Mozilla Foundation が、Mozilla Corporation の設立をアナウンス
Mozilla Foundation は Mozilla Corporation の設立をアナウンスした。この Mozilla Corporation は開発を続け、Mozilla Firefox と Mozilla Thunderbird を配布しマーケティングする完全な子会社である。非営利の Mozilla Foundation と異なり、Mozilla Corporation は課税の対象になる(非営利ではなく営利であるため)が、Mozilla Foundation はこの会社は Mozilla Foundation と同じく公共の利益をゴールとして追求し、純粋に利益追求のために運営されるものではないと強調している。
この変更は日々の Mozilla の開発には影響しない。たとえば現在のモジュールオーナーシステム、drivers、レビュワー、そしてスーパーレビュワーの立場は変わらない。エンドユーザは双方の違いに気づきにくいだろうが、Mozilla Foundation と Mozilla Corporation は実際には別々のウェブサイトを持つだろう。今のところ、Firefox と Thunderbird だけが Mozilla Corporation の援助を受けて開発される; その他の、Camino や SeaMonkey といったプロジェクトは、引き続き Mozilla Foundation に監督される。
Mozilla Foundation の雇用者のほとんどは、Mozilla Corporation に移籍する。主任トカゲ飼育係の Mitchell Baker は Mozilla Corpration のプレジデントになる。一方で、Brendan Eich は主任技術オフィサーになる。Mozilla Corporation はそれ自身の理事会を持ち、Mozilla Foundation の理事会によって指名され、Mozilla Foundation の取締役会に対して責任を負う。Mitchell Baker は両方の理事会に席を置き、Red Hat の被雇用者である Chris Blizzard は Foundation の理事会から Corporation の理事会に籍を移す。Reid Hoffman(Chris Hofmann とはなんの関係もない人物)は、多くのインターネット企業にかかわっており、Mozilla Corporation のディレクターにも籍を置くことになるだろう。
製品開発を新しい子会社に移すことにより、Mozilla Foundation は プロジェクトとポリシーの問題に集中できることを期待している。Mozilla のベテランである Frank Hecker は Foundation の活動を、パブリックポリシーのディレクターという新しい立場で導く。Gervase Markham は Foundation に残り、Zak Greant もチームに加わる。Joi Ito は Mozilla Foundation の理事会に籍を置くことになるだろう。
Mozilla Corporation の設立は処理しにくい法的な問題や税金の問題を解決するだろう。そういった問題は、利益を生む可能性のある Firefox や Thunderbird によって生じる可能性がある。Mozilla Corporation はこれから商用企業との関係を取り回し、その社会的な地域はこの分野でより柔軟になるだろう。Mozilla Corporation からの収益が、Mozilla プロジェクト(Foundation と Corporation の両方を含む)がより自立的になることを助けることが期待されるが、寄付は引き続き歓迎する。
Mozilla Corporation は営利だが、Mozilla Foundation はまだ処分対象ではないと強調している。Mozilla Foundation は究極的に Mozilla Corporation の活動をコントロールし、新しい子会社の 100 パーセントの所有権を得るだろう。Mozilla Corporation によって生みだされるいかなる利益も、Mozilla Project に還元される。株主はおらず、ストックオプションは発行されず、配当も支払われない。Mozilla Corporation は株式市場に上場せず、どんな会社もこの子会社を買収したり、投資を行ったりすることは出来ない。Mozilla Foundation は Mozilla の商標やそのほかの知的所有権を所有し続け、それらを Mozilla Corporation にライセンスする。Foundation は ソースコードのリポジトリと、誰がチェックイン可能かをまとめ続ける。
Mozilla Corporation を設立する決定は、Mozilla Advisory Committee(日本語訳版) からのフィードバックを検討したうえで、Mozilla Foundation の取締役会によって決定された。Mozilla Advisory Committee は Mozilla コミュニティのメンバーで構成され、オープンソースと起業家の業界から選ばれた。Mozilla Corporation は 今週法人として登録され、複数の重要な Mozilla 貢献者に対しては、昨晩この変更に関する通知が行われた。プレスの一部にも、ブリーフィングが発行された。
Mozilla Foundation は Mozilla Corporation の設立をアナウンするプレスリリースを投稿した(日本語訳版)。FAQ やウェブログへの投稿へのリンクを備えた再組織化のための mozilla.org のサイト(日本語訳版)もある。アメリカ太平洋夏時間で今日の午後5時(UTC では木曜日の午前1時)からは、OSCON 2005 でのポットキャストもホストされる。Mitchell Baker は Mozilla Corporation に関するウェブログの投稿を書き、Frank Hecker は Mozilla Foundation の中での彼の役割の変更 について書いた。結局の所、Daniel Glazman は Mozilla Corporation の要点のまとめ を投稿し、Mozilla Advisory Committee のメンバーの Tristan Nitot は、今日の遅くには再編成に関する彼の展望を提供する と約束した。
更新: ポッドキャストは明日(木曜日)のアメリカ太平洋時間の午後5時(UTCでは金曜日の午前1時に延期されたようだ。
[ 原文 / 2005年8月3日(水)]