Firefox 17 がリリースされた
Mozilla は米国時間 2012 年 11 月 20 日、安定性及びセキュリティ問題を修正を含む Firefox のメジャーアップデート版である Firefox 17 をリリースした。
Firefox 17 での新機能や改良点、セキュリティ修正、既知の問題は次のとおり。このリリースでは、新しい Social API に対応し、試験的なソーシャル統合の第一歩として Firefox 用 Facebook メッセンジャー を統合している。
新機能及び改良点
- 新機能
- Facebook メッセンジャーをソーシャルプロバイダとしてサポートする、Social API 初期バージョンの実装
- 新機能
- 脆弱性の知られているプラグインに対しては Click to Play 機能が有効になり、ユーザがクリックするまで読み込まれなくなった (詳細はこちらの ブログ記事 を参照)
- 変更
- 表示されるアイコンを大きくしロケーションバーの使い勝手を改善
- 変更
- Mac OS X 10.5 の サポートの終了
- 開発者
- JavaScript の Maps と Sets がイテラブル (反復可能なオブジェクト) として利用できるようなった
- 開発者
- SVG の FillPaint と StrokePaint の実装
- 開発者
- Webコンソール、デバッガおよび開発者用ツールバーを手早く簡単に使えるように改善
- 開発者
- ページインスペクタの、マークアップパネルを刷新し、DOM を簡単に編集できるようになった
- HTML5
- セキュリティ向上のための iframe の sandbox 属性のサポート
- 修正
- 新規タブページの修正などを含む、20 以上のパフォーマンスの向上
- 修正
- Opus 音声コーデックがデフォルトで有効になった (Bug 772341)
- 修正
- ポインタロックが Web アプリで動作しない問題の修正 (Bug 769150)
- 修正
- 固定ヘッダのあるサイト上でのページスクロール量の調整 (Bug 780345)
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 16 件、重要度区分において最高 6 件、高 9 件、中 1 件が修正されている。
- MFSA 2012-106
- Address Sanitizer を使って発見された解放後使用、バッファオーバーフロー、メモリ破壊の問題
- MFSA 2012-105
- Address Sanitizer を使って発見された解放後使用とバッファオーバーフローの問題
- MFSA 2012-104
- スタイルインスペクタを通じた CSS と HTML の注入
- MFSA 2012-103
- フレームによる top.location のシャドーイング
- MFSA 2012-102
- 開発ツールバーに入力されたスクリプトがクローム特権で実行される
- MFSA 2012-101
- HZ-GB-2312 文字エンコーディングにおける誤ったデコード
- MFSA 2012-100
- 同一生成元ラッパーの誤ったセキュリティフィルタリング
- MFSA 2012-99
- XrayWrappers がクロームコンパートメントにない場合にもクローム専用プロパティを露呈する
- MFSA 2012-98
- Firefox インストーラの DLL ハイジャック
- MFSA 2012-97
- XMLHttpRequest がサンドボックス内で誤ったプリンシパルを継承する
- MFSA 2012-96
- str_unescape におけるメモリ破壊
- MFSA 2012-95
- 新しいタブページ上で javascript URL が特権付きコンテキストで実行される
- MFSA 2012-94
- パス上の SVG テキストと CSS の組み合わせによるクラッシュ
- MFSA 2012-93
- evalInSanbox の location コンテキスト誤適用
- MFSA 2012-92
- GIF 画像描画時のバッファオーバーフロー
- MFSA 2012-91
- 様々なメモリ安全性の問題 (rv:17.0/ rv:10.0.11)
Firefox 17 で修正された全ての問題は Mozilla.org bugs fixes (英語) を参照されたい。
既知の問題
- 未解決
- ロックされたプロファイルで Firefox を起動しようとするとクラッシュする (Bug 573369)
- 未解決
- 一部のユーザ環境において、Gmail メイン画面上のでのスクロールが通常より遅くなる (Bug 579260)
- 未解決
- Firefox の更新直後に Windows の「システムの復元」機能を使用すると、以後 Firefox を更新できなくなる場合がある (Bug 730285)
その他、Firefox 17 についての一般的な情報は Firefox 17 リリースノート を、開発者向けの情報は MDN を参照いただきたい。
Firefox 17 は Windows, Mac そして Linux 版が用意され、Mozilla Japan ウェブサイトよりダウンロード可能となっている。また、85 以上の言語に対応した各国語版は 次世代ブラウザ Firefox – 各国語版のダウンロード よりダウンロード可能となっている。また、既存の Firefox 4 以降のユーザには自動アップデート経由で通知されるが、Firefox メニューの“Firefox について”より手動でアップデートすることも可能だ。
Firefox 17 ではこれまでと同じく Windows に関するシステム要件が変更されており、Windows 2000 および XP SP1 以前への対応が打ち切りとなっている ほか、新たに Mac に関するシステム要件が変更されており、Intel Mac 環境での Mac OS X v10.5 (Leopard) への対応が打ち切りとなった。詳細は Firefox 17 システム要件 を参照されたい。
また、法人向けの延長サポート版 (ESR) もバージョン 17 がリリースされた。 Firefox 18.0.x との同時リリースまでは ESR 10.0.x と 17.0.x が並行してリリースされるが、Firefox 19 リリース時には ESR 10.0.x のサポートは終了し ESR 17.0.x へアップグレードされる予定である。ESR を導入している法人では必要に応じて事前にテストを進められたい。
- ダウンロード:
- Mozilla Japan
- リリースノート:
- Firefox 17 リリースノート
- セキュリティアドバイザリ:
- Firefox セキュリティアドバイザリ
- Firefox 17 で修正されたバグ:
- Bug Fixes (英語)
2012/11/22 - 19:20:39 -
「Firefox 17」正式版リリース
Firefox 最新の正式版「Firefox 17」がリリースされました。 新機