-5
- 多数の列と列グループを含むテーブルの表示によって生じる解放後使用
- MFSA 2013-4
- ページ読み込み中のロケーションバー URL 偽装
- MFSA 2013-3
- Canvas におけるバッファオーバーフロー
- MFSA 2013-2
- Address Sanitizer を使って発見された解放後使用とバッファオーバーフローの問題
- MFSA 2013-1
- 様々なメモリ安全性の問題 (rv:18.0/ rv:10.0.12 / rv:17.0.2)
- MFSA 2012-98
- Firefox インストーラの DLL ハイジャック
Firefox 18 で修正された全ての問題は Mozilla.org bugs fixes (英語) を参照されたい。
既知の問題
- 未解決
- ある特定の WebGL 描画処理が拒否され、ページの描画が不完全になる場合がある (Bug 825205)
- 未解決
- ロックされたプロファイルで Firefox を起動しようとするとクラッシュする (Bug 573369)
- 未解決
- 一部のユーザ環境において、Gmail メイン画面上のでのスクロールが通常より遅くなる (Bug 579260)
- 未解決
- Firefox の更新直後に Windows の「システムの復元」機能を使用すると、以後 Firefox を更新できなくなる場合がある (Bug 730285)
- 未解決
- Firefox を -private コマンドラインオプション付で起動した場合に、プライベートブラウジングモードではないという旨の誤ったメッセージが表示される (Bug 802274, Firefox 19 で解決)
- 未解決
- 高解像度モードの使用時に、ページをスクロールしてプラグインコンテンツの上半分が隠れる状態にするとプラグインの描画更新が停止することがある (Bug 825734)
その他、Firefox 18 についての一般的な情報は Firefox 18 リリースノート を、開発者向けの情報は MDN を参照いただきたい。
Firefox 18 は Windows, Mac そして Linux 版が用意され、Mozilla Japan ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、85 以上の言語に対応した各国語版は 次世代ブラウザ Firefox – 各国語版のダウンロード よりダウンロード可能となっている。また、既存の Firefox 4 以降のユーザには自動アップデート経由で通知されるが、Firefox メニューの“Firefox について”より手動でアップデートすることも可能だ。
Firefox 18 では、Windows 2000 および XP SP1 以前への対応が打ち切りとなっている ほか、Intel Mac 環境での Mac OS X v10.5 (Leopard) への対応が打ち切りとなっっている。詳細は Firefox 18 システム要件 を参照されたい。
- ダウンロード:
- Mozilla Japan
- リリースノート:
- Firefox 18 リリースノート
- セキュリティアドバイザリ:
- Firefox セキュリティアドバイザリ
- Firefox 18 で修正されたバグ:
- Bug Fixes (英語)
2013/01/09 - 18:08:07 -
「Firefox 18」正式版リリース
Firefox 最新の正式版「Firefox 18」がリリースされました。 新し
2013/01/10 - 00:01:24 -
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