Firefox 10 がリリースされた
Mozilla は米国時間 2012 年 1 月 31 日、安定性及びセキュリティ問題を修正を含む Firefox のメジャーアップデート版である Firefox 10 をリリースした。
Firefox 10 での新機能や改良点、セキュリティ修正、既知の問題は次のとおり。
新機能及び改良点
- 履歴を戻るまで [進む] ボタンを表示しないようになった
- アドオンの互換性確認をより柔軟にしたことで、ほとんどのアドオンが新バージョンでも引き続き利用可能となった
- Mac 環境で ATOK の確定アンドゥが使用可能に (ただし、キーボードショートカットが変更されていると動作しない場合がある) (Bug 477291)
- WebGL のアンチエイリアスを実装した (Bug 615976)
- CSS3 の 3D トランスフォームを実装 (Bug 505115)
- 双方向テキストの分離を実現する HTML5 新要素
bdi
を、CSS プロパティとともに実装 (Bug 613149、Bug 662288) - 全画面 (フルスクリーン) での実行に対応した Web アプリケーションを開発できる フルスクリーン API を実装
- 仕様との整合性を高めた IndexedDB API を実装
- Web 開発者向け新機能として、該当要素の強調表示や CSS スタイルの確認を行える 調査ツール を追加
- Mac 環境で、ブックマークを移動中にクラッシュする場合がある問題を修正 (Bug 681795)
- Mac 環境で、Apple から公開された最新の Java をインストールした後、Java アプレットが使われているページのタブを閉じたときにクラッシュする場合がある問題を修正 (Bug 700835)
セキュリティ修正
このアップデートでのセキュリティ問題への修正は合計 8 件、重要度区分において最高 5 件、高 2 件、中 1 件が修正されている。
- MFSA 2012-09 「Firefox Recovery Key.html」が安全でない権限で保存される
- MFSA 2012-08 不正に埋め込まれた XSLT スタイルシートによるクラッシュ
- MFSA 2012-07 Ogg Vorbis ファイルデコード時の潜在的なメモリ破壊
- MFSA 2012-06 アイコン画像のエンコード時に追加される未初期化メモリによる情報の誤表示
- MFSA 2012-05 信頼できないオブジェクトを呼び出したフレームスクリプトがセキュリティチェックを迂回する
- MFSA 2012-04 nsDOMAttribute の子ノードを削除後も参照できてしまう
- MFSA 2012-03 iframe 要素が name 属性を通じて他ドメインから置き換えられる
- MFSA 2012-01 様々なメモリ安全性の問題 (rv:10.0/ 1.9.2.26)
この他、Firefox 10 で修正された全ての問題は Mozilla.org bugs fixes (英語) を参照されたい。
既知の問題
全てのシステム
- ブラウザのバージョン番号が 2 桁になったことで、一部のサイトではバージョン判定に失敗する サイト互換性の問題 が生じる可能性がある (Bug 690287)
- ロックされたプロファイルで Firefox を起動しようとするとクラッシュる (Bug 573369)
- 特定の状況で、スクロールやテキスト入力がぎくしゃくした状態になることがある (Bug 711900)
Windows
- 一部の Synaptics 社製タッチパッドで垂直スクロールができない (Bug 622410)
Mac OS X
- 一部のユーザ環境において、Gmail メイン画面上のでのスクロールが通常より遅くなる (Bug 579260)
- Growl 1.3 以降で Firefox の通知が表示されない場合があるが、この問題は Firefox 11 で修正される (Bug 691662)
- 一部の Mac ハードウェアで Silverlight 動画が再生されない場合がある (Bug 715396)
その他、Firefox 10 についての一般的な情報は Firefox 10.0 リリースノート を、開発者向けの情報は MDN を参照いただきたい。
Firefox 10 は Windows, Mac, Linux 版および Android 版が用意され、Mozilla Japan ウェブサイトおよび Android Market よりダウンロード可能となっている。また、80 以上の言語に対応した各国語版は 次世代ブラウザ Firefox – 各国語版のダウンロード よりダウンロード可能となっている。また、既存の Firefox 9.0.x ユーザには自動アップデート経由で通知されるが、Firefox メニューの“Firefox について”より手動でアップデートすることも可能だ。
【注意】少数のユーザに影響する問題の可能性を調査中のため、Mac 版と Linux 版の自動更新は無効化されている。(この問題は新規ユーザには影響しないと思われる)
Android 版ユーザにはアップデートを促す通知が表示される。
なお、Firefox 10 のシステム要件は Mac OS X に関してはFirefox 3.6 から変更されており、10.4 (Tiger) のサポート及び PowerPC 環境での Mac OS X のサポートは終了している。詳細は Firefox 10 システム要件 を参照されたい。
- ダウンロード :
- Mozilla Japan
- リリースノート :
- Firefox 10.0 リリースノート
- セキュリティアドバイザリ
- Firefox 10 で修正済み
- Firefox 10 で修正されたバグ :
- bugs fixes (英語)